──
「そんな馬鹿な。弁護側は、裏切られただけだろ。だまされた被害者だ」
と思う人が多そうだ。だが、さにあらず。弁護側ははっきりと逃亡に協力していたはずだ。
なぜか? 本来ならば、次のことがあるからだ。
「1日に数回の所在を確認する。それがなされなかった場合には、逃亡した恐れがあるとして、ただちに警察に通報する。そのことで、在宅しているか否かが確認される。在宅していなければ、逃亡したことが判明する」
今回は、そういうことがなされなかった。逃亡後、丸一日以上、通知がなされなかった。
「丸一日以上」という期間については、特に報道はないが、論理的に明らかだ。なぜなら、ゴーンが使ったプライベートジェット機で、日本からレバノンに飛ぶには、丸一日以上かかるからだ。(自宅から空港の陸路にかかる時間や、空港での待ち時間を含む。)
※ なお、プライベートジェット機の巡航速度は、時速 500〜800km ぐらいだが、長距離を飛ぶとなると、燃料節約のために、最大巡航速度よりも低い速度で飛ぶので、速度は遅くなり、かかる時間は長くなるだろう。
※ 日本からレバノンへは、直線で飛ぶことはできないので、南アジア経由で、かなり迂回して飛んでいったと推定される。なお、直線だと、中国やロシアを経由するので、無理。
※ 弁護士側が早めに通報していれば、途中給油のどこかの外国で、ゴーンを逮捕できた可能性もある。
──
ともあれ、「逃亡後、丸一日以上、通知がなされなかった」ということからして、弁護側が逃亡に(実質的に)協力したことは明らかだ。弁護側が「逃亡しても大丈夫なような」甘い条件を設定したからこそ、ゴーンは逃亡に成功したわけだ。
弁護側は、裁判ではとうてい勝てないと理解したからこそ、被告人を逃亡させることで、実質無罪も同然の結果に導いたわけだ。これで弁護側は、超巨額の「成功報酬」を獲得できるだろう。ボロ儲けとも言える。
しかも、弁護側は、法律的には無罪と言える。実質的には逃亡に協力したとしても、弁護士自身が直接的に逃亡させたわけではないからだ。(実質的には共犯であっても、形式的・法的には共犯ではないからだ。)
比喩的に言えば、被告人の家からこっそり抜け出せるトンネルを弁護人が掘っておいて、あとはそのトンネルから逃げることができるようにしておいたわけだ。それでも、トンネルを掘ることは違法行為ではないので、トンネルを掘った人は罰されない。
( ※ 刑務所からの脱走を助けるのならば違法だが、保釈中の容疑者の逃亡を助けるのは違法ではない。単に保釈金が没収されるだけだ。)
──
さすがに、法律に通じている悪党は、法律の裏をかくことが上手だ。感心するね。
信じてだまされた(保釈金が安すぎた)裁判所が、あまりにも愚かすぎたな。
[ 付記1 ]
実は「 10億円という保釈金は安すぎる。
こんなに安い額だと、逃亡されるかも」という懸念は、私は最初から抱いていた。裁判で負けて 50億円ぐらいを没収されるくらいなら、保釈金の 10億円を没収される方が、ずっと安上がりだからだ。
とはいえ、「いくらなんでも逃亡というような悪質なことはしないだろう。それほどの悪党ではあるまい」というふうに、甘く見ていた面もある。
だから、「逃亡するかも」という懸念をもちながらも、本サイトでは特にその懸念を書かないでいた。
だが、やはり、書いておけばよかったな。そうすれば、「私の予想通り」と言えたのだが。惜しい。残念。
[ 付記2 ]
どうやって逃亡したか? 本当にトンネルを掘ったのか? いや、これはただの比喩だ。
実際には、監視カメラを逃れるために、大きな箱に隠れて、箱ごと運び出されればいい。あるいは、ハシゴで塀を越えることもできる。どっちみち、逃げようと思えば、いくらでも逃げることができる。
そういう逃げやすい環境を、弁護側があえて用意したのである。それがつまり、「トンネルを掘っておいた」という比喩である。
裁判所は、弁護側の逃亡作戦に、まんまとだまされたわけだ。おまけに保釈金も格安だ。
たぶん裁判所は「弁護士は法を守る善人だ」とでも思っていたのだろうが、とんでもない勘違いだ。
弁護人は、「法律を守ることよりも、法律をかいくぐることで、依頼人の利益を守る」ことが最優先なのである。悪党の利益を守り、その分け前をもらうことが、弁護人の仕事なのだ。
こんなことも理解できない裁判官は、あまりにもおめでたすぎる。浮き世離れしているね。だから、まんまとだまされた。
[ 付記3 ]
「被告人がいないと、判決が下せなくなる」
と懸念する人もいるだろうが、そんなことはない。被告人が不在でも、判決は下せる。
→ http://j.mp/2u8C9al
むしろ、被告人の意見聴取(証言)の手間が減る分、判決が下る時期は早まりそうだ。「逃亡した」ということで、「有罪を認めた」と認定されるので、裁判官としても、容易に有罪判決を下せるだろう。厳重な審査の手間が減ったとも言える。判決の時期は早まりそうだ。
