2019年09月18日

◆ サウジにドローン攻撃

 サウジアラビアの石油施設を、ドローンが攻撃した。不明な点が多いが、どうなのか?

 ──

 サウジアラビアの石油施設を、ドローンが攻撃した。
 この件は、前にも述べたとおり。
  → ドローンを撃墜するには?: Open ブログ

 ここでは、イランの飛行機型のドローンが使われたと紹介した。
  → 中東で台頭 イラン製ドローンの脅威 | NHK
  → CNN : イラン、新型国産ドローン披露 米撃墜機の技術を「複製」

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 その後、新たにわかったこともある。
 このドローンは、Al-Quds または Sammad 3 と呼ばれるタイプらしい。
  → Al-Quds
  → sammad

 攻撃した場所は、下記だ。





 ここがその場であることは、次のページの画像からもわかる。
  → サウジ石油施設攻撃、国家防衛の見直し迫るドローンの脅威:AFPBB
  → Satellite photos show extent of damage to Saudi Aramco plants

 似た動画もある。





 ──

 不明な点もある。「どこから発射されたか?」ということだ。これについては、米国は「イランから」と主張して、イランは「違う」と否定した。一方で、フーシ派は「自分たちだ」と主張した。そのどれが正しいのか、不明であるようだ。
  → (時時刻刻)米イラン、遠のく対話 サウジに攻撃:朝日新聞

 米国は、「施設の北側または北西側が破壊されているから、南部にいるフーシ派ではない。ゆえにイランだ」というふうに見なしている。
 一方で、「ドローンは方向を転じることができるから、米国の主張は成立しない」という批判もあるそうだ。また、「ドローンがイランからペルシア湾を渡ってくれば、米軍の監視網に引っかからないはずがない」という批判もあるそうだ。(上記記事)

 さて。ここで私が名探偵ふうに推理すれば、こう言える。
 「ドローンがイランからペルシア湾を渡るならば、発見されるかどうかにかかわらず、発見される危険がある。そして、もし発見されたなら、イランが攻撃をしたという明白な証拠を握られる。そうなったら、圧倒的に不利な立場に立たされる。場合によっては、武力行使の対象にされかねない」
 つまり、イランにとってはあまりにも危険があり、デメリットが大きすぎる。
 その一方で、メリットが何もない。サウジを攻撃しても、イランにとっては何の利益にもならないからだ。(戦争中ではないのだから。)

 他方、サウジを攻撃することで、明らかに利益を得る集団がある。それはフーシ派だ。彼らはまさしくサウジと交戦中なのだから、攻撃することのメリットは大いにある。

 以上からして、ドローンを飛ばしたのはフーシ派だ、と断言していいだろう。ただしその機材は、イランから仕入れたものだろう。イラン以外には提供できる出所がないからだ。

 ──

 さて。謎は解決したが、それとは別に、重要なことがある。こうだ。
 《 サウジの石油施設を破壊した「軍事用ドローン」がスゴすぎ! たった160万円でレーダー無力化 》

時速は240キロ、新幹線よりやや遅いぐらいで、ミサイルの4分の1。飛行距離は1500キロ、これまで100〜150キロとされていた状態から一気にのびた。推定160万円でできるため「世界的に拡散傾向」(竹内さん)にある。

青木理(ジャーナリスト)「これが一般化すると、何千億円もかけてイージス・アショアを作ろうなんていっても、ミサイル防衛は無力化される。ある種、軍事的革命だ」

野上慎平アナウンサー「軍事ドローンは事前に緯度経度をプログラムし、先端カメラで目標を決め、ドローンごと突っ込む」

司会の羽鳥慎一「それで実際に大きな被害が出ました」
( → J-CASTテレビウォッチ

 こうなると、従来の軍事常識が一変する。

 (1) 迎撃システムの無効化

 陸上イージスなんかを用意している日本は、完全に時代遅れとなる。北朝鮮がドローンで攻撃してきたら、手も足も出なくなる。
 理由は下記。
  → CNN : 2万円の市販ドローン、4億円のパトリオットで撃墜

