──
自動ブレーキ車の義務化
新車には自動ブレーキの装着を義務づける方針が固まったそうだ。2021年11月から実施の見込みという。
→ 自動ブレーキ、新型車で義務化 21年度にも 政府方針:朝日新聞
→ 新車に自動ブレーキ義務化、21年秋から 段階的に実施:朝日新聞
自動ブレーキ車に補助金
自動ブレーキ車に補助金を出すそうだ。高齢者向け。
高齢運転者による事故が相次ぐ中、政府は自動ブレーキなどを搭載した「安全運転サポート車」への買い替えを促そうと、65歳以上の運転者が同車を購入する際に最高10万円を、ペダルの踏み間違いによる急発進を防ぐ装置の後付けに最高4万円を補助する。今年度補正予算案に盛り込み、19日の関係閣僚会議で報告した。
( → 「安全運転サポート車」購入に補助金 対象は65歳以上:朝日新聞 )
10万円だって。何たる大盤振る舞い。国民の血税を無駄に浪費するにもほどがあるというものだ。
そもそも、最新の新型車はみんな自動ブレーキを搭載しているのだから、これでは大半の自動車に 10万円の減税が付くようなものだ。特定の先端的な車だけを優遇するというのなら、まだわかるが、大半の新車を優遇するのなら、これはもはやただのばらまき政策だ。それも、特定の産業だけに限定したものだ。
では、代わりにどうすればいいか? 簡単だ。自動ブレーキの搭載されている車に補助金を出す代わりに、自動ブレーキの搭載されていない車に課税(増税)すればいい。これで同等の効果を出せる。しかも、金は1円もかからない。(それどころか増収になる。)
また、このような増税の対象となるのは、今どきはほとんど売れていない旧型車だけだ。だから対象となるのは、ごく限定されていて、実質的な影響はほとんどない。
政府はやるべきことを間違えている。というか、安全対策に名を借りて、自動車産業に国民の税金を垂れ流そうとしているだけだ。税金泥棒のようなものだ。こんなバカげたことをするくらいなら、消費税の増税をやめるべきだろう。
自動ブレーキ車の限定免許
アクセル・ブレーキの踏み間違いの多い高齢者を、自動ブレーキ車に誘導したい。(非搭載車の運転を禁止したい。)
そのために、「自動ブレーキ車の限定免許を導入せよ」と私は前に提唱した。
高齢者は運転能力が衰えていることが多いので、高齢者向けに限定免許を用意するといい。AT車限定免許みたいなものだ。
( → 高齢者には限定免許を: Open ブログ )
これに似たことを、政府が実施するそうだ。
高齢ドライバーによる交通事故対策を検討してきた警察庁は19日、道路交通法の改正試案をまとめた。……衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)などが付いた安全運転サポート車(サポカー)に限って運転できる限定免許も導入する。
( → 特定違反歴ある高齢者、技能次第で免許更新認めず 試案:朝日新聞 )
これは、本サイトの主張によく似ているように見えるが、決定的に異なる点がある。
本サイトの主張では、(高齢者では)十分に運転能力があることが証明された人だけが、従来型の免許を維持できる。運転能力が劣ると判定された人は、自動ブレーキ車限定免許か、免許不許可のいずれかとなる。これによって、運転不適格者の免許所持を禁じる。
ところが、政府の新方針は違う。すでに免許を取得している人は、そのまま免許を維持できる。別途、「AT車限定免許」みたいに、「自動ブレーキ車限定免許」というものを導入するつもりのようだ。対象は全年齢だ。これでは、運転不適格者の免許所持は禁じられない。
政府の方針は、あまりにも甘すぎるので、実効性がほとんどない。たとえば、池袋の高齢者の暴走事故のような例では、私の案では免許禁止となるが、政府案では免許禁止とならない。
今回の政府案は、形だけがあって、実効性がない。バカげているね。
高齢者の免許制限
私の案では高齢者の免許を制限するが、それと似たことを政府も実施するそうだ。
高齢ドライバーによる交通事故対策を検討してきた警察庁は19日、道路交通法の改正試案をまとめた。衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)などが付いた安全運転サポート車(サポカー)に限って運転できる限定免許も導入する。特定の違反歴などがある高齢者を対象に、実際に車を運転する運転技能検査(実車試験)をし、合格するまで運転免許を更新できなくする。
( → 特定違反歴ある高齢者、技能次第で免許更新認めず 試案:朝日新聞 )
これは、本サイトの主張によく似ているように見えるが、決定的に異なる点がある。
本サイトの主張では、一定年齢(たとえば 70歳)以上では、全員がチェックの対象となる。チェックを受けて、合格した人だけが、従来型の免許を保持できる。不合格の人は、自動ブレーキ車限定免許か、免許不許可か、いずれかとなる。
一方、政府の新方針は違う。「特定の違反歴などがある高齢者」だけがチェックの対象となる。
試案では、運転技能検査は、高齢者のうち事故歴や事故につながりやすい特定の違反歴がある人を対象に免許更新時に行う。年齢は75歳以上を検討、違反は信号無視や大幅な速度超過などを想定している。
対象者には自動車教習所などで走行してもらい、技能を確認して採点。一定基準を満たさないと判定されれば、免許の更新を認めない。ただ、不合格でも、定められた更新手続き期間内に、受け入れ可能な範囲で繰り返し検査を受けられる。
これでは、悪質な運転者だけがチェック対象となるから、高齢化しただけの運転者はチェック対象から漏れてしまう。こんなことでは、池袋の暴走事故の再発を防げない。
では、どうすればいいか? 全運転者を教習所でチェックするというのは、大変すぎて、不可能だ。(そんなキャパシティはない。)
そこで、私が提案したのは、「運転シミュレーターでチェックする」という方法だ。
高齢者の運転ミスによる事故が目立っている。これを解決するために、運転シミュレーターを導入するといい。
( → 高齢者の運転検査にITを: Open ブログ )
別の方法もある。実車を操作させるが、そのときのドラレコでチェックする、という方法だ。
ドラレコで録画した動画を、AI で診断して、運転能力を判定するシステムがある。
( → ドラレコで運転診断: Open ブログ )
こういう形でスクリーニングして、成績の悪かった人だけを実車でのチェックで調べる……というふうにすれば、うまく合理的に不適格者を見出すことができるわけだ。
せっかくのIT 時代なんだから、IT 技術をうまく使わなくちゃね。