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超高層ビルが出たときに、「地震に弱いのでは?」という疑問が出たが、それには次の回答が与えられた。
「建物には固有振動数(または周波数・周期)というのがある。地震の周期は1〜2秒のことが多いが、超高層ビルはもっとずっと長周期なので、通常の地震では崩れない」
すると、当然、次の懸念が生じる。
「非常に長周期の地震が起これば、超高層ビルは崩れるのでは?」
これに対しては、次のように回答された。
「これまでの地震の周期はいずれも1〜2秒ぐらいだった。例外的に、東日本大震災のときには、三陸沖の地震の揺れのうち、長周期のものが遠隔地の東京にまで届いた。ただし、遠くまで届くような長周期の揺れは、たとえ届いても、届いた時点では長い距離を経ているので、揺れが減衰している。だから、あのときも、超高層ビルは揺れることは揺れたのだが、揺れる振幅が小さくて、建物が崩れることはなかった」
以上のように、「超高層ビルは長周期の地震に対しても大丈夫」というのが統一見解であった。
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ところが、この統一見解が否定されることとなった。それは、熊本地震からわかった。話の内容は、NHK のサイエンスゼロで紹介された、地震学の最新研究の報告だ。(2019年11月24日)
→ NHK 番組表 | サイエンスZERO「新事実続々 解明が進む“活断層地震”の謎」
内容紹介をネットで探したのだが、見つからないので、私が以下に要約を述べる。
・ 熊本地震の研究がようやくまとまってきた。
・ この地震は、活断層で生じた地震だった。
・ 地割れが地表にはっきりと出る、珍しい地震だった。
・ 被害地域は活断層の近辺に集中している。これは地震学の常識に反する。
・ なぜか? 深層に震源があるだけでなく、表層でも何らかのズレ(断層)が生じたせいだろう。
・ 表層でズレが生じると、長周期の地震となる。
・ その場合には、超高層ビルでも大きな被害が出る。
ここから肝心のことを結論ふうに言うと、こうなる。
これまでは超高層ビルは安全だと思われてきたが、それは、深層に震源があるだけというタイプの地震の場合だけだ。熊本地震のように、地表に地割れが出るタイプ(地表に近い地層で何らかのズレが出るタイプ)の地震(活断層型の地震)では、長周期の地震が起こりやすい。その場合には、超高層ビルは大きな被害が出る可能性があり、危険である。
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では、どうすればいいか? 活断層のすぐそばには超高層ビルを作らなければいい。また、普通の低層の人家も作らない方がいい。
要するに、活断層のすぐそばというのは、とても危険なのである。これまでの知見では、「活断層の近くでも遠くでも、たいして違いはない」と思われてきたのだが、実際にはそうではなく、活断層の近くと遠くでは、はっきりと大きな差が出たのだ。
熊本の場合には、低層の家屋も、活断層のすぐそばの地域ではほとんどの家屋が全壊した。その一方で、活断層から離れた地域では、大きな被害を免れた事例が多かった。(ほとんど白黒が付くほどにも対照的な差が出た。)
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となると、問題は「活断層はどこにあるか?」ということだ。番組では「活断層の調査はあまり進んでいないので、未調査や不明の場所も多い」とのことだ。また、「新しい活断層ほど危険度が高い」とのことだが、どれが新しい活断層であるかも調査が不足しているそうだ。(わかっていないことがあまりにも多すぎるそうだ。)
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以下では、番組の紹介ではなく、私の見解を述べる。
活断層については、あまりわかっていないそうだが、それでも、わかっている範囲内で、地図を示すことができる。下記だ。
→ 産総研:活断層データベース
これを見ると、東京の南東部は、活断層がないようだ。だから、このあたりの超高層ビルは比較的安全だろう。(霞ヶ関・丸の内・六本木あたり)
一方、東京の北西部には、活断層がある。となると、池袋のあたりはかなり危ないかも。新宿もちょっと危ないかも。
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もっとヤバいのは、関西や東海だ。特に、大阪はヤバい。次の各ビルだ。( → Wikipedia )
・ あべのハルカス 300.0m 60階
・ りんくうゲートタワー 256.1m 56階
・ 大阪府咲洲庁舎 256.0m 55階
・ The Kitahama 209.4m 54階
・ クロスタワー大阪ベイ 200.4m 54階
これらは、活断層地震が起こった場合には、大きな被害が出る危険がある。
これらのうち、阪神大震災(1996年)を経験したのは、大阪府咲洲庁舎(1995年)と、りんくうゲートタワービル(1996年)だ。この二つのビルは、阪神大震災のときには被害を受けなかったようだが、それは、阪神大震災は必ずしも活断層タイプの地震ではなかったせいらしい。(地表に出た地割れも、ごく限られたものだけだったそうだ。)
阪神大震災とは違う形で、活断層タイプの地震が起これば、上記の超高層ビルには大きな被害が生じる危険性がある。
