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「嘘をついては、バレる」というスタイルだが、あまりにも数が多いので、事実を整理してみる。
共産党の指摘
最初は、共産党の指摘だ。国会で質問する形で、事実を明かした。これが発端となった。詳細は下記。
→ 「桜を見る会」の私物化
※ 安倍首相の後援会員ばかりを呼ぶことで、公金を私物化した疑い。5月に話題になったときは「規模が3倍」と言うことが批判されたが、新たに「公金の私物化」という疑いが生じた。同時に、「選挙民の買収」という公選法違反の疑いも生じた。
事務所は不関与
「参加者は政府が決めたのであって、事務所は関与していない」
というふうに安倍首相は弁解した。(上記の国会質問)
安倍総理大臣は「招待者は内閣官房と内閣府で、最終的に取りまとめをしており私は、主催者としてあいさつや招待者の接遇を行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない。個々の招待者については、招待されたかどうかを含めて、個人に関する情報であり、従来から回答は差し控えている」と述べました。
( → 首相主催「桜を見る会」参加者と支出額が年々増加 首相は「招待者関与せず」 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン )
ところがこれは嘘だと判明した。文科相が答えている。
総理大臣主催の「桜を見る会」について、衆議院文部科学委員会で、立憲民主党の初鹿明博氏は「『地元で貢献しているから、この人を呼んでいただけないか』ということを伝えて招待されていたということはあったか」と質問したのに対し、萩生田文部科学大臣は「率直に申し上げて、私が『Aさんを』とか『Bさんを』ということではなく、事務的に『こういう団体の皆さんを』ということで、事務所のほうでそういった作業をしていたということは、のちに報告を受けている」と述べました。
( → 「桜を見る会」事務所で招待の作業も 萩生田文部科学相 | NHKニュース )
嘘はすぐにバレた。
名簿廃棄
「招待者の名簿を出せ」と言われたら、「名簿はとっくに廃棄したので、出せない」と答えた。
菅氏は、内閣府と内閣官房から首相や副総理、官房長官、官房副長官に招待者の推薦依頼があったことを明らかにしていたが、それぞれの具体的な規模については、「推薦名簿は会の終了をもって遅滞なく廃棄しており、内訳を答えることは困難」として答えなかった。
( → 桜を見る会「廃止は考えてない」 菅氏、再開目指す考え [桜を見る会]:朝日新聞 )
「会の終了をもって遅滞なく」というのは事実に反する。開催日は4月13日だ。しかし遅滞なく廃棄したのではない。廃棄したのは5月9日で、これは冒頭の国会質問の資料請求があった日だ。
首相主催の「桜を見る会」を巡り、内閣府が今年の招待名簿を廃棄したと説明する5月9日に、共産党の宮本徹衆院議員が政府に、同会の招待者数の推移などを資料請求していたことがわかった。
( → 桜を見る会名簿、共産議員の請求当日に「廃棄」 内閣府 [桜を見る会]:朝日新聞 )
「たまたま同じ日に廃棄した」と言いたいのだろう。だが、そんな偶然があるわけはなく、資料請求があったあとであわてて廃棄したに決まっている。その上で、「すでに廃棄したので公開できません」と すっとぼけるわけだ。見え見えの嘘。
さらに嘘がバレた。「文書を廃棄する」という規定は、モリカケ問題であわてて作った規定だ。だから、それが発効するのは、10月28日からだ。
「関係行政機関等に協力して行う行事等の案内の発送等」を根拠に一年未満の保存期間という説明は2019年10月28日以降には成り立ち得ますが、それ以前は明確な根拠が保存期間表には存在しないことになります。廃棄そのものが適法とする政府の説明は、根拠に欠く状態です。
( → [News]桜を見る会の名簿が1年未満の保存期間と明示されたのは2019年10月28日から それ以前の1年未満で廃棄の根拠は不明確 | 情報公開クリアリングハウス )
つまり、5月9日の時点では、そんな規定は存在しなかったのだ。ここでも嘘がバレた。
前夜祭が 5000円
桜を見る会の前にあった前夜祭の参加費がたったの 5000円であって、話題を呼んだ。差額を安倍事務所が負担したのだろう、という疑惑がある。
・ ホテルでは最も安いプランで 11000円。
・ 豪華な食事内容。食べ放題。
・ おまけに飲み放題で、これだけでもかなりのコストだ。
・ 会場は貸切だと 900万円。1000人いても、会場代が1人9000円。
(とうてい 5000円では済まない。)
以上の話の典拠は:
→ 『桜を見る会』前夜祭の会費が激安!ニューオータニ鶴の間で久兵衛の高級寿司が出て、たったの5000円! | まとめまとめ
これに官邸幹部は「唐揚げ増やすなどのやり方で、コストダウンができる」というふうに反論した。
→ 前夜祭「会費5000円」で安倍首相反論 官邸幹部も「唐揚げ増やすなどやり方ある」 - 毎日新聞
しかし、そんなレベルではない豪華さであったことは、上記のように証言がある。
※ 「人数分の食事を出さなかった。少なめの人数分にした」という釈明もある。一般の政治資金パーティーならそうだが、その場合は、料理がすぐになくなってしまうので、出席者は「ろくに食えなかった」と不満たらたらになる。今回のような「後援者への接待」というパーティでは、そんなふうにケチると逆効果だ。公然ながら、量的には十分にあったようだ。すぐ上の話(リンク)で窺える。
宿泊とセット価格?
安倍事務所が差額を負担した、という疑惑から免れるために、「ホテルが価格設定したんだ。宿泊客が多いから、宿泊料金とのセットで、立食パーティーは 5000円に割引したんだ」と安倍首相は釈明した。
(安倍総理大臣は)前日夜の懇親会を含め、すべての費用は参加者の自己負担であり、みずからの事務所や後援会の収入や支出はなかったとして、政治資金規正法違反にはあたらないという認識を示し、懇親会の会費については、「5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者という事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だ」と説明しました。
( → 「桜を見る会」 与党“責任果たした” 野党“国会で説明を” | NHKニュース )
しかし、宿泊しない後援会員も 5000円という価格であったことが発覚した。案内状に記してあったのだ。
→ 「桜を見る会」案内状、野党議員が次々と入手| 中国新聞
→ 画像
セット割引なんてものはなかったのである。(つまり、安倍事務所が差額を補填していたに決まっている。これは「選挙民の買収」に当たるので、公選法違反だ。)
というふうに、次から次へと、嘘が発覚していく。嘘を取りつくろおうとして嘘をつくと、その嘘がまた発覚する、……という具合。
ほとんどギャグだね。何をやっているんだか。
※ 嘘はこれで打ち止めではあるまい。まだまだ続きそうだ。