2019年10月19日

◆ 避難所で問題が続出

 台風 19号のあとで、避難所ではさまざま問題が続出しているそうだ。

 ──

 (1) トイレ

 武蔵小杉では「タワマンでトイレが使えなくなった」ということが大きな話題となった。高所得層が困っているのを見て喜んでいる貧民もいるようだ。
 一方、それとは別に、避難所でもトイレの問題が起こっているそうだ。理由は、断水した地域では、水が使えないことだ。
 千葉では台風 15号のあと、停電で断水した地域が多かった。ここでは断水にともなって、トイレも使えなくなっていた。
 自宅の風呂に汲んだ水を使えた人は、まだ幸いだった。避難所でトイレが使えなくなって困った人も多いようだ。
 そこで千葉では(台風 15号のあとで)避難所にトイレカーも出動したそうだ。
 
 (2) 断水

 断水は、水洗トイレを使えなくするが、今回の台風では、水洗トイレのない汲み取り式のトイレを使う地域もあったそうだ。(田舎では。)
 それでも、断水が起これば、水不足という問題も生じる。この問題も、今回の台風で発生した。しかもこれは、停電とは別の理由で発生した。
 台風19号の影響で各地で断水が起きている。永野川や巴波(うずま)川が氾濫(はんらん)した栃木県栃木市では、浄水場に濁流が流れ込んだ影響などで、14日午後4時現在、約1千戸が断水している。生活する上で欠かせない水がない事態は、住民に大きな打撃だ。
( → 台風が各地で引き起こした断水 想定外の濁流が浄水場へ [台風19号]:朝日新聞

 (3) ホームレスとシャワー
 避難所に入ろうとしたホームレスが「臭い」という理由で断られたらしい。(名目は「住所が区外だから」ということらしいが。)
 ここで、「臭い」という理由に対しては、「シャワーで洗えばいい。避難所にシャワーを設置せよ」という声も出た。また、「今回はシャワーがないので、水とタオルで洗えばいい。あるいは、雨という天然シャワーを使えばいい」という声も出た。
 ま、台風が来た当日は、あまり気温も低くなっていなかったので、それも「あり」かもしれない。

 このような提案に対して、「シャワー? 駄目だよ。断水だと使えないだろ。そんなものは不要だ」という反発の声もあった。
 しかし、これは理屈がおかしい。「断水だと使えないから、シャワーは不要だ」ということになったら、トイレも同様になる。「断水だと使えないから、トイレは不要だ」というふうになったら、どうする? トイレなしの避難所でいいのか? まさか。
 というわけで、避難所には、シャワーを設置することが好ましい。今回、いろいろと不足がわかったが、特にシャワーについては、避難所に必須のものだとわかった。今後は是非とも設置するべきだろう。ホームレスが使うだけでなく、一般の住民にとっても役立つからだ。(温水シャワーは、風呂のかわりになる。)
 
 (4) 水なしの歯磨き

 断水していると、水がないので、歯磨きができない。これは困る。では、どうしたらいい? いつものように「困ったときの Openブログ」で、何とかなるのか? 
 この件は、私の案ではなく、他の人の案がある。
 「水がない避難所での歯磨きどうすれば 耳もむのも効果が」
 という記事がある。それを紹介しよう。
 「耳の下やあごの下を手でもみ、唾液(だえき)を出しやすくする」ことも効果的だ。唾液は口の中をきれいに保つ働きがあるからだ。「よくかんで食べる」だけでも唾液が出てよいのだという。
( → 朝日新聞

 なるほど。水がなければ、唾液で歯磨きができるわけだ。

 (5) 食事

 避難所では、食事の問題も重要だ。通常、非常食が出るようだ。(出ないこともある。)
 「非常食でもないよりはマシだ」
 と思ったが、それは貧しい日本だけの事情であるようだ。欧州では、非常食というような非人間的なものではなく、平常時にホームレスが支給してもらうような食事(人間的な食事)が出るようだ。


