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前々項では、「女性の生理や生理休暇に配慮せよ」という趣旨の話をした。
これにともなって、「女性の生理日を知っておいた方がいい」という判断が出るので、「管理職は女性社員の生理日を管理するべきだ」という結論が出る。
そう聞くと、「キモーい」という女性の反発が出そうだが、とんでもない。
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最近、女性の生理をタブーとしないで、きちんと理解しよう……という風潮がある。「生理ちゃん」という漫画などがきっかけだ。
→ 生理隠すもの?議論呼ぶ あの袋不要・ネコ柄タンポン…:朝日新聞
→ 映画化決定!「ツキイチ!生理ちゃん」まとめ読み! | オモコロ
こういう状況なのだから、「職場でも管理職は部下の生理日を管理するべきだ」という結論が出る。しかしこれには、「キモーい」という女性の反発が出そうだ。
とはいえ、それはとんでもないことだ。男性上司が女性社員の整理を管理することは、イヤらしい興味ゆえのことではなくて、業務を遂行する上での当然の管理なのである。
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なるほど、女性としては、知られると恥ずかしがるだろう。
→ 生理観、日本に住む外国人は 「取材も恥ずかしい」声も:朝日新聞
だが、生理というのは、恥じるべきことではないのだ。むしろ、称賛されるべきことなのだ。理由は、こうだ。
「生理とは、性行為に必要なものではなく、出産に必要なものである。それは、妊娠や出産の一環である(その最初の部分である)。そして、妊娠や出産が素晴らしいこととして称賛されるべきであるのと同様に、生理もまた称賛されてしかるべきなのだ」
仮に、生理がなくなったら、それはもはや「妊娠不可能」ということであるから、悲しむべきことだ。女性は加齢にともなって、そうなることがある。また、病気や事故でそうなることもある。いずれにせよ、とても悲しいことだ。逆に言えば、生理があるということは、とても素晴らしいことなのだ。「これなくしては人類が滅びてしまう」というぐらいに重要なことだとも言える。人類存亡を左右するほどの重要性があるのだ。
これに比べれば、男の重要性ははるかに低い。仮に、人類の男性の 99% が滅びたとしても、人類の存亡には影響しない。残りの1%が毎日せっせと、多くの女性を孕ませることができるからだ。男は(優秀な)1%がいれば、それで足りるのだ。他の 99%は、いなくてもいい存在なのである。
一方、女性は生涯に数人の子供しか産めないのだから、女性の数の減少は、そのまま人類の数の減少につながる。特に、出産年齢の女性人口が減少すると、産まれてくる新生児の数が減ってしまう。……そういう危機的状況にあるのが、現在の日本だ。
→ 少子化と晩婚化: Open ブログ
ともあれ、生理というのは人類に必要不可欠な重要性を帯びている。だから決して、恥ずべきことなんかではないのだ。
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話を戻そう。
「管理職が部下の生理日を管理するべきだ」ということには、根拠がある。こうだ。
「部下である女性の生理日を管理しておけば、女性の体調に応じて仕事を割り振ることができる。生理で体が重い日には、軽い仕事を割り当てたり、生理休暇を取ってもらったりすることができる。こうして業務の円滑な遂行をもたらす」
こう聞けば、「なるほど」と思う人が多いだろう。
また、これは私の独創ではない。実際、すでに実行している人がいる。その実例。
その上司は、どうして女性社員にモテるのか。
その理由が、すごい。なんと彼は、部下の女性7人の生理日を頭に入れておいたのである。そして、生理中の子には、ラクな仕事を回したり、お使いに出してあげたのである。お使いで外にでれば、喫茶店で休むこともできるから、という気配りである。もちろん、彼女たちの生理日を知っていることなど、おくびにも出さなかった。
( → あらゆる部下を手玉にとる上司の“心構え” )
「彼女たちの生理日を知っていることなど、おくびにも出さなかった」
とのことだ。こういう気配りは、昔は必要だっただろうが、今では不要だろう。堂々とオープンにする形で、生理日の情報を知っておいていいだろう。
というより、上司だけでなく、職場全体で、女性社員の生理日の情報を共有するべきだ。職場のホワイトボードか、パソコン上の「生理カレンダー」に、各社員の生理日(予定日)を記述して、職場の全員で情報を共有するべきだ。
