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日経が調査報道をしている。
台風15号の大規模停電に伴う断水は、日本の水道事業が直面している危機を改めて浮き彫りにした。
( → 水道事業のもろさ映す 台風15号の大規模停電で断水 :日本経済新聞 )
という話だが、情報が詳しい。一部抜粋しよう。
全国の水道施設の6割は自家発電装置を備えておらず、停電に無防備な状態だ。人口減などによって各地の事業体の経営は厳しさを増し、災害対策どころか老朽設備の更新さえ滞っている。
千葉県の木更津、君津、富津、袖ケ浦の4市の事業体が4月に合併した「かずさ水道広域連合企業団」では、今回の台風15号によって一時、給水戸数全体の12%に当たる1万7千戸で水道が使えない状態となった。20日午後4時時点でも2002戸が断水している。
原因は水を送るための加圧ポンプが停電で止まったこと。「自家発電装置は大規模な浄水場などにあるだけで、配水の途中にあるポンプ場はカバーできていなかった」と担当者は話す。
2018年9月の北海道地震では44市町村で最大6万8千戸が断水し、揺れによる設備の被害だけでなく停電が原因の地域も広範囲に及んだ。地震を受けて厚生労働省が18年12月にまとめた調査によると、配水に電力を使う全国1万745カ所の施設のうち、6693カ所(62%)が自家発電設備を備えていなかった。
かずさ企業団は19年度に18億円分の企業債を発行し、設備の改修・改良予算を合併前の18年度の合計から3割積み増して44億円とした。だが「老朽化した水道管の改修を優先し、自家発電には予算を振り分けられなかった」(担当者)という。
さらに、「水道管の老朽化」という問題もあるそうだ。詳しくは記事を読んでほしい。
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さて。この問題を解決するには、どうすればいいか?
問題の根源は、「金がない」ことだ。非常用電源でも、水道管の劣化でも、きちんと整備したいのに、金がない。
では、どうする?
実は、金は、ないようでいて、ある。それは、福島の復興費用だ。特に、次の二点。
・ 防潮堤の工事
・ 盛り土の工事
このために、数兆円もの莫大な金が投入されている。それをやめれば、一挙に莫大な金が浮く。
では、その工事をやめたら、困るか? 困らない。防潮堤は、ない方がいいし、盛り土は、やってもそこに住む人がいない。こんな無駄金はさっさとなくせばいいのだ。
そして、かわりに、「高台への移転」を推進すればいい。そのためには、いくらか金がかかるが、防潮堤や盛り土に比べれば、圧倒的に少ない金で済む。すでにある田畑を、住居用に整備し直すだけで済むからだ。ごく小額の金で済む。
そして、それで浮いた金を、他の有用な使途のために投入すればいいのだ。
【 追記 】
費用の出所として、もう一つ、巨大なものがあった。それは、ダム工事である。
ダムは、治水や利水を目的として、巨額の費用が投入される。これをやめてしまえば、莫大な金が浮く。それで非常用電源を購入したり、老朽化した水道管を更新したりできる。
治水は利水はどうなるか?
治水は、そもそもダムには効果がない。上流に降った雨を貯めるだけであって、下流に降った雨を貯めることができないからだ。下流に降った雨のことまで考えるなら、遊水池を設置する方がずっとコスパは高い。(前出「遊水池」)
利水は、そもそも必要ない。現在、水不足になっている地域はない。仮に将来的に水不足になるとしても、その場合は農業用水の取水をやめるだけでいい。それで農作物は大被害が生じるかもしれないが、それは金の問題だから、金で被害補償すれば済む。(人間が水不足で死ぬことはない。)
そもそも、農業で大々的な水不足が起こったことなど、この半世紀でほとんどない。というのも、水田の作付面積がどんどん減少して、農業用水の使用量が減りつつあるからだ。利水の必要はもともとないと言える。
以上の諸点から、ダムはまったく必要ない。その金で、水道事業にはまともな対策をすることができるわけだ。
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ダム工事の例としては、下記がある。
→ 長崎家・石木ダム
→ 群馬県・八ツ場ダム
「長崎と群馬だけか。だったら他の地域の水道には関係ないな」と思うかもしれないが、さにあらず。これらのダムの建設費のほとんどは国は出す。(県が出すのではない。)ゆえに、これは地域の問題ではなく、国全体の問題である。そこで費用を節約できれば、その金は日本全体に回すことができる。ざっと 6000億円ぐらいかな。
タイムスタンプは 下記 ↓
問題は山からやってくる土石流なんですが。
>>利水は、そもそも必要ない。現在、水不足になっている地域はない。仮に将来的に水不足になるとしても、その場合は農業用水の取水をやめるだけでいい。それで農作物は大被害が生じるかもしれないが、それは金の問題だから、金で被害補償すれば済む。
日本の川は慢性的な水不足で、ダムがないと水量を維持できないと書かれています
https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/dam/gaiyou/panf/damu/pdf/damu_b.pdf
今から新規に作ろうというダムは、たいていは不適地にあり、不要なもの。コスパも悪い。
上の資料では過去20年で渇水を経験していない地域はないそうなので、これは間違いですね。
四国は話の例外としておきます。
別に現在の渇水対策でダムを造るわけじゃありませんし。台風が今来ていないから防波堤は作らない、と?