2019年09月19日

◆ 疲労と回復

 疲労と回復はどういう関係にあるか? (仕事で疲れた人向けの話。)

 ──

 疲労と回復の関係については、次の二つの仮説が考えられる。
  ・ 疲労はいっぱい溜めてから、まとめて回復するといい。
  ・ 疲労は溜めずに、なるべく小刻みに回復するといい。


 前者は、次の考え方に基づく。
 「疲労の蓄積は、仕事量に比例する。疲労の回復は、溜まった疲労の量に比例する。ならば、どうせ1割ずつ回復するにしても、たっぷり溜め込んでから回復する方が、同じ1割でも量は大きい。なるべく疲れ気味の状態で仕事をすれば、回復できる量は多くなるから、その方が時間を有意義に使える」

 後者は、次の考え方に基づく。
 「疲労の蓄積は、疲労が進むほど加速度的に増えていく。健康なときには疲労はたいして蓄積しないが、疲れた状態で仕事をすると疲労が急激に増えていく。だからなるべく疲れていない状態で仕事をするべきだ」

 ──

 感覚的には、後者の方針を取りたいのだが、現実的には疲労を取る時間がないので、実際には前者のようにやる(つまり常に疲れた状態で仕事をする)……というふうになる人が多いだろう。

 ただし、私の長年の経験により、前者と後者では仕事量に大差が付くと判明した。もちろん、前者が駄目で、後者が良い。しかも、その差は圧倒的だ。
 つまり、疲れた状態で仕事をすると、よろしくない。能率が上がらなくて、仕事の精度が落ちるだけでなく、疲労の量が加速度的に増えていく。
 疲れていない状態でなら、10の仕事量をしてもたいして疲労が溜まらないのに、疲れている状態だと、10の仕事をすると疲労が非常に溜まる。その溜まった疲労を抜くためには、かなり長い時間が必要となる。これは非常に無駄な時間がかかることになる。

 だから、一番いいのは、疲労をこまめに抜くことだ。特に、1〜2時間ぐらい、超絶に集中的に仕事をして、神経が高ぶって疲労が溜まったときには、直後にきちんと休むといい。雑用などをして神経を休ませるのではなく、目を閉じて眠るといい。(椅子に腰掛けたままでもいいが、ソファなどの方がいい。)こうやって 20分ぐらい眠ることで、極度に緊張した神経が休まる。このことで、そのあとでまた何らかの(簡単な)仕事をすることができるようになる。
 こういうことをして疲労の回復に努めないと、疲労が抜けないまま溜まるので、翌日以降に作業能率が大幅に低下してしまう。そこで休んだりすることもあるが、翌日以降に休んでもあまり効果がない。どうせ休むのならば、非常に疲労した直後に休むのが最善なのだ。

 ──

 結論。

  ・ 疲労を溜めてはいけない。
  ・ 「疲労を溜めてからまとめて休もう」とは思うな。
  ・ 疲労している状態で、さらに疲労を溜めると、疲労が急増する。
  ・ 急増した疲労から回復するには、通常よりも長い時間がかかる。
  ・ 疲労が少し生じたら、こまめに回復せよ。それが最善だ。
  ・ 大きな疲労が生じたら、すぐに眠れ。(昼寝)

 


 [ 付記1 ]
 上のことを理解するのに、「疲労曲線」というものを考えるといい。
 通常は、疲労と仕事量は比例するものだと思われている。つまり、比例関係だ。(一次関数)
 しかし、現実にはそうではない。疲労は、仕事量が増えるにつれて、急激に増加量が増える。(二次関数みたいに)
 つまり、疲労した状態でさらに疲労を加えると、疲労量は急激に増加が増すのだ。
 このことをはっきりと理解しておくといい。なぜなら人は「疲労曲線は比例関係だ」と誤認していることが多いからだ。
 
 [ 付記2 ]
 もう一つ、重要なことがある。
 人が一日に疲労回復できる量は、限られている。仮にその量を 10単位としよう。
 人は、疲労が 10単位になるまでは、仕事をできる。それより少ない量の仕事であれば、疲労が蓄積しても、翌朝までには回復する。
 しかし、疲労が 10単位を越えるほど仕事をするとしよう。たとえば、疲労が 12単位になるほどの仕事をする。すると、10 を越えた 2単位の疲労については、翌日の朝までには回復されず、残ったままとなる。
 すると、翌日は疲労が残った状態で、無理して仕事をすることになる。そうなると、無理が募るので、仕事は能率低下するし、また、疲労の蓄積量も大きくなる。(小排気量の軽自動車で重い荷物を運ぶようなものだ。無理がたたる。)そのせいで、疲労の蓄積はいっそう多くなる。
 これを避けるには、疲労が 12 になるような仕事をした翌日は、8の仕事をすればいいのではなく、6ぐらいの仕事をすればいい。それなら、翌日には疲労が解消するだろう。ただし、二日間の仕事の量は 12+6=18 なので、10+10=20 の場合よりも減ってしまう。

 こういうことがあるので、仕事量は、「疲労が出ない量を知って、毎日その一定の量だけをやる」というふうにするのが最善だ。そのとき、なされる仕事量は最大化する。
 一方、ある日に無理をして過大な仕事を詰め込むと、余分にやった量(2)よりも、もっと多くの量(4)を、翌日に失うことになる。
 だから、無理して過大な量をしない方が、ずっと能率的なのだ。

 ちなみに、これと似たことは、先日のマラソンでもあった。最初に飛ばして先頭を切ったランナーは、ずっと先頭を走り続けたが、後半の途中になると、疲労が溜まって、急激に足が遅くなり、順位が大幅に低下した。大敗北。
 一方、最初は飛ばさずに、ずっと一定のペースを取り続けた後続集団は、最初は遅れていたが、やがては先頭ランナーを追い抜いて、最終的には好記録を達成した。大勝利。
 要するに、常に一定のペースを保って、疲労を一定の量に保つ方式が、なしとげる仕事量を最大化するのだ。
 
 [ 付記3 ]
 仕事をするときは、「ノルマ」にとらわれることが多い。「作業量が多くなるが、ここで少し多めに仕事をしておくと、区切りが良くなるから、今日は少し多めに仕事をしておこう」というふうに決めて、ノルマを課する。
 しかし、これは厳禁だ。仕事の量は、ノルマ(目標)によって決めるのではなく、「回復可能量」によって決めるべきだ。
 回復可能量が 10 であるなら、その日の仕事の量は 10までにするべきだ。
 「 12 までやれば、ちょうど区切りが付くから、今日は 12 までやろう。その分、明日は仕事を減らせばいいさ」
 なんて思ってはいけない。10 までやって、残りの 2 は翌日に回すべきだ。

 [ 付記4 ]
 それでもどうしても 12 までやってしまったら? そのときの対処法は、
 「翌日の仕事量を 8 に減らすこと」
 ではない。最初にやるべきことは、
 「徹底的に休んで、前日の疲れを取り除くこと」
 である。そうしてのち、ようやく、翌日分の仕事に取りかかっていい。
 とにかく、こうしてパワーを回復することで、新たな仕事が高能率で実行できる。パワーを回復しないままでは、休んでいる方がいい。

( ※ 「休むことでパワーを高める」というのは、テレビゲームでも、似た例があるかもね。)



posted by 管理人 at 22:18| Comment(1) |  健康・寒暖対策 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記3 ] [ 付記4 ] を加筆しました。
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Posted by 管理人 at 2019年09月21日 12:48
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