2019年11月21日

◆ 農業の6次産業化が失敗

 「農業の6次産業化」を推進する農林水産省の官民ファンドが失敗した。

 ──

 記事を紹介しよう。
 財務省と農林水産省は、赤字続きの官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)」を廃止する方向で調整に入った。安倍政権がアベノミクスの一環として積極的に活用してきた官民ファンドに、抜本的な見直しの動きが出てきた。ただ、農水省は別の組織をつくって投資を続けたい考え。「看板の掛け替え」に終われば、ずさんな投資が続いて国民負担が膨らむことになる。
 A-FIVEは、農林水産物の生産から加工、販売まで手がける「6次産業化」の支援を目的に2013年に設立。大半を政府が出資した319億円の資金を使い、昨年度までに企業の株式に計82億円投じた。
( → 赤字農水ファンド、廃止で調整 「看板掛け替え」懸念も:朝日新聞

 官民ファンドの失敗というと、JDI の失敗みたいなものだが、それが(工業だけでなく)農業分野でも起こったわけだ。「ああ、またか」という感じだ。
 こんなものは、民間の事業を国費を使ってやるわけだから、「失敗するのは最初からわかっている」と言える。
 黒字になる事業ならば、民間が自力でやるはずだからだ。それを下手な政府が手に染めれば、「武家の商法」となるのだから、最初から失敗はわかっているわけだ。
 で、失敗したら懲りればいいのだが、懲りることなく、「看板を付け替えて、別の名称で同様のことをやろう」というのが農水省の方針だという。呆れるしかない。血税の浪費。安倍首相の「桜を見る会」と同様で、国民の血税を使って、自分のお遊びのために費やすわけだ。ひどいものだ。



 [ 付記 ]
 実は、面白いのは、このあとの話。
 そもそも「農業の6次産業化」とは何か? 農水省が説明している。(農業だけでなく水産業も含めて)
 農林漁業者が、農畜産物・水産物の生産だけでなく、食品加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)にも取り組み、それによって農林水産業を活性化させ、農山漁村の経済を豊かにしていこうとするものです。
「6次産業」という言葉の6は、農林漁業本来の1次産業だけでなく、2次産業(工業・製造業)・3次産業(販売業・サービス業)を取り込むことから、1次産業の1×2次産業の2×3次産業の3のかけ算の6を意味しています。
( → 農山漁村の「6次産業化」とは、どのようなことなのですか。(子ども相談):農林水産省

 「掛け算」というのが意味不明ですね。「次」を三つ掛けたら、単位は「次」の3乗になりそうだ。わけわからん。頭がおかしい。
 かといって、足し算で言うと、「1次 +2次 + 3次 = 6次」で、単位の点では合っているが、話がおかしくなる。これはいわば、「1位と2位と3位を足すと、6位になる」というのも同然だ。つまり、五輪で「1位、2位、3位を独占して、金銀銅の三つを取ると、6位に落ちてしまう」というようなものだ。メチャクチャ。

 というわけで、どっちにしても、「6次産業化」なんていう馬鹿げた言葉を使っている時点で、この発想はメチャクチャなのだ。ダジャレを真顔で実行するようなものだ。頭がパープリン。
 こんなことをやる政府は、頭が Dラン大学並みだな。まるで安倍首相(成蹊大卒)みたいだ。

 [ 補足 ]
 「じゃあ、どうすればいいんだよ」
 という質問には、こう答える。
 「政府の大好きな 《 選択と集中 》 をやればいい。農家は農家らしく、自分の仕事(農業)に専念するのがいい。それを加工して販売するというのは、周辺的な分野でやるのはいいが、それに依存するようになったら、本末転倒だ」

 はっきり言って、「農産物の加工や販売」というのは、非効率な小規模農家においてのみ成立する。
  ・ 手作りで小規模の加工品を作る
  ・ ネットで農産物を販売する

 こういうのは、(非効率な)小規模農家が手透きでやるのなら、それなりに成功することもあるだろう。しかし、(高能率の)大規模農家がやることじゃない。……このことをはっきり理解しておかないと、甘い夢を見たあげく、大失敗するハメになる。
 それが冒頭の「(6次産業化の)官民ファンドの失敗」であろう。

posted by 管理人 at 23:27| Comment(3) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
只のタイプミスでしょうが脳死衣装は笑いました。

6次産業は足し算かと思ってましたが掛け算ですか。
1×2×3で6次産業なら農業の有無で数値が変わらないですね。
Posted by PF at 2019年11月22日 02:56
 農水省でした。ご指摘ありがとうございます。
Posted by 管理人 at 2019年11月22日 08:00
ぶっちゃけ、天下り先のポスト造り狙いでしょうね。
Posted by 参考になります。 at 2019年11月23日 15:50
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