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高血圧の防止のためには、塩分を減らすことが大切だ……ということは、広く知られているが、英国ではこの方針で施策が進んでいる。
特に、食品の塩分量を、パッケージの表側に大々的に表示するということがなされている。前にテレビ番組(ガッテン)で放送されていたが、同趣旨の話は、下記記事にある。(画像あり)
→ 食べ物のパッケージに「信号機」 イギリスの店頭で:朝日新聞
表示されている栄養素は、脂肪、飽和脂肪酸、糖類、塩。含有量と1日の摂取基準に占める割合(%)の数字と共に、量の多いものは赤、少ないものは緑、中間は黄、と色分けしています。
とのことだ。
なお、類似画像は下記にもある。
→ Front-of-Pack Labels Give Consumers the Information They Need
→ Understanding food labels | Diabetes UK
→ Food Labeling Of Calories Sugar Fats Saturates and Salt Ingredients
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ともあれ、塩分の過剰という傾向をなくすためにも、食品の塩分量を、パッケージの表側に大々的に表示するべきだ。
イギリスの例では、塩分が多めの食品は、(信号機のように)黄色や赤の色で警告表示がなされる。これなら、数字をる見るまでもなく、色を見るだけで、「こいつは塩分が過剰だ」とわかって、便利だ。
なお、日本の食品は、一般に塩分量が多すぎる。もっと塩分を減らしてほしいと思うね。
カレーであれ、ポテチであれ、スーパーの総菜であれ、いずれも塩分が過剰だ。人々は塩分を過剰に取り過ぎている。そのせいで、望ましい摂取量の3倍ぐらいの量を摂取している人が多いそうだ。( NHK のガッテンによる。)……これでは、高血圧の人が多すぎるのも得心が行く。
[ 付記1 ]
前々項ではカレーを紹介したが、どのカレーも塩分が過剰気味だ。そこで塩分の少ないカレーを購入しようとしても、塩分量が表示されていないカレーも多い。成分には「塩」という表示はあるのだが、その量は示されていないのだ。
その点、ポテチなどのスナック菓子だと、塩分量は表示されていることが多い。だが、表示されていても、塩分が多すぎるんだよね。実際の量はたいしたことがないんだが、食べるとしょっぱすぎる。
ポテチ、食パン、チーズ……などは、いずれも塩分が過剰であると感じられる。しょっぱすぎるんだよ。
[ 付記2 ]
この件では、次の記事もある。
埼玉県に住む主婦は、夫が高血圧と診断されてから減塩に取り組んだ。しかし、実際に夕食を調べてみると5.9グラムもあった。日本高血圧学会が推奨する1日6グラムに近い量を夕食だけで摂っていた。料理に使った塩は0.7グラムにすぎなかったが、食材がたっぷり塩を含んでいたのだ。
日本人は塩分の7割を加工食品から摂っているという。醤油、マヨネーズ、ソーセージ、ハム…。味がよくなるのと保存のためという。これでは主婦がいかに減塩に努めても追いつかない。厚労省の減塩作戦も最終的にはこれら加工食品に狙いを定めている。
お手本はイギリスにあった。イギリスでスーパーに並ぶ食品の塩分表示を見ると、たとえば「食パン」は1グラム(日本1.27グラム)、トマトケチャップ1.8グラムは日本の半分に近い。英政府が「8年間に1.4グラム減らす」と進めた減塩作戦の成果だ。どうやったのか。
英政府はあらゆる食品業界を巻き込んで、商品ごとに数値を定めて減塩を迫った。塩を減らせば味が落ちると企業は抵抗した。そこへ科学者グループがある提案をした。人は6週間で薄味に慣れるという研究結果があるそうだ。そこで、少しづつ時間をかけて段階的に減らすという方法を示した。