そうすれば、
「A子さんは、今月の 25〜27日が生理日なので、この日に出張を割り当てるのはやめておこう。かわりに B子さんにやってもらおう」
というような配慮を、職場全体でなすことができる。だから女性にとってはありがたい。
重ねていうが、生理は、決して恥ずべきことではない。職場の外にまで大々的にPRするべきことではなさそうだが、少なくとも職場の内部では生理日の情報を共有しておくべきだ。
→ 「生理バッジへの批判は覚悟していた」 それでも大丸梅田店が店員の生理をオープンにした理由
→ 「生理バッジ」取りやめへ 大丸梅田店、意思表示は継続:朝日新聞
この例(大丸)では、「生理ちゃん」のバッジを客に見せつけることで、生理中であることを客の目に訴えていた。しかし、それはやりすぎだろう。
「生理バッジ」を付けること自体は、悪くはない。だが、そうだとしても、そのデザインは、社員だけが理解できるようなデザインにするべきだった。(つまり、外部には何の意味もないようなデザインにするべきだった。たとえば、星形マークとか、小鳥マークとか。)
生理の情報共有は必要だが、それはあくまで職場内部でのことだ。その情報を客に訴える必要はない。生理中の社員に配慮するべきは、職場の同僚なのであって、客ではないからだ。
こういう趣旨で、生理の情報の共有を進めるべきだろう。
( ※ 「生理マーク」なんかよりは、「生理カレンダー」の方が大事だ、ということ。使うツールを間違えてはいけない。)
[ 付記1 ]
女性の生理は、(お月様の)月齢に依拠する……という説がある。
→ あなたのタイプは、新月生理?満月生理?|ホットペッパービューティー
もしそうだとすると、満月のときや新月のときには、多くの女性がそろって生理になるはずだ。だとすれば、月齢を知っておくことが有益となる。
→ 月齢カレンダー
上のことが本当かどうかは、定かではない。また、個人差が大きそうだ。話半分ぐらいに聞いておけば、ひょっとしたら、役立つことがあるかもしれない。
[ 付記2 ]
生理と言えば、男にだって、生理はある。女性が月に1回なのに対して、男性は、1日数回から、数日に1回ぐらいだが。(加齢とともに頻度が減る。)
「女性の生理は ばっちいな」と思う男もいそうだが、男の方がよっぽど ばっちいよ。
そもそも、出血なんて、ケガをすれば誰だって起こる現象だ。私だってつい先日、刃物のミスで、ほんのちょっとばかり出血したことがある。こんなのは、ごく当たり前にあることだ。出血ぐらいで騒ぐ必要はない。
下記のリンク先を参照。
【 関連サイト 】
→ 生理が重い(体験談)
→ 生理中の姉の血みどろの姿を見た弟氏の反応が将来有望→男性側からの意見が集まる - Togetter
ついでに、オマケ。
→ 男子大学生がイライラする日をルナルナに登録してみたらきちんと周期があった話 - Togetter
→ ルナルナ アプリ(無料)
女性社員にモテる上司の例
『ただしイケメンに限る』
例外があるからやめてしまえ、というのは暴論。「交通信号を無視する人がいるから、交通信号を廃止せよ」というようなもの。
たとえズレても、予定がズレるだけであって、その最中には、ズレることなどはない。真っ最中であるだけだ。
> 閉経した
だとしても、別に問題はない。嘘ついたっていいんだし。自称・自己申告で十分。むしろ、無給の生理休暇を取得することで、収入が減るだけだ。
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あなたの趣旨だと、「生理中の女性を酷使してもいい」ということになるが、それはただの虐待でしょ。ブラック職場になる。
意識改革せよというのを極端な例とともに提言している論考と受け止めました。
この文章を額面通り受け取るなら行き過ぎです。
生理が恥ずべきものではないのはその通りで、自主的に言い易い雰囲気を作ることは必要ですが、会社が管理して職場に貼り出すのはやりすぎでしょう。
生産性の御旗の下にプライバシーに過度に踏み込むとしたら、そんな管理社会は真っ平御免ですわ。
申告は、強制でなく、自主性に任せれば、誰も困りません。いやなら申告しなければいいだけです。
そのかわり、優しくしてもらえる機会を失います。仕事の量が増えて、損するだけです。本人が困るだけ。
> 生産性の御旗の下に
生産性はかえって悪化します。話の方向性が逆です。「生産性を悪化させてでも、従業員に優しくしよう」という話。
むしろ、あなたの主張通りだと、生産性は向上します。従業員を酷使するブラック職場にありがち。