※ 「そうではない。公判停止になるだろう」という意見もコメント欄に寄せられた。
[ 付記4 ]
今夜は、除夜の鐘が鳴ります。ゴーン、ゴーン。
[ 付記5 ]
レバノンの報道では、ゴーンさんは楽器運搬用の箱に入って出国したそうだ。(ただし信頼性のない情報。)
Lebanese news outlets saying Carlos Ghosn was smuggled out of Japan in a box designed for transporting musical instruments, this story is incredible https://t.co/5hxGBUSZhY
— Tom Gara (@tomgara) December 31, 2019
もし事実だとすれば、……
楽器運搬用の大きな箱が搬出されて、監視カメラが撮影していた。
ならば、@ 監視カメラを確認しなかった A 監視したが異常だと思わなかった …… のいずれかだ。とすれば、弁護側はあえて怠慢をしていたことになる。
ひょっとして、大晦日で休んでいたのかもしれないが、だとすれば、それこそ意図的な怠慢だ。比喩的に言えば、刑務所の係員が大晦日に仕事を休んで、監獄の鍵を取り外してしまうようなものだ。重大な怠慢と言っていいだろう。
この意味でも、弁護側の大きな責任は免れない。意図的であるかどうかはともかく、結果的には共犯行為があったも同然となるだろう。
( ※ もともと逃亡を阻止するつもりがあったはずがないし。)
[ 付記5B ]
上の話の続報が出た。
レバノンの主要テレビMTV(電子版)は31日、カルロス・ゴーン被告が楽器箱に隠れ、日本の地方空港から出国したと報じた。出国に際し、民間警備会社のようなグループの支援を受けたとしている。情報源は明らかにしておらず、信ぴょう性は不明。レバノン紙アフバルアルヨウムも「警備会社を使い、箱に隠れて密出国した」と報じた。
MTVによると、このグループはクリスマスディナーの音楽隊を装ってゴーン被告の滞在先に入り、楽器箱に隠して連れ出した。
( → ゴーン被告、楽器箱に隠れ出国か レバノンで報道、警備会社協力? | 共同通信 )
[ 付記5C ]
さらに続報。
クリスマスコンサートの楽団の楽器ケースに隠れて脱出したそうだ。
→ http://j.mp/39qluPr 、 http://j.mp/2QdFKMH
このことから、脱出日は 25日だということになる。
そのあとずっと、弁護側はゴーン不在を隠していたわけだ。悪意満々だな。
[ 付記6 ]
面白い記事が出たので、紹介しよう。
《 「世界に恥さらした」…出国のゴーン被告、検察の懸念的中 》
4月25日、東京地裁の島田一裁判官は証拠隠滅の恐れを認めながらも「弁護人らの指導監督が徹底している」などとして保釈を許可した。
ある検察幹部は「弁護人の責任は十分ある。あの手この手を尽くして細かい条件と引き換えに得た保釈の結果が逃亡だ」と憤る。別の幹部は「いつか逃げると思っていた。日本の刑事司法の恥を世界にさらした裁判所と弁護人の責任は重い」と痛烈に批判する。
弘中氏は「寝耳に水で大変当惑している」と。ただ「保釈条件に違反する裏切り行為だが、気持ちが理解できないかといえば別問題」とも述べた。
( → 産経ニュース )
あれれ。「私(弁護士)は逃亡を批判する」と釈明すると思ったら、堂々とゴーンに賛意を示している。ただの重過失かと思ったら、精神的にも共犯に近いのかもね。
参考だが、ラグビー日本代表の「ワンチーム」を分析した番組があった。
→ NHKスペシャル | 死闘の果てに日本vs.スコットランド
日本の勝因は、「選手の各人が、たがいに信頼し合って、同じ絵(イメージ)を共有していること」だそうだ。
なるほど。ゴーンと弁護士も、「同じ絵(イメージ)を共有していた」のだろう。口では何も語らずとも、心の内では同じイメージを持って、最終目的に向かってまっしぐらに突き進んだのだろう。だからこそ、ゴールに達して、トライ(つまり逃亡)を見事に成立させたわけだ。ワンチームだね。
最後に、検察の言葉を再掲しよう。
「日本の刑事司法の恥を世界にさらした裁判所と弁護人の責任は重い」
[ 付記7 ]
逃亡を計画したのは、妻のキャロル。
→ ゴーン被告逃亡、妻キャロル氏が計画か 義兄弟が支援?:朝日新聞
キャロルは 18年に、ブラジル・リオのマンションから、金庫に入っている書類を持ち出した。
→ ゴーン容疑者側、ブラジル・リオのマンションから書類搬出
このとき、金庫に入っているパスポートを持ち出したものと推定される。だからこそ、レバノンには正規のパスポートで合法的に入国できたのだろう。
弁護士も当然今回の件の調査対象ですが、どうやって巨額の報酬を痕跡を残さず受け渡すのでしょうか?
