2020年01月13日

◆ 警官の制圧で死亡

 警官が制圧したせいで死亡した、という事例が発生した。警官による殺人だとも言える。

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 警官が制圧したせいで死亡した、という事例が発生した。
 愛知県警稲沢署は12日、パトカーのサイドミラーを壊したとして、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した同県稲沢市の職業不詳の男(57)が暴れたため、署員らが取り押さえたところ意識不明の重体となり、その後搬送先の病院で死亡したと発表した。
 男がパトカーのサイドミラーを破壊したため、午後4時50分前に現行犯逮捕した。その際、警察官3人が男をうつぶせにして制圧したという。
( → 警察官が取り押さえた男が死亡 現行犯逮捕後に意識不明に、愛知 | 共同通信

 これは一種の殺人だとも言える。ただし法的には、「業務上過失致死罪」が適用される。次の例がある。
  → 鹿児島・警官取り押さえ男性死亡:警察官による制圧死 撮影したTBS、映像を放送せず - 毎日新聞

 「業務上過失致死罪」ならば、交通事故と同じなので、人を殺しても実刑にならないむことが多い。賠償金を払えば、執行猶予が付いて、無罪同然の処遇になることも多い。
  → 自動車運転過失致死 −なぜチノパンは「容疑者」扱いされないか

 となると、警察官が制圧で人を死なせても、たいした罪にはなるまい。

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 とはいえ、このせいで、「制圧中の死亡」という事件は多発している。ググれば、多数見つかる。
  → Google 検索

 ひどい例では、何も悪いことをしていないのに、誤認逮捕で制圧されて死んでしまった、という例もある。当然、ことさら抵抗もしていないのに、一方的に殺されてしまったわけだ。
 68歳の男性Aさんが誤認逮捕の末に死亡する事件が発生した。
 地元警察官2名が到着。 Aさんを窃盗の容疑者として拘束した。Aさんは「違う」と無実を主張し立ち上がろうとするも、警察官はAさんの頭と上半身を力任せに押し付けて制圧。応援の警察官が駆け付けるまでの20分間に渡り警察によるAさんの拘束は続けられたという。
 この時、Aさんは拘束により過度のストレスを受けて嘔吐、失神をしていたが対応した警察官は気づいていなかった。
( → 冤罪により殺されてしまった高齢男性、発端となった子連れ女の不気味な挙動とは【未解決事件ファイル】

 屈強の若者を制圧するのならともかく、68歳の老人を強力に圧迫し続けていたわけだ。殺人行為と言っていいだろう。

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 では、このような制圧のどこが問題なのか? 
 状況(制圧方法)としては、うつ伏せのときには危険度が高い。
 男性を後ろ手に手錠をかけた状態で20分間うつ伏せに押さえつけた。この間に男性は意識を失い、嘔吐もしていた。
( → 四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件 - Wikipedia

 似た事例は他にもある。
  → うつぶせに押さえ込むことの危険性 - Togetter

 このような状況では、胸部圧迫よって、心臓や呼吸器に負担がかかることが大きな理由であるようだ。嘔吐して窒息死することもあるようだ。
 実際、上記の Google 検索の一覧でも、そのような原因がしばしば見つかる。

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 では、かわりとなる対案としては、どういうものがあるか? こうだ。

  ・ 上着を下ろす (上着を肩から肘の位置まで下げる。)
  ・ 腕ひねり (相手の腕を背中に回して、ひねる。)
  ・ 腹打ち (腹を打つ。ケガはしても、死にはしない。)

 腹打ちは、最悪の場合には内出血や臓器損傷の懸念もあるが、そんなに強力なパンチを打てるのは、ボクサーや空手経験者ぐらいだろう。普通の人ならば、内臓損傷をさせるようなことはない。また、たとえ内臓損傷があっても、みぞおちで胃を打つぐらいならば、死にはしない。(心臓や呼吸器を圧迫すると、致死的になるのに比べれば、ずっとマシだ。)

 上着を下ろすのは、最も簡単で有効であり、素人相手ならば最も推奨できる。通常はこれを第1選択肢とするべきだ。

 腕ひねりは、最も標準的な対処だ。最初に取るべきは、これであろう。これで相手を動かせなくしたあとで、上着を下ろせば、完璧だ。あとは後ろ手で、手錠をかける。
( ※ 参考だが、片手手錠だと、まずい。犯人が残る片手で、警官を攻撃して、警官を気絶させることがあるからだ。)

 以上のような方法は、「逮捕術」「制圧術」として、すべての警官に教えるべきだ。教えるべき場所は、警察学校だ。「教場」とも言われる。
  ※ ドラマにもなった。
    → フジテレビ開局60周年特別企画 教場

 警察学校では、ずいぶん高度なことを教えているようだ。それだったら、基本中の基本である「逮捕術」「制圧術」を、もっとちゃんと教えるべきだろう。また、剣道なんかよりは、合気道を教える方がいい。
 というか、現状の「圧迫死の続発」を見ると、警察学校では間違った「逮捕術」「制圧術」を教えているとしか思えない。ここを是正するべきだろう。「この方法だと相手を死なせる危険があるので、絶対にやってはいけない」というふうに。

 基本的に、上着を下げれば、相手を動かせなくすることは可能だ。なのに、そんなこともしないで、上にのしかかるなんて、まったくとんでもないことだ。どうせなら、首を絞めて窒息させる方が、よほどマシである。(それなら、ぐったりするだけで、すぐには死なない。柔道で首の絞め技を教えてもいい。)

 というか、そもそも、過剰に制圧するのが問題だと言えるだろう。粗暴にふるまうわけでもない 68歳の老人に対して、「立ち上がろうとしたりして、ちょっとでも動いたら、反撃の意思があると見なして、強硬に制圧する」なんて、とんでもないことだ。
 こういう警官の意識こそが、何よりもまずいと言える。粗暴な警察官が多いので、こういう事例を見つけたら、身内でかばったりせず、大々的にさらしあげて、懲戒免職にして、警察全体で教訓とするべきだろう。
 多くの事例では、死亡させた警察官の名前が報道されないが、とんでもないことだ。きちんと名前をさらして、きっちりと懲戒免職にするべきだ。決して偶然や不運で人が死んだわけではない。根本的に間違った方法を取ったせいで人が死んだのだ。一種の未必の故意とも言える。懲役3年ぐらいになってもおかしくない。
 ついでに、こういう状況を放置している警視総監や県警本部長は、事件が起こるたびに解任されてしかるべきだ。そうすれば、人を死なせない「逮捕術」「制圧術」が普及するだろう。



 【 関連サイト 】

 以前、鹿児島の事件で死亡したときには、多くの反響があった。
  → はてなブックマーク



 【 関連項目 】

 似た話題で述べたことがある。やはり「逮捕術」「制圧術」の話。
  → 保釈者の収監に失敗: Open ブログ

 これは、ひどい制圧をしたのとは逆に、制圧の方法をまったく知らない素人が出向いたせいで、保釈中の犯人に抵抗されて、まんまと逃げられた……という事例。
 犯人がナイフ一本を振り回しただけで、まんまと逃げられてしまった。(ゴーンみたいに)プロ兵士のグリーンベレーの力を借りたわけでもなく、ナイフ一本で簡単に逃げられた。いかにも間抜けだ。

posted by 管理人 at 12:15| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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