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首相の「桜を見る会」の出席者の名簿が非公開となっている。
→ 東京新聞:桜を見る会 即廃棄は「政治推薦」名簿だけ 各省は最低3年保存
→ 桜を見る会 内閣府が名簿提出も「功績者」ほぼ黒塗り | NHKニュース
氏名を(シュレッダーで)廃棄したり、黒塗りにしたり。その理由は、政府の主張では、「個人情報だから非公開にする」ということだ。
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「なるほど。一理ある」と思う人が多そうだが、実は、これはおかしい。なぜか? それは、会の趣旨を見ればわかる。
安倍晋三は「会は各界で功績、功労のあった方々を招いて開催している。地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので、後援会の方々と重複することも当然ある」と述べた。
2019年に招待された1万5000人余りの内訳は、各省庁推薦の功労者・各国大使・国会議員・勲章受章者が約6000人、自民党関係者からの推薦枠が約6000人、安倍総理大臣からの枠が約1000人、副総理・官房長官・官房副長官からの枠が合わせて約1000人、国際貢献や芸術文化などの特別招待者や報道関係者、公明党関係者などが合わせて約1000人だった。……第二次安倍政権以降、招待者の範囲について「その他各界の代表者等」と、鳩山政権当時にはなかった「等(とう)」の文字が加えられている。
( → 桜を見る会 - Wikipedia )
ここでは、「功績、功労のあった方々」という名分で招待をしている。だとすれば、その人々は「功績、功労」ゆえに、桜の会に招かれたわけだ。とすれば、その氏名は、秘すべきことではなく、むしろ公表して顕彰するべきことだ、ということになる。ここでは「個人情報だから公開しない」というようなことは成立しないのだ。
仮に、「個人情報だから公開しない」ということであれば、毎年の文化勲章や文化功労賞の受賞者もまた、「個人情報だから公開しない」ということになる。さらに、国民栄誉賞もそうだし、勲一等などの勲章の受章者の氏名も「個人情報だから公開しない」ということになる。……しかし、そういうのはあまりにも馬鹿げている。
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要するに、「桜を見る会」の氏名を非公開とするときに、「個人情報だから」という理由は成立しないのだ。なぜなら、功績・功労を称えるために招待したからだ。
ま、本当を言えば、功績・功労なんかは関係なしに、「後援会で会費を払った人だから」ということだけが理由だったのだろう。だからこそ、それは「隠しておきたい恥だ」ということになり、「恥は個人情報として隠しておきたい」というふうに思ったのだろう。
しかし、そうなると、安倍首相の主張は自己矛盾していることになる。
・ 名分では、(公開するべき)功績・功労があったから。
・ 実際には、(恥ずべき)後援会員として金を払ったから。
こういう矛盾があるわけだ。その矛盾を、本項で指摘しておこう。
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