──
B737 の件では、事故のあと、根本解決がなかなか進まないせいで、とうとう生産停止になったそうだ。
→ 米ボーイング、737マックス生産停止へ 運航再開は認められず - BBC
→ ボーイング社 737MAXの生産 来月から停止と発表 | NHK
何だかすごい事態のようだが、実は、欠陥が判明したからには、とっくに生産停止になっていてよかったはずだ。なのに、改善の対策も済まないうちに、従来の欠陥機をずっと生産し続けていた。
「とりあえずは現状のままで生産して、あとでソフトウェアを書き直せば対策になるさ」
とでも思っていたのだろう。
ところが、改善が進まないまま、売れない飛行機の在庫が増えて、倉庫に入りきらなくなったらしい。「およそ400機が在庫として積み上がっている」と記事にはある。
まあ、現状はこのようなものだ。報道されたとおり。私としては特にコメントはない。
──
B737 の事故の原因は何か? 下記に詳しい解説がある。一部抜粋しよう。
左のA320は機体と地上が離れているのでエンジンをそのまま大型化できましたが、右のボーイング737-800はエンジンをそのまま大型化することができませんでした。
このため、ボーイングではエンジンの位置を少し上へ移動させました。
ところが、エンジン位置を動かしたことによって別の問題が浮上。それが上昇時に機首が上がりすぎてしまうことだったとのこと。
( → ボーイング737 MAX墜落の原因はたどるとエアバスA320neoの登場にあったという指摘 - GIGAZINE )
リンク先に図があるので、その図を見ながら読むといい。
要するに、こうだ。
B737 という従来機があった。これは正常に飛べた。
その後、エアバスは新技術の大型のエンジンを搭載して、燃費を非常に向上させた。エアバスが売れて、B737 は売れなくなった。
そこで B737 でも新技術の大型のエンジンを搭載しようとしたが、翼の下の空間が狭すぎて、新技術の大型のエンジンを搭載できない。
そこでやむなく、エンジンを前方にずらして、エンジン位置を引き上げることで、「(上に)はみだす」形で、強引に大型のエンジンを搭載した。(これが B737Max だ。)
しかしそうすると、エンジン位置が本来の位置よりもズレた位置に来るので、機首が上向きになって飛行機が上昇してしまう。それではまずいので、水平尾翼を操作して、機首を下向きにするように力を加える。これでバランスを取る。しかし、二つの力がせめぎあうので、非常に不安定になる。
その状況で、センサーに異常が発生した。(バードストライクでセンサーが壊れた。)すると、バランスを取ることができなくなって、飛行機は勝手に暴走して、制御不能となり、機首が上向きになりすぎて、そのあげく、失速して、墜落した。
……というわけだ。(上記サイトなどによる。)
──
その後、ボーイング社は「ソフトを修正したので、不具合は解決した」と声明した。(本年3月末)
→ 米ボーイング737マックス、墜落原因の疑いがある不具合を修正 - BBC
ところが、それから8カ月以上が過ぎた現在でも、この対策では不十分とされている。そのせいで米国政府の認可を得ることができないままで、生産停止を強いられたわけだ。
※ この件は報道されたとおり。
──
以上の話は、たいていの航空マニアなら、すでに知っている話だ。特に目新しい情報はない。冒頭に記したように、あくまで初心者向けの解説だ。