→ 荒川と江戸川の水害対策: Open ブログ
該当箇所を、下記に転載しておきます。
地下神殿について、補足しておこう。
実は、地下神殿は、「効果が少ない」どころか、「逆効果がある」とすら言える。(ない方がマシだ、ということ。)
なるほど、春日部市のあたりの領域は、地下神殿があることで浸水を免れた。しかし、そこから排出された水量( 1000万立法メートル)は、江戸川に流れ込んだのである。とすれば、その分、江戸川が氾濫する危険は高まったのだ!
地下神殿は、その領域の水害を防ぐことはできる。だが、その分、危険性を江戸川のある下町地域に押しつけているだけなのである。その下町地域はと言えば、危険度が最悪だ。別項 で紹介したように、リンク先のページで、次の図がある。

江戸川区をこれほど危険にさらしている理由の一つは、地下神殿である。地下神殿があるせいで、下町は氾濫や決壊の危険にさらされているのだ。
こんなものを歓迎するのは、まるで、自分を殺す殺人者に感謝するようなものだ。「殺人者さん、私を救ってくれてありがとう」と。
いかにも呆れた話だが、そういうふうに狂気的なことを言う人もいる。下記だ。
→ 江戸川区を守った「地下神殿」と「調整池・彩湖」 : J-CAST
春日部市民はいざ知らず、東京都民にとっては、地下神殿なんてものはない方がいいのだ。地下神殿がなければ、春日部市のあたりは水浸しになるだろうが、その分、東京の大部分が水没するという大被害に襲われずに済む。
本来ならば、春日部市のあたりを遊水地のかわりにして、東京が救われるはずだった。ところが、地下神殿のおかげで、そうできなくなった。地下神殿は、春日部市を救い、東京都を水没させるためにある。そのために、今回も東京に向けて、1000万立方メートルもの水を余計に送り込んだのである。
( ※ そのあと東京都民は、「地下神殿さん、東京を水没させようとしてくれて、ありがとう」とお礼を言うのだ。)
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なお、江戸川が氾濫した場合の被害については、江戸川区が広報している。
→ 江戸川・中川・綾瀬川・坂川洪水氾濫シミュレーション
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今回の台風のときの地下神殿の効果については、下記で報道されている。
→ 「地下神殿」首都圏外郭放水路、氾濫防ぐ - 産経
ここで示されているように、(荒川と江戸川に挟まれた)中小河川の水量を、江戸川に送り込んでいる。荒川の水を江戸川に送り込んでいるわけではない。
この地域(春日部周辺)は、おかげで浸水を免れたが、その分、江戸川の水位は上昇して、危険度は高まったのだ。
江戸川区が氾濫しないで済んだのは、東京東部の降水量が少なかったからであるにすぎない。(上述の通り。)