2019年11月09日

◆ 年金で金持ち優遇

 「格差の是正」とは逆の「格差の拡大」が安倍政権の方針だが、これが年金受給者にも及ぶことになった。
 
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 簡単に言えば、「1%の金持ち老人を優遇するために、99%の年金受給者で、年金の切り下げをする」ということだ。本項を読んでいる人のほとんどが対象となる。年金給付がバッサリ切り下げられる。(今は年金をもらっていなくとも、将来は年金をもらったときにそうなる。)
 
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 話の発端は、「在職老齢年金制度」の改定だ。
 働いて一定の収入がある60歳以上の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」について、厚生労働省は減額対象の基準を月収50万円台前半に引き上げる方向で調整に入った。当初は「62万円超」まで引き上げる案を軸に検討したが、与野党から高所得者優遇といった批判が相次ぎ、引き上げ幅を縮小する。13日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会で示す予定だ。
 在職老齢年金制度は、少子高齢化で年金財政が厳しくなる中、一定の収入がある高齢者への年金支給を抑えるために導入された。今は、給与と年金の合計額が60〜64歳は月28万円超、65歳以上は月47万円超の場合、超えた分の半額を厚生年金から差し引くなどしている。高齢者らの就労促進を掲げる安倍政権は、「就労意欲を損ねている」として見直しに着手した。
( → 働く高齢者の年金減額基準「月収50万円台前半」で調整:朝日新聞

 朝日の記事を読む限りでは、金持ち老人の話だけに思える。「へえ、そう」と思うだけで、「自分には関係ないや」というふうに読み捨てられそうだ。しかし、違う。
 老人の就労意欲を増やすために、年金の減額の幅を減らすことで収入を増やす……という趣旨だが、問題は、その財源だ。財源はどこから出るか? 財務省が出してくれるか? まさか。金持ち老人に多額の年金を払うようにするなら、その分、金持ち老人以外から金を取るしかない。つまり、99%の老人から「年金減額」という形で金をむしり取るしかない。

 この件は、国会で野党議員が追及した。
 「約1%の高所得者の年金を増やすために、残り99%の人の年金を減らすのか」と追及し、見直しを断念するよう求めた。

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( → 東京新聞:在職老齢年金 見直し批判 「高所得者1%の年金増やし、99%の人は減らすのか」:政治(TOKYO Web)

 かくて「格差の是正」とは逆の「格差の拡大」という形で、「金持ち優遇/他は冷遇」という方針が推進されるわけだ。

 あなたの年金も減額される。



 [ 付記 ]
 「じゃ、どうすればいいの?」
 という質問には、こう答える。
 「ある額を超えたらいきなり半額カット、というふうにするのではなく、段階的に変化させればいい」
 現状では、
 65歳以上は月47万円超の場合、超えた分の半額を厚生年金から差し引く

 とのことだが、次のようにするといい。
  ・ 月30万円超の場合、超えた分の1割を厚生年金から差し引く
  ・ 月40万円超の場合、超えた分の2割を厚生年金から差し引く
  ・ 月50万円超の場合、超えた分の4割を厚生年金から差し引く


 このようにすれば、「ある額を超えたらいきなり半額カット」という極端な変動はないから、受け入れやすい。つまり、就労意欲を増やす効果がある。また、無収入の年金受給者の年金給付額を減らすという弊害が生じない。
 こういう案なら、大多数の老人が受け入れられるだろう。
 困ったときの Openブログ。

posted by 管理人 at 22:58| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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