台風 19号で多大な水害があった。特に、中小河川で。今後、堤防を整備するとしたら、その費用はどうする?
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台風 19号で多大な水害があった。特に、中小河川で。
→ 中小河川、思わぬ脅威 台風19号1カ月:朝日新聞
中小河川は、防災マップ(水害マップ)の対象にもならず、危険を警告されもしないまま、今回の台風で氾濫・決壊が起こって、地域住民に多大な被害をもたらした。
今後、地球の温暖化にともなって、未曾有の水害がさらに続々と起こるかもしれない。となると、中小河川も含めて、堤防の整備をする必要がありそうだ。
しかし、その金がない。どうするべきか?
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そこで、困ったときの Openブログ……と言いたいところだが、打ち出の小槌のように、金が続々と出てくるわけではない。うまい案なんてものがあるわけでもない。
しかし、それなりに何とかする案はある。こうだ。
「堤防を作るが、そのための費用は、流域の固定資産税を上げることで確保する」
その意味はこうだ。
「堤防を作れば、それによって土地の価値が上昇するので、不動産価格が上がる。そういう利益を住民は得る。ならば、そこで得た利益に相当する額を払ってもらう。といっても、一気に多額を払うのは大変だから、分割払いで、毎年払ってもらう。それがつまり、固定資産税を上げるということだ」
たとえば、堤防を作ることで、1戸の土地の価値が 300万円上昇したとすれば、それを 30年の分割払いの形で、毎年 10万円を払ってもらう。要するに、「固定資産税の特別付加」という形で、毎年 10万円を余分に払ってもらう。
これを換言すれば、こうなる。
「堤防を作ってもらう利益には、応分の負担をしてもらう。水害を受けそうな土地だからという理由で、国や自治体の金を、タダでもらうことは許されない」
今までは、「水害を受けそうな土地だからという理由で、国や自治体の金を、タダでもらう」ということが許されていた。「公費で堤防を作ってもらう」という形で。……しかし今後は、利益の享受者が応分の負担をすることにする。
そして、そのことで、日本中のあらゆる流域で、一挙に堤防の整備を進める。(「金がない」という問題は解決するからだ。流域住民の負担という形で。)
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なお、この方針には、反対する住民が出てくるはずだ。(そう予測される。)
そこで、次のようにすればいい。
・ 反対する住民の流域では、堤防整備を進めない。
・ 賛成する住民の流域では、堤防整備を進める。
これなら、誰も不満にはならないはずだ。
反対する住民の流域では、金を取られないかわりに、堤防整備も進めない。(つまり現状維持だ。)……その場合には、次の台風でも、やはり多大な水害の被害が発生する。だが、それは自分たちの選んだことなのだから、喜んで受け入れるだろう。
賛成する住民の流域では、金を取られるかわりに、堤防整備が進む。(つまり上の提案通りだ。)……その場合には、次の台風では、水害の被害が発生しない。住民たちは、「毎年 10万円を払ったが、何百万円にもなる大幅な被害を受けずに済んだ」と、喜ぶだろう。
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なお、実際には、毎年 10万円も払う必要はない。政府や自治体の補助金が出るから、実際にかかる費用の半分ぐらい(毎年5万円ぐらい)で済むだろう。そして、一定期間( 30年ぐらい)のあとでは、もはや支払いを終えたとして、「固定資産税の特別付加」はなくなる。
ついでだが、「固定資産税の特別付加」には、「水害保険」も含めるといいだろう。万が一、決壊や氾濫や越水などで、何らかの被害が出た場合には、被害額を補償してもらえる。
今回の台風被害では、(火災保険の加入分を除けば)何の補償も得られない例がほとんどだろう。しかし、「固定資産税の特別付加」を払うようになったら、被害を受けたならばその被害に相当する額を補償してもらえるのだ。(たとえ堤防が未完成のままだとしても、かわりに被害補償があるわけだ。)
そういう「保険」としてのメリットも生じることになる。
というわけで、以上のようにして、「堤防建設の資金不足」という問題を解決する案を示した。
[ 付記 ]
ただし、やたらと堤防を整備すればいいというものではない。他の方策もある。
(1) 危険な地域からは脱出して、移転するべきだ。堤防を整備するよりも、人が脱出する方が簡単だ。
→ 渓谷での水害(2019): Open ブログ
(2) すでに堤防があるのならば、堤防をさらに高くするよりは、越流堤を作る方が上策だ。
→ 河川の合流点で決壊する: Open ブログ
2019年11月12日
過去ログ
問題はそこじゃなくて、
1)土建屋さんがピークの3/4〜2/3に減ってしまって、供給能力が足りなくなっている。
2)未だに「公共事業は無駄、悪、不要」と思い込んでいる人が少なくない。
3)ほとんどの人が政府にお金がないと錯覚している。
あたりでしょうか。
じゃ、消費税 20% ですね。一般国民が負担する。
水害の起こる土地を安く買った人が、水害が起こらなくなったという理由で、高値で売却できるので、彼らだけはボロ儲け。
結局、国民の間で、富の移転が起こる。
実は、この方法は、昔、田中角栄がやった。川のそばの土地を安値で買ったあとで、公共事業で堤防を作り、自分の会社が莫大な富を得た。そのあと、最後は、逮捕されて拘置所に収監される。
この方法を合法化すれば、安倍さんも、国民の税金を大量に奪うことができる。数千億円を盗むこともできそうだ。「国民のため」という美名で、国民の金を盗める。
あとは建設国債の償還を、国民が消費税で払えばいい。国民は独裁者に奉仕する奴隷となる。
そんな必要はありません。日銀が買えばいいんですよ。
> 実は、この方法は、昔、田中角栄がやった。川のそばの土地を安値で買ったあとで、公共事業で堤防を作り、自分の会社が莫大な富を得た。そのあと、最後は、逮捕されて拘置所に収監される。
ロッキード事件以外でも逮捕されたのですか?少し調べても解りませんでしたが。
そんなことしたら、物価が上昇して、金利が急上昇して、国債が暴落して、一挙にハイパー・スタグフレーションになる。
打ち出の小槌なんか、あるわけがない。
> ロッキード事件以外でも逮捕
逮捕の理由はロッキード事件だけ。前段と後段はつながらない。
物価上昇しましたか?国債暴落しましたか?金利は急上昇しましたか?
