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それは特に目新しい発想ではないが、その方法が問題だ。
「 HLA のタイプが懸け離れている男女ほど相性が良く、似ている男女ほど相性が悪い」
という原理に基づいて、なるべく懸け離れた男女をマッチングさせているという。
相性を判断する根拠にしているのが、免疫をつかさどる「HLA」遺伝子のタイプ。医道メディカル社長の陰山康成氏によると、約1万6千通りあり、タイプが「似ている」異性ほど相性が悪く、「似ていないほど」相性がよい。「自分とかけ離れたタイプの男性が2晩着用したTシャツの匂いを、女性が好ましいと感じた結果をまとめたスイスの論文があります」
( → (シンギュラリティーにっぽん)第2部・見えないルーラー:5 異性との相性、決め手はDNA?:朝日新聞 )
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呆れた。こんな単純な方式では、人種差の大きな組み合わせばかりがやたらと増えるだけだ。日本人にとってベストマッチングは、アフリカ西部の出身者だ、ということになるだろう。次いでアフリカ東部の出身者。次いで欧州人。次いでサモア人などの古モンゴロイド。ついで中国人や韓国人。最後に日本人。……あまりにもバカげている。
仮に、日本人とアフリカ人とが結婚したら、文化や言語の違いゆえに、家庭生活が成立しないことが多いだろう。最悪とも言える。こんなものを薦めるのだから、どうかしている。
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では、どうしてこういう勘違いが起こったか? 次のことによる。
「自分とは異なるタイプの人ほど、性的魅力が感じられる」
つまり、「性的魅力」に関する限りは、自分とは異なるタイプの人ほど「性的魅力がある」と感じられるのだ。このことは経験的に認知されている。
たとえば、学問ばかりしている大学院生なら、近くにいる賢明なメガネ女子よりも、ウェイトレスをしながらダンスをしている肉体派美人の方に、性的魅力を感じる。
ウェイトレスをしながらダンスをしている肉体派美人にしても、そばにいるスケボー大好きな専門学校生のバカ男子よりは、学問ばかりしている知的な大学院生の方に「男としての魅力」を感じやすい。
こうして、異質なもの同士としてのカップルが成立しやすい。
では、それで済むのか? 済まない
このあと実際に付き合うようになると、おたがいの生活環境や人生方針があまりにも食い違うので、破綻しがちだ。
男と女というものは、その相違点ゆえに惹かれあうが、その共通点ゆえに共同生活(共同人生)が成立する。
このような相違点と共通点とのあんばいが、そのカップルを成立させるかどうかを決めるのだ。ここでは、相違点だけでも駄目だし、共通点だけでも駄目だ。両者がうまくあんばいされる必要がある。
にもかかわらず、冒頭のマッチング事業では、相違点だけに着目する。これではあまりにも片手落ちだ。
「こいつは男女の関係というものをまったく理解できていない」
と判定していいだろう。一種の詐欺も同然だが、意図的に客をだましているというよりは、自分がバカすぎて、自分自身がだまされていて、そこに客を巻き込んでいるだけだろう。
バカが DNA 事業をすると、人類にとって有害になる、という見本だね。
[ 付記1 ]
どうせなら、大量の組み合わせをディープラーニングでチェックして、好ましい組み合わせを抽出する、という方が良かったね。……ま、それはちょっと技術的または事業的に大変そうだが。
[ 付記2 ]
ダジャレだが、「 DeNA で婚活」というのもある。(ググればわかる。)
DeNA という名前の会社が、DNA と同じような発音(ディー・エヌ・エー)を取るのだから、困ってしまうよね。どうしてこんなに馬鹿げた名前の会社にしたんだろう。もう、混乱を招くので、ほとんど社会的な公害のレベルだ。
