──
イランのミサイル攻撃がなされたが、米軍には被害がなかったようだ。イランの側は「死者 80人」なと、勝手なことを言っているが、現地を見たわけでもないのに、被害がわかるわけがない。当事者である米軍の側は、「被害なし」と言っているので、こちらが正しいようだ。
→ 「米国のテロリスト80人殺害」イラン国営テレビ報道 :日本経済新聞
→ CNN : イランのイラク米軍基地攻撃、犠牲者の報告なし 米当局者
では、ミサイル 15発を発射(うち 12発が到達)したのに、被害がなかったのは、どうしてだろうか?
そのわけを考えよう。
──
すぐに思い浮かぶ理由は、こうだ。
「ミサイル発射が予告されていたので、米人はあらかじめ基地から離脱していた。基地にはもはや人がいなかった」
これはたしかに考えられる。実際、その報道もある。
別の米軍関係者は、米軍はミサイル発射の警戒情報を受けてサイレンを鳴らすのに十分な時間的余裕があったと語った。危険な地点にいる人々は安全な場所に避難することができたという。
( → CNN: イランのイラク米軍基地攻撃、犠牲者の報告なし 米当局者 )
その場合、もし建物の被害が出ていたら、「建物が破壊された」というような報道が出ていたはずだ。しかしそういう報道はないようだ。かわりに、「無人地点に当たった」というような報道がある。
米軍関係者や政府高官によると、初期段階の調査では、アサド空軍基地では米国人のいない地点にミサイルが着弾した。
( → CNN : イランのイラク米軍基地攻撃、犠牲者の報告なし 米当局者 )
とすれば、やはり、建物の被害もなくて、滑走路などの地面にミサイルは落ちたのだろう。
実は、このことは、最初から私は推定した。そこで航空写真を調べたら、案の定だ。
見ればわかるように、砂漠のなかに、ところどころぽつんと建物がいくつかあるだけだ。あとは細い滑走路があるだけ。こんなところにある建物をミサイルで狙っても、まず当たらないだろう。よほどのピンポイントで命中させる必要があるが、それには精密誘導弾が必要だ。巡航ミサイルでも当たりにくいし、弾道ミサイルならばなおさらだ。どっちにしても、北朝鮮の古いタイプのミサイルを導入しただけらしいから、命中精度は低いはずだ。当たらないのが当然なのだ。
イラン精鋭部隊・革命防衛隊が開発や運用を担い、アメリカのメディアによりますと去年7月には、中距離弾道ミサイル「シャハブ3」1発の発射実験を行ったということです。
「シャハブ3」は、北朝鮮のミサイル「ノドン」の技術を応用して開発されたとされる比較的古いタイプ
( → イラン 米軍に弾道ミサイル 革命防衛隊“司令官殺害への報復” | NHKニュース )
──
では、このあと、イランはミサイルをどんどん発射して、被害が出るまで発射し続けるだろうか?
いや、それはありえないだろう。なぜなら、ミサイルの数が限られているからだ。
イランの保有する弾道ミサイルは短距離・中距離合わせ、およそ 150発と推定されている。
( → イラン 米軍使用基地に弾道ミサイル、「12発」その意図は? TBS NEWS )
150発のうち、15発といえば、全体の1割だ。それほど多数のミサイルを発射しておいて、成果はゼロ。このまま同じことを二度、三度、と続けたら、「45発を使って、成果ゼロ」となりかねない。全体の 3分の1のミサイルを使って、「成果ゼロ」となれば、悲惨すぎる。致命的とも言える。だったら、成果の上がらないミサイルを発射するよりは、手持ちにしたまま、威嚇(ブラフ)のために見せつけるだけにしておいた方が利口というものだろう。
( ※ 伝家の宝刀みたいだ。抜けば錆びているとバレるので、抜くわけには行かない。「抜くぞ、抜くぞ」と見せかけるだけにするのが賢明だ。)
というわけで、次の二点がわかった。
・ 被害がなかったのは、建物が分散していることと、ミサイルの命中精度が低いことから。
・ イランのミサイルの数は少ないので、今後の継続はなさそうだ、と見込まれる。
結果的には、戦争のエスカレーション(さらなる拡大)は起こらないと思える。ただし、ウラン濃縮による核開発は明白な危機である。これは継続する。(前項で述べたとおり。)
[ 付記1 ]
イランのミサイルの命中精度が低いことは、次のことも意味する。
「非常に高額なミサイルを発射しても、その被害は少ないので、ミサイル攻撃というのはコスパがすごく悪い。ゆえに、ミサイル攻撃というものを心配する必要はない。怖いのは大量(何十万発も)の爆弾を落とす爆撃であって、数十発ぐらいのミサイルなんて心配することはないのだ」
