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いくつかのことが話題になっているので、個別に取り上げよう。
(1) 停電ではブレーカーを切る
停電のあとで電気が復旧すると、そのときに過大な電流が流れるとか、他の接続線から異常電流が流れるとかで、機械が壊れることがあるそうだ。パソコンのモデムが壊れたり、パソコン本体が壊れたり、いろいろと被害の実例が挙がっている。
対策は簡単だ。停電になったら、ブレーカーを切る。その後、復旧を確認したら、ブレーカーを入れて通電する。これなら大丈夫。
→ 『コンセント抜いておくだけで防げた事件だった』停電や落雷が起きる前に精密機器の電源を抜いておいた方がいい「台風後モデムの交換の電話めっちゃ来ます」 - Togetter
この記事では、「個別にコンセントを抜く」という対策を示しているが、そんな面倒なことをしなくてもいい。ブレーカーを切る(落とす)だけでいい。
(2) 地下鉄は水没するか?
台風が来たら地下鉄が水没するかもしれない……という話題がある。
これについては、前に言及した。水道橋のところで丸ノ内線がトンネルから出るが、ここで神田川の水が流れ込んで、地下鉄が水没しそうだ……という話。
→ 地下鉄・御茶ノ水駅の水没: Open ブログ
他に、下町地区では、駅の入口(地上から入る部分)から水が流れ込んで、駅が水没するかも……という話題もある。
→ 東京の地下鉄駅の水没: Open ブログ
けっこう心配なんだが、東京都のサイトを見たら、対策されているらしい。
地下鉄における浸水対策
地下鉄では、駅出入口などからの浸水を防ぐため、止水板や防水扉を設けています。さらに、トンネル内にも防水扉を設け、浸水があっても被害が拡がらないようにしています。
( → 東京都の風水害対策|東京都防災ホームページ )
ちゃんと機能してくれればいいのだが。神田川が台風で大幅に増水したら、トンネルが水没しないか、確認しに行くとよさそうだ。(自分が飛ばされないようにご注意。)
(3) 下町は水没する?
江戸川区が「ここにいてはダメです」という警告ふうの広報をしている。
→ 「ここにいてはダメ」江戸川区の水害ハザードマップが直球すぎて話題…担当者に聞いた - FNN
これのあとで、「江戸川区の側は堤防が少し低くなっているので、都心部を守るために、自分の側が犠牲になっている」というツイートが話題になった。
いざという時は江戸川区に沈んでいただいて、都心を守る設計になってるのえぐいな pic.twitter.com/kaFBRdOjMR
— いわ@弁護士(本物)&スポチャン (@yanweigaoping) October 10, 2019
はてなブックマーク でも話題になったが、否定論もある。
荒川決壊時は都心大手町駅まで水没するのが常識ですが。最初の図見ても江戸川だけ犠牲になるなんて描いてないぞ。
いやいや。これは誤解だ。「荒川決壊時は」というが、ここでは決壊の話をしているのではなく、溢水の話をしている。決壊なら、決壊した側が水没するだろうが、ここでは決壊の話はしていないのだ。お間違えなく。
「江戸川だけが犠牲になる」のは、「両方が犠牲になる」よりはマシなのだから、当然のことだと言えるだろう。
( ※ ただし、実際にそうなっているかどうかは、未確認。)
(4) 対策は遊水地
そもそも、「どっちが水没するべきか」という議論は無意味だ。正しくは「どっちも水没させない」である。
そのためには、上流の側に「遊水地」を作っておけばいい。渡良瀬遊水池みたいなものだ。
新横浜には、日産スタジアムの周辺が遊水地になっていて、いざというときにはここが水没することで、他の領域の水没を防いでいる。こういうふうにするのが正解だ。
→ 新横浜の遊水地: Open ブログ
横浜では知恵が働いているのに、東京の方では知恵が働いていない。お馬鹿さんですね。「ここにいては駄目です」なんて言うよりは、さっさと遊水地を建設するべきだ。
→ 東京の水害対策(荒川・江戸川): Open ブログ
(5) 窓ガラスにテープを貼る
窓ガラスにテープを貼るべきかどうか、ということが話題になった。
「テープを貼るとかえって強度が低下して、割れやすくなる」」
という見解が出た。
それに対してはガラス屋さんが、「テープを貼るのは、割れたあとで飛び散らないようにするためだ」という反論を示した。
→ 台風の被害で考えたガラスのこと。網入りガラスと飛散防止フィルムのお話
そういうわけでかどうかは知らないが、ホームセンターでは(窓ガラスに貼るための)養生テープがどんどん売りきれになっているそうだ。
→ 台風、大規模計画運休 首都圏在来線、午後は全線ストップ 19号、あす上陸へ:朝日新聞
しかし、窓ガラスに1〜2日間貼るだけなら、養生テープなんかを使う必要はない。(布製の)ガムテープで十分だ。これなら、100円ショップや文具店でも豊富に売っているから、品切れにはなりにくいだろう。
あと、100円ショップでは、広い平面型のテープも売っている。素材も多用だ。こういうのを貼ってもいいだろう。(採光は悪くなるが、雨戸を閉めたと思えば、同じことだ。)
なお、以上は、雨戸のない家屋向けの話。雨戸があるなら、雨戸を閉めるだけで十分だ。
> 13時頃から終車まで、茗荷谷駅〜銀座駅間の運転を見合わせます。
とある。神田川の部分に蓋をするせいで、通行止めになるのだろう。茗荷谷のあたりは、地上に出ているので、別の危険もある。
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日比谷線の「北千住駅〜南千住駅間」も運行停止。こちらは地上部が隅田川にかかるせいだろう。たぶん。
https://www.tokyometro.jp/info/203201.html
→ https://togetter.com/li/1415581
しかし、割れるのは、内外の気圧差があるからだ。それなら、窓に隙間を空けて、内外の気圧差をなくせばいい。
「テープを貼った上で、窓に隙間を空けて、内外の気圧差をなくす」
というのが最善だろう。
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もし養生テープがない場合は、窓ガラスにダンボールを当ててからガムテープで貼るとよいでしょう。もちろんガムテープのみでも効果はありますが、紙ガムテープを使うと剥がれにくくなってしまうので注意しましょう。
防犯シートや飛散防止フィルム、養生テープはホームセンターなどで販売されています。
https://weathernews.jp/s/topics/201910/100135/
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段ボールは、外に貼るか、中に貼るか?
外に貼る方が、衝撃吸収効果は出るが、濡れてしまう危険がある。
庇があって、濡れにくければ、外側でもいいが、雨にさらされるなら、室内の方がよさそうだ。
気圧差は、室内の気圧の方が高くて、ガラスが部屋の外側に割れることが多いそうだ。
→ https://togetter.com/li/1415581