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京急の踏切事故のあとで、調査が進んでいるはずだが、いまだに原因が解明されない。
私としては、次のように結論した。
「(道路状態も含めて)トラックの側にも問題があるが、列車の側がブレーキを掛けなかったのが最大の理由だ」
→ 《 お知らせ 》(京急線の踏切事故): Open ブログ
→ 京急線の踏切事故: Open ブログ
このことは、列車のドライブレコーダーを見ればすぐに判明するので、一週間もたたずに解明されるだろう……と見込んだ。
ところが、9月5日の事故発生のあと、本日 22日まで 17日間もたっているのに、いまだに解明されずにいる。これは不思議である。謎だ。どうしてだろう?
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私が想像したことは、こうだった。
「運転士がブレーキを掛けなかったことが、すぐに判明した。しかし、それだと鉄道会社の責任だということになって、まずい。JR西の事故と同様で、経営陣に責任が降りかかり、経営陣が一掃される恐れがある。そこで、経営陣が真相を隠蔽しているのだ」
では、そうか?
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そこで、ネットを調べてみたら、下記の通り。
(1) テレ朝のニュース
警察はトラックについて実況見分をしているそうだ。それが 20日朝からのこと。ずいぶん遅れている。しかも、トラックを調べるだけで、列車を調べない。
(2) 神奈川新聞
県警は17日、神奈川署に特別捜査本部(53人体制)を設置した。人員面などで体制を強化し、事故原因の解明を進める。
運転士が点滅を認知し、踏切から600メートル手前の位置でブレーキをかければ、現場での快特電車の速度(時速約120キロ)でも踏切前で停止できる設計といい、特捜本部は電車側のブレーキ操作の状況についても調べている。捜査幹部は「社会的反響が大きい事故。トラックの運転手は亡くなっているが、再発防止に資するためにも、事故原因に迫る多角的な捜査を進めたい」と話す。
( → 特捜本部を設置 体制強化で全容解明へ | 社会 | 神奈川新聞 )
列車についても調べているようだ。
(3) ダイヤモンド
制度的にはブレーキがかかって停止されるはずだった、と下記記事は指摘している。なのに、なぜそうならなかったのかが未解明だ、と指摘する。(私が述べたのと同様。)
→ 京急踏切事故で垣間見える安全対策の問題点、他の私鉄と何が違ったか | ダイヤモンド・オンライン
各社は自動停止システム(装置)を導入しているが、京急だけは導入していない……という話もある。それでも人的に対処する制度があるのだが、今回はその人的な部分が機能しなかった。そこを調査したいのだが、現時点では未解明。
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以上を見ると、次のように言える。
「原因はいまだに不明だが、それは調査が遅れているからである。2週間以上たったのに、解明は遅々として進まない。あまりにも遅すぎる」
ここから、次のように主張しよう。
「原因が未解明なのは、ドライブレコーダーが備わっていなかったからだろう。自動車には備わっているのに、電車には備わっていないようだ。だから、今になっても、ブレーキを掛けたかどうかという記録を得られない。電車はすべてドライブレコーダーを装着せよ」
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なお、現実にはどうかというと、「電車にドライブレコーダーを装着する」という動きは、ようやく始まったばかりで、あまり普及していないそうだ。
→ 運転台カメラ導入広がる 事故分析で早期復旧 - サッと見ニュース - 産経フォト
→ 東京海上日動が貨物鉄道用ドラレコを開発、商品車輸送に活用
ドライブレコーダーというのは、運転台からの動画を撮影するものだが、それとは別に、円形の紙に運転状況をグラフのように記録するという方式もある。下記だ。
→ タコグラフ - Wikipedia
いかにもアナログっぽい仕組みだが、トラックはタクシーではかなり普及している。
電車には、このようなものも付いていないらしい。せめて、電子的に記録したデータを、 wi-fi で飛ばして、駅経由で本部に記録するといいのだが。
安全対策どころか、運行記録の段階でも、とんでもなく技術が遅れている、と判明した。そのことが、今回の事故の解明の遅れからわかったことだ。
※いわゆる『フェールセーフ』的な考え方です。
たぶんお金をケチって、導入しない。