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さらに、熊本地震が起こった地域のすぐ南側の地域が、非常に危険だという。ここは、大きな活断層が連続してできているが、熊本地震で震源となったのは、活断層の北側半分だけだという。南側の半分は、震源となっていないので、地震のエネルギーが非常に大きく溜まっているそうだ。近いうちに大地震が起こる可能性がとても高いという。その時期は、1年後かもしれないし、百年後かもしれないので、はっきりとはしないが、とにかく、かなり近い時期に大地震が起こる危険が高いそうだ。
しかも、その被害(震度7)が起こる地域には、熊本市の南にある宇城市(うきし)のあたりの市街地がすっぽり当てはまるそうだ。( → 上記 NHK の番組 )
参考として、熊本市の航空写真を掲げる。
とすると、この地域で熊本城を再建しても、それは完成してまもなく、崩壊してしまいそうだ。
熊本市民や宇城市民は、「熊本地震の被害を回復したい。熊本城を再建したい」というふうに考えているようだ。しかし、それは考えが甘すぎるというしかない。
むしろ、こう思うべきだ。
「前回の熊本地震では、被害は郊外部に限られており、市街地では被害が少なかった。しかし、近い将来に起こる地震では、宇城市のあたりの市街地が壊滅するだろう。多くのビルが崩壊し、平屋も多くが全壊するだろう。
とすれば、この地域の人々がなすべきことは、熊本城の再建なんかではない。この危険な地域(特に宇城市のあたり)から、さっさと逃げ出すことが大切だ。特に、活断層のすぐそばに住む住民は、すべて逃げ出すべきだ」
なお、活断層のある地域がどこであるかは、前に別項で示した。
→ 熊本の活断層: Open ブログ
一方で、国と自治体は「活断層の上に新しく家を建てる」という狂気の政策を実行している。
→ 活断層の上に家を建てよ: Open ブログ
あえて活断層の上という最も危険な場所に家を建てさせる……というのだから、狂気と言ってもいいし、自殺行為と言ってもいいし、大量虐殺テロと言ってもいい。
では、どうしてこういう倒錯的なことが推進されるかというと、頭が狂っているせいではなくて、単に無知であるせいだ。「活断層の上に家を建ててはいけない」ということを知らないし、「どこに活断層があるか」も知らない。ひどい無知だ。
そこで、その無知な人々に、「真実はこうだ」と教えて上げるのが、 Openブログだ。
とはいえ、私がいくら指摘しても、政府も自治体も耳を傾けはしない。だから、熊本では、あまり遠くない将来に、大きな被害が発生するだろう。そのことをここで予言しておこう。
( ※ この予言が当たるのは、私の死後になってからになるかもしれないが。)
( ※ なお、熊本のこの地域では、地震は 2000〜 3500年おきぐらいの期間で起こるそうだ。また、熊本のこの活断層のある地域では、これまで歴史的に何十回もの活断層地震が起こった証拠が地層に蓄積されているという。数十万年の期間を掛けて、それだけの地震の証拠を積み重ねてきたらしい。)
柔らかい地層を除けば深い谷になっているから
建築構造上は地下深くまで杭を打って建物を支えてるけど
垂直荷重を支えているだけなんじゃないの
湾岸に高層のマンションが乱立してるけど
住みたいとは思わない(買えないしね)
東京なんて江戸時代には山谷の地形だったのを
削ったり埋めたりして平にしてきたんだから
山の手だからといって安心しちゃだめよ
それから密集地の断層検査なんてされてないから
あるかないかわからない状態です
現時点で活断層の危険がある原発は:
泊原発、東通原発、敦賀原発、志賀原発
https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/775
また、未知の活断層の危険があるので、再調査するそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49666380R10C19A9000000/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47075700Y9A700C1I00000/
都内でも、支持地盤から杭で支えられるところばかりじゃなくて、摩擦杭のところも少なくないですし。
建築物も土木構造物も、飽くまで想定される荷重(地震、風などを含む)に耐えられる+αで造られているだけなので、想定外の荷重(長周期地震動を含む)が来れば耐えられない可能性があるのは当然です。高層だって低層だって、同じこと。
新しい知見、新しい被害が出るたびに、建築基準法や消防法が強化されていきます。
……だから、原発はやめておいたほうがいいと思うんですよね。被害がでかすぎるから。
→ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200117/k10012248511000.html
画像
→ https://openblog.up.seesaa.net/image/katudanso.jpg
東京はともかく、大阪に危険地帯がある。ここにある超高層ビルは、損傷の危険性がある。
福岡は、現状では超高層ビルはないようだが、福岡アイランドシティに 46階の超高層ビルが計画中である。
→ https://downtownreport.net/area/islandcity/
これは、やめた方がいいね。下手をすると、倒壊して、周囲に甚大な被害が生じる。9・11テロで高層ビルが崩壊したときのような。
→ https://www.youtube.com/watch?v=hy7xn7Y5Vm4
→ https://gigazine.net/news/20180911-september-11-attacks-movie/