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本項は読む必要がありません。かわりに、次の項目をお読みください。
→ 多摩川の水害対策
( ※ 本項では「多摩川に遊水地を作るなら」という仮定の上で話をしていますが、その仮定自体が成立しないからです。理由は上記項目で説明しています。)
鶴見川では、大きな遊水地があるので、史上最大級の今回の豪雨にも十分に耐えることができた。もともと狩野川台風の2倍の雨量に耐えられるように設計されていたので、設計通りとも言える。
一方、多摩川では、遊水地がまったくないので、氾濫した。ならば、多摩川にも遊水地を作るべきだろう。では、どこに?
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このあたりを Google マップで表示してから「遊水地」で検索すると、表示されるものはまったくなく、神奈川における遊水地ばかりがいくつも表示される。東京は遊水地がまったくないようだ。
とりあえず、 Google マップの衛星写真で適地を探してみたが、さすがに東京都だけあって、どこもかも開発されていて、田畑なんかはどこにもない。
かろうじてあるのは、ゴルフ場だ。
では、このゴルフ場を遊水地にすればいいかというと、そうは行かない。平面的にはここでいいのだが、立体的にはここは丘陵なので、ここを掘り下げて、遊水地にするには、莫大な土木工事費がかかる。時間もすごくかかる。(他の例と比べても、掘るだけで 10年ぐらいかかりそうだ。)……ま、実現性はほとんどない。
しかしそのすぐ北側に、面白いものがある。
右下にあるのは、競艇場(ボートレース多摩川)。
左上にあるのは、東京競馬場。
この二つを掘り下げれば、遊水地にすることができるだろう。通常のように、田畑を使うのに比べると、かなりコストアップになるが、実現性という点では、ここに勝るところは他にあるまい。
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工事はどうするか?
競艇場の方は、多摩川に近いので、道路の下に暗渠を作るだけで足りそうだ。工事費はかなり小額で済む。貯水池も、もともと競艇場となっていて窪んでいるので、それをうまく利用できる。一石二鳥ふうだ。
競馬場の方は、多摩川からちょっと通り。ただしこちらはこ都合なことに、そばを南武線が走っている。その下に暗渠を作ることで、競馬場への導水路とすることができるだろう。(部分敵には深い地下トンネルを作ってもいい。地下トンネルを通じて、水を流し込むことができる。)
あとは、普通に競馬場の場所を掘り下げれば、遊水地とすることができるだろう。まわりに堤防を作れば、比較的低コストで大容量とすることもできそうだ。
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上記以外の場所では、次の場所も候補となる。
ざっと見たところ、民間のミニ・ゴルフ場であるようだ。ここも使ってもよさそうだ。ただ、規模は先の競艇場と同じぐらいなので、十分ではない。また、民間の所有だと、コスト的にかなり多額の金がかかるかもしれない。東京都の既存施設をつぶすのとはわけが違う。そこがちょっと難点だ。
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ともあれ、上記のようにすれば、多摩川にも遊水地ができる。このあと何度も氾濫の被害が起こりそうだから、今のうちに遊水地を作っておくといいだろう。新横浜の遊水地みたいに。