政府だけは打ち出の小槌を持っているんです。
でなければ景気対策も公共事業も福祉政策も科学技術などの投資も自衛隊の増強もできません。
お金の問題じゃないのです。
だったら、国民一人一人に毎年365万円を支給することができますね。
それで物価が上がらなければ、貧困問題も、ブラック企業問題も解決しますね。
社会保障にも打ち出の小づちからのお金が投入できるのでしょうから。
そのようなことが可能だとは思いません。
”ある程度”なら可能かもしれませんが、
”ある程度”を超えると、とんでもない代償があるはずです。
そのような状況で何が起きるか、予想を言うのも馬鹿らしいですが、
労働者の何割が働くのをやめるのでしょうか?
世界中から打ち出の小槌に群がる移民も来そうですね。
ある程度の資源・資金があることは確かですが、無限なはずはありません。
何に使うか取捨選択するしかありません。
一度に数百兆円を買ったわけではないし、毎年は 50兆円程度。その 50兆円は、民需が縮小した分を、政府が補っているだけだ。これをやめたら、総需要が縮小して、大幅なデフレになるので、それを阻止しているだけだ。
この 50兆円を越えて、さらに大幅な浪費をすれば、その分はインフレ圧力となって、物価上昇と貨幣価値の下落をもたらす。
水を1日に2リットル飲んでも大丈夫だからといって、1日に 10リットルも飲めば、死んでしまいそうだ。
インフレ率が高くなりすぎない程度にとどめなければなりません。
+10〜15兆円が限度になるでしょうか。
> 国民一人一人に毎年365万円を支給することができますね。
できません。それをやったら国民は働かなくなるでしょう。
先進国ではなくなります。国債が100%日本円建てではなくなって、今は0である政府の財政破綻の可能性も出てきます。
> ”ある程度”を超えると、とんでもない代償があるはずです。
ある程度って何兆円くらいですか?とんでもない代償って具体的には?
> 世界中から打ち出の小槌に群がる移民も来そうですね。
入管法で制限すればいいだけです。もっとも安倍政権は真逆の政策ですが。
> 何に使うか取捨選択するしかありません。
上記の金額を多方にばらまくのが理想です。どこかに集中させようとしても供給能力が追いつかないでしょう。
> この 50兆円を越えて、さらに大幅な浪費をすれば、その分はインフレ圧力となって、物価上昇と貨幣価値の下落をもたらす。
大幅ってどの程度を想定しているか解りませんが、それなら小幅にとどめればいいでしょう。
デフレ脱却=適度なインフレ、貨幣価値の下落は負債の価値の下落にも繋がるので、それでいいのでは?
国の一般支出に金を使えば、全員が得をするので、誰も損をしない。
堤防に金を使えば、川のそばの人だけが利益を得て、それ以外の人々は物価上昇の損失だけを受ける。国民間で利益の移転が起こる。これは増税と同じ効果。したがって「建設国債にすれば国民に損失は生じない」というのは、誤り。増税と同じ分の損失が国民に発生する。損失の形が、増税か物価上昇か、という違いが発生するだけだ。
ここでは、税の使途によって、国民の損失の有無が生じる。
仮に、あなたの理屈が通るなら、国債発行による利益を独裁者が独り占めして、その損失を国民全体でまかなうことによって、「国民 → 独裁者」という利益移転を発生させることができる。
一方、国債発行による利益を国民全体が享受すれば、国民に損失は発生しない。
「後者において国民に損失が発生しないから、前者においても国民に損失が発生しない」というふうに考えているのが、あなたの発想だ。経済学の初心者にはありがちの勘違い。同じ勘違いをする初心者はかなり多いので、仕方ないが。
p.s.
