2019年10月31日

◆ 首里城の火災

 首里城の火災があった。これを「安全」の視点から考える。

 ──

 火災そのものは大きく報道されたとおり。
  ・ 人々はショックを受け、悲嘆している。
  ・ 沖縄県知事は「何年かかっても必ず再建する」と言っている。
  ・ 漆を塗った木材は、鎮火しにくいので、大規模延焼になった。
  ・ 現場では火を用いる作業なかった。


 原因は、現時点では不明だ。翌日(11月01日)から現場検証が始まるので、それで原因も判明しそうだ。
 なお、キャンドル・イベントでたくさんの明かりが用意されていたが、これらはロウソクを使わずに LED を使うので、火は関係ない。また、そもそもイベントは週末になってからなされるので、現時点では何も運ばれていないそうだ。
  → ツイッター

 ──

 今の段階で何かを言っても憶測にしかならないが、私のヤマカンで言うと、「漏電が怪しい」という感じだ。
 現場には火災報知器が用意されていたそうだから、火災報知器のための AC 電源があったはずだが、だったらそこから漏電があったとしてもおかしくない。
 「火災報知の装置のせいで火災になった」としたら、冗談みたいだが、笑えない。

 ──

 対策としては、どうするべきだったか? 
 「火災報知器に連動して自動作動するスプリンクラー」というものを提案する人もいる。実際、身障者の施設では、これが義務づけられている。それを適用すればよかった、というわけだ。

 私としては、「現場には AC 電流を通さない。通すとしたら、 12ボルトの直流電流だけにする」という案を出したい。このくらいの低圧ならば、漏電があっても火災にはなるまい。

 あと、漆の使用は禁止した方が良かったね。漆にそっくりな難燃塗料(鉱物性の顔料)を使えばよかった。鉛の顔料(鉛丹)には、首里城の朱色に似た色を出せるものがある。(鉛の害が問題となるかもしれないが。)
  → 鉛丹 - Google 検索

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 なお、今回炎上したのは、1992年に再建されたものだから、もともとがレプリカみたいなものだ。(元祖の建物はもっと前に消失している。)
 心配なのは、本物の建物だ。たとえば、法隆寺。こちらが炎上・消失したら、それこそ、かけがえのない損失だ。こちらは大丈夫なのだろうか?
 「火災報知器があるから安全さ」
 なんて思っているのかもしれないが、今回の例だと、「火災報知器があるせいでかえって危険性が増した」という可能性もあるのだ。

 火災のセンサーは、近年では、低電圧のハイテクタイプの火災報知器もあるはずだ。そういうものを使うべきだろう。
 法隆寺みたいな建物では、1980年ごろの火災報知器を使っているかもしれない。そんなことだと、ヤバいぞ。
 今回の首里城焼失を機に、全国各地の重要文化財の安全対策をチェックした方がいいだろう。他山の石。他山の火。










posted by 管理人 at 23:31 | Comment(11) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 記事「首里城火災 耐火性収蔵庫内の1100点は焼失免れる」
 → https://mainichi.jp/articles/20191102/k00/00m/040/534000c


 財団が保有する収蔵品1510点のうち、400点以上が焼失した
 → https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000168301.html
Posted by 管理人 at 2019年11月03日 11:59
 分電盤のショートが原因らしい。
  → https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191103/k10012163121000.html

 おおむね、私の予想は当たったと言えそうだ。

Posted by 管理人 at 2019年11月04日 08:37
 原因が判明した。以下、転載。

 ──

 首里城(那覇市)の火災で、全焼した正殿内の電気配線に複数のショート痕があることが、捜査関係者への取材でわかった。沖縄県警と那覇市消防局は、電気系統のトラブルで正殿北東部付近から出火したとみて調べている。市消防局は6日、出火原因について「電気系統が有力」と発表した。
 正殿のブレーカーは毎日午後9時半に自動的に落ちる仕組みになっていて、30日も通常通り落ちていた。電気が通っていたのは防犯カメラや火災報知センサーなどだけだった。
 https://www.asahi.com/articles/ASMC67GYBMC6TIPE04S.html