 リンク先には、こうある。
 避難所での食事ですが、欧米では避難所で食事を作ることが必須となっています。なぜなら食事は調理してすぐに食べるのが安全で暖かく美味しいからです(図6)。
 日本では避難所はもともと7日以内の設置しか考慮されていないため、栄養学的に飢餓にならないためには炭水化物だけあれば良いと考えられているようです。ですから避難所の食事といえばパンとおにぎりになってしまうのです(図6)。
 一方、欧米の避難所では食事の重要性は単に栄養摂取というだけでなく心理的な効果も考慮されています。被災して疲れ切った人たちが暖かい、おいしい食事を食べればきっとホッとして励まされるでしょう。逆に冷たい、味気ない食事を毎日提供されたらきっと惨めな気持ちになるでしょう。欧米は徹底的に人間中心、ヒューマニズムのある避難所運営をしています。
 日本の避難所は管理中心の運営をしていると思わざるを得ない場面があります。食事についても食中毒が怖いので炊き出しを禁止する、外で作った食事は避難所内に持ち込ませない、流通上の都合で同じ種類のパンやおにぎりを3ヶ月毎日提供し続けるなど多々あります。

( → 消防「避難所のあり方、海外との比較」

 なるほど。欧米については「さすが」という感じだ。一方、日本は……家畜扱いですかね。
     *      * 
 これに関連するが、次の誤報(もしくはデマ)がある。「野党の女性議員(森ゆうこ)が、避難所ではワインを提供しろと要求した」という話。
 そんなことはとてもありそうもないんだが、野党たたきに熱中している人だと、「しめしめ。敵失を見つけたぞ」という気になって、勝手に事実を歪曲してしまうらしい。フジテレビの人が、堂々とフェイク・ニュースを垂れ流している。
  → 避難所でワインを出せ? 国民を災害からどう守るか議論しない国会に幻滅した - FNN.jp
 では、真相は? 下記だ。



 要するに、「イタリアの避難所では、とても豪華な食事が出ることもある」というふうに述べて、日本の避難所の貧弱な食事を批判しているわけだ。
 まあ、たしかに、炭水化物だけあって、タンパク質も野菜もないような食事は、健康によくないことは確かだ。1日だけならともかく、1週間もこんな食事が続くと、健康を害しかねない。

 (6) 食事の自給

 いくら望んだところで、食事の改善は、当面は望み薄だ。自民党政権が続く限りは、弱者が優遇されることはない、と思った方がいい。
 となると、あとは自衛するしかない。その方法は、「食糧を自給すること」だ。
 避難所に行くときは、避難所になんか期待しないで、自分で食事を用意しておこう。炭水化物はいらないが、それ以外のおかずは用意するべきだ。缶詰とか、レトルト食品とか。缶詰は、魚のほかに、フルーツの缶詰もあるといい。
 また、その日の分だけなら、お弁当にしてもいい。夏でなければ、半日ぐらいは日持ちがするから、自作のお弁当がいい。みんながまずそうなものを食べているなかで、自分だけはおいしいお弁当を食べると、リッチな気分になるね。食後には、白桃のフルーツ缶詰でも。あと、高級チョコレートのようなお菓子も。これで精神にゆとりが出る。
  → 『高え菓子を買うんだよ。高級感あふれる菓子を買って防災食のなかに含めておくと、メンタルが違う。』

 ※ ただし上の引用文によると、「外で作った食事は避難所内に持ち込ませない」というところもあるようだ。あらかじめ電話で問い合わせて、大丈夫である避難所を選ぶといいかも。
 ※ この件についてははっきりとは言えない。調査不足。情報不足。ただし、ざっとググった限りでは、持ち込み禁止の対象は、「ペット」だけであるのが普通だ。「飲酒禁止」が追加されていることもある。「手作り食料の持ち込み禁止」を記している事例は見つからなかった。

 (7) 停電した冷蔵庫

 停電した冷蔵庫の食料は、「捨ててしまう」という人が多い。また、マスコミも、「腐った食べ物を食べると危険なので、安全のために捨てましょう」なんて広報していることもある。
 しかし、生ものはともかく、加熱調理したものなら、いくらかは日持ちする。だから、出すが使えるのなら、停電した直後に、冷蔵庫の生ものを加熱調理すればいいのだ。このことは、前に述べたとおり。
  → 台風 15号で対応の不備: Open ブログ