なお、「打ち出の小槌」と思われているものは、たいていが、ただの「借金」です。金や物をもらった時点では、「何もしないで、金や物をもらった」と思って、大喜び。「打ち出の小槌だ」と思う。
しかし、そのとき同時に、借用証を書かされている。あとで、その借金の返済を迫られる。それに気づいたときに、青ざめる。「打ち出の小槌だと思ったら、ただの借金だったのか」と。
それはあり得ません。少し考えれば解ることです。
物価が上昇するほど治水事業にだけ予算をつぎ込む事は不可能です。現状でも人手不足なのであまり増やせないでしょう。
それに利益を受けるのは川のそばの人だけではありません。
工事を受注した会社やその下請け、従業員が利益を得ます。その利益で会社は設備・機械投資や人材投資、従業員なら生活水準を向上させるために支出を増やします。
すると設備・機械の業者などが利益を得て、以下繰り返し。政府が使う金の数倍がGDPに上乗せされます。
これを乗数効果といいます(知らないとは思えませんが)。
一つ上でも書きましたが、デフレ脱却できる程度の補正予算を組んであらゆる方面にばらまくのがいいと考えています。そうすれば国民のほとんどが利益を得られるでしょう。
> 国債発行による利益を独裁者が独り占めして、・・・
日本に独裁者はいません。安倍首相が独裁者なら消費増税も緊縮財政もなく、景気回復していたでしょう。首相自身は反対派ですから。
主語がないので誰を指しているのか解りづらいですが、
「打ち出の小槌」はただの借金ではなく需要(仕事)です。財政を気にせず需要を生み出せる唯一の存在が政府です。
借金を負うのは政府であって国民ではありません。主に国内の金融機関の日銀当座預金から借りるのです。
財政に余裕があるなら税収から返してもいいですし、日銀に買い取らせてもいい。その時の状況で判断すればいいこと。
返済を迫られて青ざめる人などいません。
労働を提供して、そのかわりに賃金を得るのは、利益ではありません。(正当な対価を得ているだけです。)
企業で言えば、売上高は出ますが、利益が出るとは限らない。あなたは売上高を利益だと勘違いしています。両者を区別しましょう。(売上高を得ても、赤字になることもあります。)
川のそばの人は、対価を払わずに、完成物としての堤防を得て、地価の上昇を得ます。これは純然たる利益です。乞食が金をもらうのと同様。
> 需要を生み出せる
需要を生み出すことは問題ない。売上げが増えることは問題ない。問題は、それが誰の利益になるか、ということ。川のそばの住民だけが利益を得るのか、それとも、国民全体が等しく利益を得るのか。
あなたは需要(売上げ)のことばかりを考えていて、利益のことを考えていない。それだと、独裁者が国民の利益を奪って浪費することも是認されてしまう。奴隷制の肯定に等しい。
売上げと利益を区別できないと、そういうハメになる。
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例で言うと、川のそばの住民が、100万円の工事を発注する。あなたに 100万円の賃金が支払われ、あなたが 100万円分の労働をする。それであなたは喜ぶか?
なお、その工事にかかる 100万円の原資は、あなたの財布から奪うことでまかなう。あなたは 100万円を奪われて、100万円の賃金を得る。結果的に、100万円の無償労働をするわけだ。それであなたは「 100万円の賃金を得たぞ」と喜び、川のそばの住民はタダであなたを働かせることができて喜ぶ。「どうです。両者が喜び、win-win です。打ち出の小槌は存在するんです」とあなたは威張る。
「打ち出の小槌などは存在しない」という真実を知れば、「誰かが奪った分、誰かが奪われる」という事実を理解する。それを理解しない人だけが、「打ち出の小槌はある」と思い込む。詐欺師にだまされるタイプ。
わざわざ追加で徴収する必要性が解りません。
逆に水害のせいで地価が下がるところも出てきそうですが、そこは自己責任ですか?
それに住民の意見が割れたらどうするのですか?というより、多数の住民がいるのですから、割れない方がおかしい。
今回の台風でも、一部の住民の反対で治水工事ができずに洪水になった地域がありました。
意見をまとめるのにも時間が掛かるし、それでもまとまらないかも知れません。
今でも人手不足な地方自治体に、そんなことをしている暇があるとは思えません。
そうこうしているうちに毎年台風がやってきて、水害の恐怖におびえながら暮らすと。そして実際に多数の人が死ぬ。
先進国じゃないですね。実際に発展途上国転落の瀬戸際にいると思います。
治水事業費のピークは平成9年の2兆2,500億円、平成30年ではたったの7,700億円。およそ1/3。
これで水害が起こらない方がおかしい。しかもすぐには戻せません。土建屋さんが減ってしまいましたから。
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その例でなぜ私が100万円を奪われなければならないのか理解に苦しみます。実際に川の流域住民が利益を得ますが、その他の国民は特に損をしません。
治水工事費が少し増えたところで、それだけでは物価が上昇する事はないですから。
> 「誰かが奪った分、誰かが奪われる」
その通りですよ。言い方を変えれば「誰かの黒字は、誰かの赤字」なのです。
政府(黒幕は財務省)がプライマリーバランス黒字化目標を掲げて、国民から所得を奪っています。
財務省は「政府を黒字にして、民間を赤字にさせます」と言っているのです。悪魔の所業ですね。