2019年10月06日

◆ 太陽光発電に東京都が補助金

 太陽光発電に東京都が補助金を出して、普及に努めるそうだ。これは馬鹿げている。

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 太陽光発電に東京都が補助金を出して、普及に努めるという。
 東京都は、国の固定価格買い取り制度(FIT)による高額買い取りが終わる家庭用の太陽光発電について、独自の支援を始める方針を固めた。期限切れで大手電力による買い取り価格が安くなるのを受けて、来年度から1キロワット時あたり数円を上乗せして買い取る。FIT終了で各世帯が太陽光発電をやめるのを防ぐ狙い。
 さらに、家庭用の太陽光発電による電気を停電時や夜でも使えるようにするため、都は蓄電池の普及にも力を入れる方針だ。自家発電の促進を通して都の防災力の向上につなげる狙いもある。
( → 太陽光発電、都が買い取り額上乗せ 卒FIT後に対応:朝日新聞

 これがバカげていることは、次の2点による。

 (1) 補助金の効果

 補助金の効果がない。補助金を出そうが出すまいが、太陽光発電の発電量はまったく変わらない。
 なぜか? 「FIT終了で各世帯が太陽光発電をやめるのを防ぐ狙い」というが、やめるわけがないでしょうが。単に「何もしない」という形で、「従来通りにする」だけだ。そうすれば、そのまま、各家庭は 8.5円/kWh を得る。一方、発電をやめたら、その金を失う。そんなことをするはずがない。
 東京都の主張は、こうだ。
 「もらえる金が 26円から 8.5円に下がってしまうので、各家庭は太陽光発電をやめて、0円をもらうようになる」
 狂気の論理とはこのことだ。頭がイカレているとしか思えない。正気の沙汰ではないね。
 こんなメチャクチャ論理で、莫大な金をドブに捨てようというのだから、東京都は金の使い方を根本的に間違えている。
( ※ 東京都の方針は、金をドブに捨てるのと同様の効果しかない。正確には、ドブに捨てるのではなくて、発電する家庭に捨てるわけだが、どっちみち、捨てることには違いはない。単に、捨てた金を拾う人がいる、という差があるだけだ。と自身はただの損をするだけだ。)

 なお、どうせなら、新規に設置する太陽光発電に補助金を出す方がいい。それなら「補助金を出したことで太陽光発電の量が増える」という効果が生じる。……ただしこういうことは、東京都という自治体のレベルでやることじゃないね。
 東京都が今すぐやるべきことは、保育所の拡充だ。都知事は、やるべきことを根源的に勘違いしているね。馬鹿知事。

 (2) 蓄電池の普及
 東京都は蓄電池の普及にも補助金を出すつもりだ。記事を再掲すると、
 家庭用の太陽光発電による電気を停電時や夜でも使えるようにするため、都は蓄電池の普及にも力を入れる。

 とある通りだ。しかし、これは馬鹿げている。なぜか? リチウムイオン蓄電池は非常に価格が高いからだ。かといって鉛蓄電池は、操作が面倒だ。
 どうせなら、電気自動車の搭載している電池を使えばいい。これなら、「停電時や夜でも使える」ということが可能となる。だから、どうせ補助金を出すのなら、電気自動車の導入に補助金を出す方が有効だ。
 現時点では、たいていの自治体は電気自動車に補助金を出していない。しかし東京都は電気自動車に補助金を出している。30万円だ。
  → 電気自動車や電動バイク等普及促進事業を拡充|東京都
 
 30万円とは、ずいぶん大盤振る舞いだ。日産リーフの標準車は 40kWh の充電池を搭載しているから、充電可能量1kWh あたり 7500円を払っている計算になる。

 一方、市販のリチウムイオン電池は、馬鹿高い。20万円/kWh ぐらいが相場だから、40kWh の充電池だと、800万円に相当する。そこに 7500円の補助金を出しても無意味だから、実際には 100倍の 75万円ぐらいの補助金を出さないと意味がない。
 要するに、同じように蓄電池に補助金を出すにしても、蓄電池に補助金を出すと、電気自動車に補助金を出すのに比べて、100倍もの多額の金を注入するしかない。あまりにも馬鹿げている。
 いや、荒唐無稽と言ってもいいだろう。なぜなら、リチウムイオン電池を買うような人はほとんどいないからだ。というのも、こんな高額なものを買う人がいないから、売る人もいないのだ。で、実際には何があるかというと、レンタルする人とレンタル品を借りる人がいるだけだ。
  → レンタル | 蓄電池、非常用電源、蓄電システムのデジレコ

 1日に2万円程度の金を払って、レンタル品を借りる。このような事業はある。しかし、それだけだ。
 常識的には、5万円ぐらいの非常用電源(ガソリン式)を買う方がずっとマシである。
 というわけで、「蓄電池の普及に補助金を出す」という東京都の方針は、愚の骨頂であると同時に、荒唐無稽というしかない。狂気の沙汰だ。正真正銘、金をドブに捨てている。(捨てた金を拾う人もいない。金は無駄に消えてしまって、残らないからだ。)



 [ 付記 ]
 蓄電池は、「停電時や夜でも使えるようにする」ということが目的らしい。このうち、停電時というのはまだわかるが、夜というのはまったく意味がない。
 電力需要は昼間に多いのだから、昼間に発電したなら、そのまま(需要の多い)昼間に消費するべきだ。タイムシフトする理由がない。
 夜間の電力なら、火力発電で十分に発電できる。蓄電池の必要性はない。
 「昼間に発電して夜に消費する」というのは、孤立した孤島とか、一つの家庭内での電力の自給自足とかなら、まだわかる。しかし、系統電力に接続した状態では、まったく意味がないのだ。(自給自足をしないからだ。)
 東京都はどうも、論理的・合理的・科学的に思考することができず、文系素人の素朴な感覚だけに基づいて政策を決めているのだろう。まともな判断のできる理系の人に政策を任せるべきだ。さもないと、血税を莫大に浪費するばかりとなる。


posted by 管理人 at 23:03| Comment(1) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 停電時には電気自動車の電源を使うといい……ということは、先の台風被害のときに実現していたそうだ。
 以下、一部抜粋。

 ──

 房総半島の停電を受けて、日産などは独自に被災地に電気自動車などの「電動車」を提供した。また、今回の停電の長期化をめぐって対応が批判された東京電力は、各自動車メーカーに電動車の派遣を要請。9月16日、横浜市内の東電施設に集められた約40台が千葉県の被災地に向かった。電動車の充電が減ると交代し、継続的に投入された。
 蓄電池の残量が減った場合は、充電設備がある場所まで移動して充電、再び供給できる。
 電源として使うには、どうすればいいか。横浜市の日産自動車本社で記者がやってみた。リーフの車体前部にある充電用の差し込み口に、スーツケースほどの大きさの給電器から出ているコネクターをつなぐ。そして、給電器を動かすのに必要な電源を車内の電源ソケットから取る。すると給電器の100ボルト用のコンセントから電気が得られる。難しい調整は必要ない。
  https://www.asahi.com/articles/DA3S14213878.html
Posted by 管理人 at 2019年10月10日 19:35
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