 ──

 本項の予想が完全的中したと言えそうだ。
 なお、本文中の語句を再掲すると、下記の通り。

 ──

 現場には火災報知器が用意されていたそうだから、火災報知器のための AC 電源があったはずだが、だったらそこから漏電があったとしてもおかしくない。
 「火災報知の装置のせいで火災になった」としたら、冗談みたいだが、笑えない。
Posted by 管理人 at 2019年11月07日 09:07
 県が(イベントのために)臨時に設置した配線から漏電したらしい。
  → https://togetter.com/li/1428065

 こうなると、沖縄県が放火したのも同然だな。
 沖縄県は、被害者でもあるが、放火犯でもある。マッチポンプ。自分で放火しておいて、国に「金を出してくれ」だってさ。
 首里城再建は諦めるべきだね。どうせまた自分で放火する。
Posted by 管理人 at 2019年11月10日 07:44
>>こうなると、沖縄県が放火したのも同然だな。

「放火」と「失火」は全く異なる次元の話なので、ちゃんと使い分けてください。
単なる誹謗中傷でしかありません。
Posted by 細波 at 2019年11月10日 10:27
 わざと危険な電気配線を貴重な文化財に敷設して、しかもその安全管理は何もしないで火が発火するようなシステムを設置したのだから、必然的に火災になった。
 「必然的に火災にするシステムを設置した」という意味で「放火も同然」と言っている。

 あなたは例によって、日本語をまったく理解できていない。比喩的表現というものを理解できないんだね。だから、小学生を相手にするように、懇切ていねいに解説しないとわからない。
 もうちょっと、思考能力を磨いてください。あなたは本サイトの文章を読むだけの知能がない。本サイトに来るべきではない。小学校か中学校に行くべきです。そこで国語の勉強をしましょう。

 p.s.
 だいたい、これを誹謗中傷だと見なすのなら、沖縄県は何も間違っていないことになる。だったら、首里城を再建したあとで、また同じことをやって、また必然的に消失させることになる。
 あなた自身が首里城の再度の火災全焼を推進していることになる。
Posted by 管理人 at 2019年11月10日 11:11
 先にリンクした
  → https://togetter.com/li/1428065
 によると、屋内配線を普通のコードで敷設して、まともな工事にしていなかった(そのまま数カ月も敷きっぱなし)ということなのだから、臨時の電気工事でな吐く、長期の電気工事だったことになる。
 それをずさんな工事でやっていたのだから、プロの電気工事士に頼まず、素人がやっていたことになる。
 とすれば、これは法律違反だね。法律医派の電気工事をして、それに公金を支出していたのだから、れっきとした違法行為だ。
 火災は故意ではないにせよ、犯罪同然だと言える。違法行為は意図的なものだったのだから、非常に悪質であるか、極端に馬鹿すぎるか、どちらかだろう。プロとしてはありえないほどの馬鹿がやったのだとしたら、そんな連中に任せた県がどうかしている。「気違いに刃物」と同然で、「無知蒙昧に電気配線」を任せたわけだ。その責任は甚大だと言える。
 県知事は腹を切ってお詫びするべきレベルだな。

 p.s.
 ついでだが、これは政治的な意図で言っているわけではない。「安全を非常に重視する」というのは、本サイトのポリシーだ。何事であれ、安全性をないがしろする人に対しては、容赦がない。
Posted by 管理人 at 2019年11月10日 12:47
>> 「必然的に火災にするシステムを設置した」という意味で「放火も同然」と言っている。

それは「失火」です。放火は「故意に火をつけてやろう」ということを実証できない限り成立しません。比喩にもなっていない。
Posted by 細波 at 2019年11月10日 12:50
 「放火も同然」というのは、「放火ではない」ということを前提とした表現です。「放火である」と混同してはいけません。
Posted by 管理人 at 2019年11月10日 13:29
「放火」と「同然」というからには「故意」であることを示さなければなりません。

「故意」と「過失」の間には越えられない壁があります。

どう‐ぜん【同然】 の解説
[名・形動]同じであること。また、そのさま。同様。「死んだも同然だ」「袋の鼠同然の犯人」「夫婦同然の関係」
Posted by 細波 at 2019年11月10日 19:52
> どう‐ぜん【同然】 の解説

 「死んだも同然だ」という言葉を見たら、「その人はまだ生きている」と解釈するのが普通だが、あなただけは「もう死んでいる」と解釈するんだね。
 やっぱり、小学校の国語を勉強した方がいいですよ。
Posted by 管理人 at 2019年11月10日 22:22
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