 これは私の提案だが、もっと詳しい話が朝日新聞の記事にあった。
  → 塩漬け、みそ漬け…冷蔵庫ない時代の知恵 停電時に活用 [台風19号]:朝日新聞
 全文が無料で読めるが、要点を示すと、
  ・ 塩漬けならば、塩分 20%で漬けてから、塩抜きする。
  ・ 肉の味噌漬けもいい。(魚は水分が多いので適さず)
  ・ 野菜は干すといい。

 ごもっともだ。
 ただし、私の見解を付け足すと、こうだ。
 「肉の味噌漬けは、表面を味噌で覆うことで、腐敗を防げる。肉が見えてはいけない。空気に触れるから。あと、食べるときには、表面の味噌を払いのける」
 「野菜は、塩を付けて、漬物にするのがいい。多めの塩分で漬けたあとで、食べる1日前に塩抜きして、塩分を減らす。……この方法なら、野菜は1週間ぐらいは持つ」(気温が低ければ)

 (8) 毛布

 避難所では毛布が圧倒的に足りなくて、寒さで震えている人が多いそうだ。東日本大震災のあとでも、私は毛布不足を心配していたが、それが現実になっている。(ただし真冬でないのが、不幸中の幸いだ。)
 下記報道では、いずれも「毛布不足」を伝えている。
  → 避難所の救援物資、必要なものは 毛布や消毒液など不足:朝日新聞デジタル
  → 検証・災害列島:/1 変わらぬ避難所環境 段ボール敷き雑魚寝/職員数足りず - 毎日新聞
  → 台風19号の被災地に届ける支援物資を集めます! ママの夢を応援!
  → くじゅうくり安全・安心メール
  → 避難所を訪問調査…要望を市につなぐ
  → 災害時の避難所指定の学校、半数が利用計画を策定せず…7割でトイレ不備・不具合
 そこで、「これから来る人は自分で毛布を持参してください」とも記してある。なるほど。その手があったか。
 食料に限らず、毛布さえも、自分で持参するのがいいようだ。となると、避難所に入る時期は、雨のまだ降っていないころで、早めに行く必要があるのだろう。
 また、よく考えると、他にもいろいろと持参するとよさそうだ。スマホ用の電源とか、読書用の本とか、枕や歯磨きとか。あと、厚着用の服とか、着替えの下着とか。(避難所にいるのは1日とは限らない。下手をすると1週間だ。)

 (9) 満員

 避難所が満員になって、避難所に入れない、ということもあるそうだ。
  → 「実際に避難してわかったこと」を経験者がイラスト化 “避難所が定員オーバーするかも”などの教訓が参考になる - ねとらぼ
  → 台風19号、避難所の「誤算」相次ぐ 浸水・満員・寒さ  :日本経済新聞
  → 「避難所が足りない」「そもそも避難しない」問題。自助・共助の備えは大丈夫? ? アゴラ
  → 「もう祈るしかない」再び千葉襲う台風、満員の避難所も [台風19号]:朝日新聞
 東京都江戸川区は、荒川が氾濫する恐れがあるとして、12日午前に約43万人を対象に避難勧告を出した。区内105カ所の避難所や自主避難受け入れ施設に、ピークの午後9時時点で計約3万5千人が避難した。
 区立松江小には最も多い時は1500人が避難した。受け入れ可能は千人。体育館のほか教室、廊下まで住民らでいっぱいに。校内に備蓄した毛布は800枚で、1枚を3人で使ってもらうなどしてしのいだ。 
( → 水害、大都市リスクあらわ 下水管を逆流、タワマン浸水 台風19号、上陸1週間:朝日新聞

 下町の区域では「避難者が多すぎて、収容できなくなるようなら、域外の避難所へ、広域避難してもらう」という案もあったようだ。ただし今回は、それほどひどくはならないだろう、という見込みで、それは発動しなかったという。(上記記事)
 しかし、たとえ広域避難しても、他の区の避難所では「区民以外はお断り」というふうに断られてしまうこともあるようだ。(例のホームレスお断りのときに報じられた。)
 他の区や市に、事前に(根回しして)頼んでおかないと、広域避難は機能しそうにない。どうなんでしょうね。
 
posted by 管理人 at 23:11| Comment(0) |  地震・自然災害2 | 更新情報をチェックする
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