保釈中の容疑者の逃亡の幇助も司法妨害で違法ですよ。
また、巨額の報酬を受け取ることは、違法行為ではありません。
いい加減なことを書く前に、きちんと法律書を読んでから、その文章を引用しましょう。
引用:
──
裁判所から保釈を勝ち取り、カルロス・ゴーン海外逃亡を助ける事となった。
──
http://bit.ly/36dHAme
もう、笑うしかないね。草。
と懸念する人もいるだろうが、そんなことはない。被告人が不在でも、判決は下せる。
管理人さんの引用先でも記載されていますが、上記は不可能のようです。身柄が確保されていないのでやはり公判は停止せざるを得ないとのこと。
>ゴーン氏の保釈金は合計15億円のようだが、この保釈金が没取されて、ゴーン氏に対する刑事裁判は実質的に終わりだろうな。
ゴーン氏が裁判を受けるために来日するとは思えないので裁判は進められない。
ゴーン氏の死亡が確認された時点で公訴棄却。
https://twitter.com/motoken_tw/status/1211843733202694146
助けたわけじゃなくて、逃げやすくしただけだから、法律的には違法とならない。実質的に助けただけで、形式的には助けていない。
> 実質的には共犯であっても、形式的・法的には共犯ではないからだ。
と文中に書いてある通り。説明済み。
だいたい、実質的に助けたことだけなら、裁判所自身が保釈を認めたことで違法となるが、そんなバカげたことはありえない。
法的には、形式的に合法でさえあれば、それで十分だ。
> ここの管理人は細波ってバンドルにアレルギーがあって、直ぐにコメントを消しちゃう
そんなことはないですよ。ゴミ発言は、1回なら許容または削除。3回以上しつこく続くと、それ以前にさかのぼって、全部削除。
別名のカンタリデスであっても同様。
> 助けたわけじゃなくて、逃げやすくしただけだから、法律的には違法とならない。実質的に助けただけで、形式的には助けていない。
管理人さんの主張と言葉の定義をはっきりされたほうがいいのでは?”共犯”とは刑事事件での有罪となるものを指すので。
>「1日に数回の所在を確認する。それがなされなかった場合には、逃亡した恐れがあるとして、ただちに警察に通報する。そのことで、在宅しているか否かが確認される。在宅していなければ、逃亡したことが判明する」
このような条項が存在し、弁護士がこれに違反していたということが証明されれば、過失に問われるでしょうね。問題は弁護士が事前に国外に出ることを知っていたかが争点になるでしょうね。
>また、巨額の報酬を受け取ることは、違法行為ではありません。
上記状況において巨額報酬を受け取れば確実に黒とみなされ”共犯”扱いになりますね。
保釈は正規の司法手続きを踏んでいるので、違法でないのは当たり前ですね。
今回の国外脱出は正規の司法手続きを踏んでいないので問題となるのです。
>、出国禁止が保釈条件になっている被告人が適法に出国しようとすると、弁護人から裁判官に出国許可申請を出して、裁判官は検察官の意見を聞いた上で出国の可否を判断することになりますので、弁護人も検察官も知らないということは、適正な手続で出国してないことが明らかです。
https://twitter.com/motoken_tw/status/1211803718884065280
ゴーンが極悪人なのか
裁判所や外務省がバカなのか
どちらだと思いますか
公判停止です。もちろん時効も停止なので何年たっても身柄を拘束できれば再開できますが。
しかし、トランプが日本から奪うお金を考えたら、ゴーンなどミニトランプにも値しないでしょうね。
結局、泣いたのは工場を閉鎖されてクビになった日産の労働者だけ。
それは
https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20200101-00157243/
の写真だが、撮影時期はかなり昔で、本人もかなり若い。
それは気が付きませんでした。
妻の発言「人生最高の・・」はこの事件ですね。
裁判所ーゴーンー弁護人の出来レースのように思います。むろんそれを上から見守っているのが政府、そりゃ弁護人は心強いですよ。
一生一度の棚ぼた大ビジネスですね(笑)
でも天網恢々、元TBSの山口のようになるかも。
なって欲しい!
──
世界は(そしてゴーン氏自身も)、日本の裁判所が電子ブレスレットやアンクレットのような被告人の位置を特定できるツールを使っていなかったことに驚いている。これは、フランスやアメリカなどの先進国で使用されている基本的なツールである。実際、ゴーン氏側は保釈請求にあたって、このツールの受入れも明示していたが、このようなツールは日本では採用されていないことから、裁判所はこれを保釈の条件とはしていなかった。
電子ブレスレットを使用すれば、100%確実につけている人を監視することができ、逃亡リスクを排除できるので、不必要な身柄拘束を回避することができる。それにもかかわらず、日本の裁判所や検察は、あえて人手のかかる監視方法に頼っていた。こうした技術が使われていれば、ゴーン氏の人権は尊重されていただろうし、ゴーン氏の逃亡を防ぐこともできただろう。
https://toyokeizai.net/articles/-/322811
https://www.asahi.com/articles/DA3S14318937.html
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3873813.html
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/200107/evt20010711500005-n1.html
恥も外聞も無いというのは、正にこのことで、侍の時代なら切腹ものかな(笑)
銭形警部にお願いして、良いこともしたけど、最後は多くの人を嘲笑った愚か者を逮捕してもらいましょう!