これで、たとえばパンの業界は「3年間で100グラム当たり10グラム減らす」という目標を設定した。同様にチーズ1.7グラム、ポテトチップス1.5グラム、ケチャップ 1.8グラムと商品ごとに目標を定めて、次々と達成したのだ。消費者は減塩に全く気づかなかったという。
その結果、心臓病の患者が減り、毎年2600億円もの医療費の削減につながったという。
( → 厚労省「減塩大作戦」加工食品の塩分減らせ!イギリスのトマトケチャップは日本の半分 : J-CAST )
高血圧の人が降圧剤を飲まないと、脳卒中で死亡するリスクが非常に高くなります。以前は日本人の死亡理由の第一位でした。その脳卒中が激減して、平均寿命が世界一位ぐらいにまで延びたのは、降圧剤のおかげです。寿命を延ばす圧倒的な効果があったので、人類史上における最も有益な薬と言ってもいいくらいです。
私の祖父は、降圧剤が普及していない時代だったので、60をちょっと過ぎたぐらいで、脳卒中で死んでしまいました。それが昔は当り前だったんです。
認知症になるのは、たいていは 80ぐらいになってからですから、そのときまで生きられれば幸福です。本来なら、脳が壊れる時期以降は、生きられなくても仕方なかった。
降圧剤がなくなれば、認知症の患者は激減するでしょう。なぜなら、80歳どころか 70歳になる前に、脳卒中でみんな死んでしまいますから。
認知症の患者が増えるというのは、本来の寿命以上に生きるということだから、人間にとっては最もありがたいことです。
県全体で減塩に取り組んで長寿一位になった長野県の例もありますし。
日本では定期的に科学的根拠に乏しい食品添加物批判が繰り返されていますが、遥かに健康被害をもたらしている塩と酒に関しては、慣れのせいか看過されているように見受けられます。
私個人的には汁物は塩分摂取量が多くなりがちなので出来るだけ避けるようにしています。
>素浪人さん
降圧剤が認知症を引き起こすという話は寡聞にして知らず、また適当に調べても碌な記事は出てこなかったのですが、信頼に足る書籍や論文等御教示頂ければ幸いです。
高血圧家系ゆえ、今後の行動の判断材料と致したく。
『薬のチェックは命のチェックNo.39』(医薬ビジランスセンター刊)という雑誌のP77に質問コーナーがあって、編集委員の浜六郎さんが答えています。一部を抜粋します。
Q:降圧剤を飲み続けると認知症になる?
A:降圧剤を飲み続けると認知症になりやすくなるかどうかですが、それは本当です。(中略)降圧剤で血圧を下げると、脳卒中や心筋梗塞にはなり難くなるかもしれませんが、知的活動、身体活動や認知能力が低下したり、他の原因による死亡が増加して死亡率全体では余り変わらない、あるいは逆に死亡率全体では増加するといったことが起こります。(後略)
本としては、浜六郎『認知症にさせられる!』(幻冬社新書)、近藤誠『このクスリがボケを生む! 』(学陽書房)などが参考になるかもしれません。
http://j.mp/361naN2
http://j.mp/3645Qab
近藤誠は、「減塩食も駄目」と言って、塩分の過剰摂取を推奨している。
http://j.mp/361n5sI
近藤誠の説を鵜呑みにしたせいで、癌治療を受けなくなって、早死にしてしまった人はたくさんいます。
早死にしたい人は、この人の本を読むといい。洗脳されて、短命行動を取ることで、早死にできます。……たぶん、年金費の抑制を狙う、厚労省の差し金だ。
ご回答ありがとうございます。
降圧剤に懸念を唱える人が居ることは今後も留意致します。
ただ、医師という肩書で逆張りの健康術を披露する類の作家の論には懐疑的ですので、現時点では自身の行動を変えるには至らず、脳卒中から来る認知症リスクを避ける観点からも、必要な時期には降圧剤接種を行うという態度を維持します。
管理人さんの警鐘も参考になりました。ありがとうございます。
150mmHgくらいまでなら多めにみて経過観察、ということに常識的な医者ならしますしね。
高血圧は脳卒中もさることながら細い血管が多い腎臓もおおいに痛めます。またそもそも腎臓が悪くて高血圧になる人もいます。
そういったことから高血圧は決して甘く見ることはできない、ということは覚えておかれるとよいでしょう。