このことは、前から何度も同じ話をした。
→ サイト内検索
一部抜粋しよう。
ミサイルで都市攻撃をするというのは、ものすごくコスパが悪いのだ。数億円のミサイルで、数億円のビルを破壊しても、どっちが困るかわかったものじゃない。
それに比べれば、通常の爆撃の方がはるかに効果的だ。昔の B-29 は、大量の焼夷弾で、東京を灰にした。その焼夷弾というのは、すごくコストが低い。だから、少ないコストで大量の爆弾を落として、広範な地域を灰にしてしまったのだ。
これに比べると、ミサイルというのは、あまりにもコスパが悪い。都市攻撃にはまったく向いていないのである。
( → 北朝鮮の新型ミサイルへの対策: Open ブログ )
[ 付記2 ]
上のことから、北朝鮮のミサイルにも、同様のことが当てはまる、とわかる。
つまり、陸上イージスなんかで北朝鮮のミサイルに対抗する必要はないのだ。たとえミサイルが飛来しても、日本の側の被害はわずかで済むからだ。
その一方で、陸上イージスには、途方もない巨額の金がかかる。北朝鮮のミサイルで受ける被害の額よりも、陸上イージスにかける金額の方が、ずっと多くなる。これじゃ、「100円を失わないための費用に、1万円をかける」というようなものだ。愚の骨頂。
[ 付記3 ]
「金額的な被害はともかく、(ミサイルで)人命が奪われるのが心配だ」
という声も上がりそうだ。
しかし、人命が大事なら、もっと有効なことのために金を使うといい。
・ 高齢者には、自動ブレーキを義務づける。(新車以外も)
・ 高齢者には、免許の資格検査を義務づける。
実は、これらには、費用がほとんどかからない。利用者(運転者)本人の負担にすればいいので、国の出す費用はゼロで済むのだ。
ま、それだと国民の負担が重くなりすぎるかもしれないから、一部を国庫で援助してもいい。そのために、ある程度の金を払ってもいい。その額は、陸上イージスの額よりも大幅に少なくて済む。それでいて、死者を減らす効果は圧倒的に大きいだろう。
[ 付記4 ]
参考として、交通事故の死者数のニュース。
→ 交通事故による2019年の死者数、前年から317人減少して3215人に
高越事故の死者数は、どんどん減ってきているのだが、死者の半数以上は、65歳以上の高齢者だ。
そこで、高齢者の事故が起こりにくくなるように制度を整えれば、日本の死者数は毎年大幅に減るのである。
また、高齢者に起因する、歩行者の巻き添え死者も経るはずだ。たとえば、池袋の暴走事故みたいなやつ。
どうせい大金を使うのならば、陸上イージスなんていう無駄なものに金を使わず、交通事故の死者減のために使う方が、よほど効果的なのである。
[ 付記5 ]
そもそも、ミサイル防衛網の命中精度は低い……という報道もある。
→ 米ミサイル防衛システムの命中率は、たったの「44%」だった…(小林 雅一) | 現代ビジネス
[ 付記6 ]
北朝鮮が多弾頭ミサイルを開発する……という話もある。
→ 焦点:北朝鮮「新戦略兵器」、速度向上したミサイルか多弾頭か - ロイター
多弾頭ミサイルとなると、ミサイル防衛網での迎撃は原理的にほぼ不可能となる。
たとえば、北朝鮮のミサイルが1発だけ飛んできて、それを撃墜するために陸上イージスで迎撃ミサイルを1発発射したとする。その後、北朝鮮のミサイルが多弾頭を分離して、5発ぐらいに分かれたら、1発の迎撃ミサイルで5発の多弾頭をすべて撃墜することは不可能だ。(敵が飽和攻撃をしてきたことになる。原理的に対応できない。)
さらに、多弾頭のうち、半分ぐらいがダミー弾頭だったら、たとえうまく迎撃できたとしても、ただの無駄となる。
というわけで、迎撃ミサイルを発射しても、すぐに「弾切れ」になってしまうので、最終的には「迎撃ミサイルという弾がなくなって、ミサイル発射機だけが残る」という状態になる。
これじゃ、ほとんどギャグですね。ミサイル防衛網なんて、ただのゴミにすぎない、とも言える。
こんなものを配備するために莫大な金を投入するなんて、安倍首相はもはや北朝鮮の工作員だ、とも言える。
※ どうせなら爆撃のために金をかける方がよほどマシだ。
(都市攻撃でなく基地攻撃ならば、自衛権で収まる。
→ 巡航ミサイルは無効: Open ブログ )

→ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200109/k10012239501000.html
この件は次項で言及する予定。