五輪のマラソンを東京から札幌に移したことに、批判が多い。ならば、真っ昼間にやることで、不満を減らせる。
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五輪のマラソンを東京から札幌に移したことに、批判が多い。たとえば、陸連の幹部が批判している。
→ 札幌開催に陸連強い怒り「死ぬまで心から消えない」 - 五輪・一般ニュース : 日刊スポーツ
日本代表に選ばれた選手も、批判している。
→ 服部勇馬、マラソン「東京で開催して」本音隠さず : 日刊スポーツ
→ 鈴木「新国立に戻るの楽しみだった」=女子マラソン代表
海外の選手も、批判している。
→ マラソン・競歩の札幌変更案、海外から不満も=2、3年前に決めるべき
→ 札幌移転へ怒りのツイート36本 世界陸上銅の競歩選手:朝日新聞
多くの人々が批判している。だが、その本音が記されていない。本音とは、こうだ。
「自分たちは、気温が高温のときに強いタイプだ。タイムは遅くても、高温に強いので、東京マラソンならばメダルの可能性が高まった。一方、札幌でやると、気温が低めになる。そうなると、気温が低いときに高速で走る選手が有力となる。タイムが遅い自分たちは、メダルの可能性がなくなって、損をする」
ま、それはごもっとも。先の選考会で選ばれた人々も、「冬ではタイムが遅いが、高温には強い」というタイプが選ばれた。一方、「冬にはタイムが速い」というタイプの日本記録保持者(大迫)は、3位となっていた。
というわけで、関係者が不平たらたらとなるのはわかる。
しかし、だからといって、気温が高温になる東京マラソンも好ましくはない。早朝開催ならば、カタールの事例のような最悪の事態は防げるだろうが、それでも、あまり好ましくないことは事実だ。
というわけで、二つの立場が対立する。
・ 札幌移転は、自分たちに不利だ。
・ 東京開催は、健康被害をもたらす危険がある。
二つが対立して、解決ができない。困った。
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「札幌開催にするという原則は維持するが、開催の時刻を真っ昼間にする。これならば、気温がかなり高めになるので、高温の選手が有利になるという最初の方針を、かなり維持できる」
具体例で言うと、たとえば、こうだ。
「午後1時スタートで、中間地点が午後2時10分頃で、ゴールは午後3時20分頃」
これなら、かなり高い気温が見込める。
ちなみに、今年の札幌の気温はこうだ。
→ 札幌の過去の天気 2019年8月 - goo天気
最高気温を見よう。
8月1日から8月7日まで、30〜34℃ の最高気温が続いている。
8月8日になると、一転して 25℃ に下がっているが、これは、雨が降ったからだ。
つまり、雨さえ降らなければ、この時期は 30〜34℃ の最高気温が見込めるわけだ。
だったら、上のように「午後1時スタート」というふうにすれば、「高温に有利」という人でも不満にはならないだろう。
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ただし、疑問に思う人もいそうだ。
「 30〜34℃ の最高気温だったら、東京とさして変わらないだろ。いや、むしろ東京の早朝マラソンよりも気温が高いぐらいだ。だったら、わざわざ札幌に移転する意味がない」
まあ、それもそうだ。30〜34℃ の最高気温は、たしかに高すぎる。最高気温はせいぜい 28℃ ぐらいが好ましい。
とすれば、午前9時ごろのスタートが妥当だろうか。このくらいの時間だと、沿道の人々が見守るのにも好都合な時間帯となる。だから、「人のほとんどいない早朝に競技をする」という東京開催よりは、ずっと好都合になる。日本のテレビ局にとっても都合がいい。
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ま、私としては、午前9時スタートを推奨するが、陸連などの関係者の不満が強いようであれば、(午後1時スタートはともかく)午前11時スタートなどにして、気温を高めにする方向で妥協を図ることができそうだ。
というわけで、本項では、「陸連関係者の不満をなだめるため」という方策を提示した。
[ 付記 ]
「札幌開催ならば、湿度が低いだろ」
という意見が出そうだ。私もそう思ったので、調べてみたのだが、札幌と東京で湿度の差はないようだ。
→ 札幌の気象:全国主要都市との比較(気温・湿度)
平均値では、8月の湿度は、札幌で 75%、東京で 73%だ。ほとんど差がないし、むしろ東京の方が湿度が高い。
梅雨のころならば、北海道の方がずっと湿度は低いのだが、夏になると、北海道と東京では湿度の差がないようだ。(気温の差だけがある。)
【 関連項目 】
次の意見がありそうだ。
「オリンピックの開催時期をずらすべきだ。7月24日〜8月09日では、気温が高すぎる。8月20日ごろに終了となるように、10日間ぐらい、日付を遅らせるべきだ」
この意見に対しては、次の批判が来そうだ。
「8月10日〜8月20日ごろは、台風が多く来るのでまずい。五輪と台風がかち合わないようにするには、8月09日に終わらせる方がいい」
この批判は、いかにももっともらしいが、正しくない。実は、台風が来るのは、8月21日以降である。8月10日〜8月20日ごろは、台風がむしろ少ないのである。このことは、気象の統計を見るとわかる。次項で説明しておいた。
→ 台風の上陸日(一覧): Open ブログ
2019年11月06日
過去ログ
8月の北海道の気温は、そのときになってみないとわからないのが実情だ。
8月の北海道は、雨降らなくても、30度を超えないときもある。通常の北海道なら、立秋を過ぎると、気温が低くなる。まれに、30度を超えるときもある。
札幌の8月上旬の最高気温の平年値は、27度となっている。
例:去年の8月6日などで、天気は晴れ。しかし、最高気温は27度だった。つまり平年並み。