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マイナンバーカードの普及のために、5000円を還元する……という政府の愚案が出た。この件については、先に批判した。
→ マイナンバーとキャッシュレス推進: Open ブログ
批判そのものは、すでに上記項目で述べた通り。
では、これが駄目だとして、かわりにどうすればいいか? 代案は? ……それが本項のテーマだ。
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ちなみに、はてなブックマークには、次のような意見がある。
wakwak_koba araikacang 1人5000円配るのにどんだけ手間かけるつもりだ。
マイナンバーカード発行時にご褒美として現金5000円を渡した方がトータル経費が安い。
( → はてなブックマーク )
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「現金5000円を渡す」という案がある。これは一案だが、難点もある。窓口で現金を大量に配るのは(強盗が来そうで)物騒だし、手続きで(搾取の)不正が生じる可能性も少しある。あまり賢い方法ではない。困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「 5000円を給付するのに、マイナンバーを使う」
どうです。これぞ、マイナンバーを生かす、最善の策だ。こんな簡単なことに、どうして人々は気づかないのか?
具体的には、次のようにする。
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現金を給付するかわりに、国民の納付額を 5000円、減額する。減額の対象は、次のいずれかを選べる。
・ 所得税の減額
・ 住民税の減額
・ 固定資産税の減額
・ 健康保険料の減額
・ 雇用保険料の減額
・ 年金保険料の減額
・ その他の税金や社会保険料の減額
そのどれかを減額するわけだ。これなら手数料は最小限で済む。
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なお、このような案は、ずっと昔に提案したことがある。
「電子式のIDカード」に合わせて、「ID口座」というものを設定するといいだろう。これは、銀行口座のようなものだが、民間への支払いのためには使わず、政府への支払いのためにだけ使う。
その主たる目的は、何か? 政府への支払いを、一元化することだ。
(1) 一元化
一元化すべきものは、税・社会保険料・年金料などがある。こうした納入を、現在、バラバラに行なっている。それをすべて一元化するとよい。たとえば、給与から源泉徴収で納入したり、毎月の保険料を銀行口座から納入するのでなく、ID口座から納入する。銀行との関係は、銀行からID口座へ入金するだけだ。
(2) 減税の入金
ID口座は、政府に金を払うためだけでなく、政府から金をもらうためにも使える。具体的には、「減税」(戻し税)を入金できる。入金された金は、以後の納入のために使うことができる。
( → ニュースと感想 (11) )
詳細は上記ページに書いてあるので、そちらを参照。
[ 付記 ]
政府は、還付そのものよりも、キャッシュレス促進の方を重視しているようだ。しかし、これはよろしくない。
そのわけは、キャッシュレスの対象が限定されていることだ。特に、消費税の関連の還元で、2%または5%の還元というのが駄目だ。
たとえば、近所の八百屋などの小売店はやってないことが多い。コンビニは対象となるが、消費税対応のキャッシュレス減税は、コンビニでは2%だけだ。5%にはならない。
5%の減額になるのは、飲食店だ。(たいていは、クレカの利用だろう。) だが、飲食店を多用するのは、外食の多い高所得者だ。つまり、政府の実施する5%の減税では、その利益を多く得るのは、(低所得者でなく)高所得者なのである。これは高所得者向け減税だと言える。馬鹿げている。
減税の枠は、1.5万円/月だ。この還元枠で考えると、5%引きの店舗で30万円の支払いをすることになる。つまり、月に 30万円もの外食をするような高所得者がすごく得するような制度なのだ。まったく、馬鹿げている。
なお、5%の減税は、家電量販店には使えない。大規模業者は適用外だからだ。
以上は、下記の説明でわかる。
→ 「キャッシュレス・ポイント還元事業」ってなに?
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ただし、マイナンバーカードにおけるポイント還元では、QR コード決済や Suica などにもポイントが入る。だから、上記のような制限はなくて、どの場面でも使える。たとえば、Suica で切符代に使えるし、スーパーの買物にも使える。(つまり、高所得者ばかりが得をするというようなことはない。)
この意味で、マイナンバーカードにおけるポイント還元は、いくらかマシだ。