 2万円というのはホラ気味で、そいつはローター型の市販品。今回の飛行機型の軍事用品は、先の記事に示したように、160万円程度であるようだ。それでも、160万円のドローンを4億円のパトリオットで撃墜するのでは、割に合わない。そもそも、飽和攻撃に対して無力である。ドローンが 100以上も来たら、20ぐらいしかないパトリオットでは対処できない。

 (2) 新たな迎撃システム

 そうであれば、ドローンを撃墜するために、新たな迎撃システムを開発するべきだろう。
 既存のレーダーでは、低空を飛ぶ小型のドローンは発見しにくい。そこで、低空専用のレーダーや赤外線カメラで、あちこちで分散的に検出する装置が必要となる。
 それと連動させて、撃墜するためのシステムも必要だろう。具体的には、
  ・ AI で自動照準する高射砲

 が有効だろう。だから開発するべきだ。

 (3) 戦闘機型のドローン

 敵のドローンは爆撃機型であるから、これを迎撃するための、戦闘機型のドローンを開発するといい。爆撃機と戦闘機が戦えば、戦闘機が圧勝するに決まっているからだ。

 ──

 以上の (2)(3) は、AI 技術が必要なので、日本でもうまく開発できるだろう。アメリカほどではなくとも、アラブ諸国や北朝鮮なんかよりは上手に開発できるはずだ。だからそれを開発して、配備するといい。
 そのための費用は? 陸上イージスを解約すればいいだろう。それで数千億円もの金が浮く。



 [ 付記1 ]
 「発射した場所はイランの南西部だ」という見解もある。
  → 米、サウジ攻撃は「イラン南西部から」 月内供給復旧で原油下落 - ロイター
 米CNNテレビは17日、米国とサウジの当局が、攻撃はイラク国境に近いイラン国内の基地から行われた可能性が「極めて高い」と判断したと伝えた。無人機(ドローン)と巡航ミサイルが使われ、米国とサウジのレーダー網が厳重なペルシャ湾を避け、イラク南部とクウェート上空を通過した可能性があるという。 米
( → ペンス氏「臨戦態勢」 イラン牽制:朝日新聞

 「イラク南部とクウェート上空を通過した」ということは、「発射した場所はイランの南西部だ」ということになる。下図からわかる。(南西部というより、西部の南端。)



※ サウジの石油施設は、リヤドの東側にある。



 では、本当にそうか? いや、これは事実というよりは、米国の願望だろう。何としてもイランのせいにしたいだけだ。
 現実には、もしそうだとしたら、イラクやクウェートの領空を侵害することになるから、両国を敵に回すことになる。ただでさえサウジと敵対していて大変であるのに、周辺の国をみんな敵に回すようなことをするはずがない。
 また、イラクやクウェートの監視網に引っかかる危険も十分にある。このあたりは(レーダーのある)空港が多いのだから、なおさらだ。





 こんなところで、あえてドローンを飛ばすはずがない。イエメンからなら(フーシ派に頼んで)いくらでも攻撃できるのに、わざわざイランから攻撃するはずがない。
 米国の言っていることは、ご都合主義のこじつけとしか思えない。

 [ 付記2 ]
 イエメンから 1000km もドローンが飛んだとは思えない、という見解もある。
  → 油田攻撃:はてな匿名ダイアリー

 しかし、(有人でない)無人機だし、高さも低空飛行なので、直線的に飛ぶことは問題あるまい。サウジだって、ドローンを撃墜する兵器を用意していなくて、対抗するすべがないのだから、直線的に飛ぶことは可能だ。
 また、搭載する爆弾を軽くすれば、航続距離を伸ばすことも可能だ。

 なお、発射した場所は、朝日の地図では「イエメン西部」とされているが、私は「サウジアラビア内部の砂漠地帯」だと思う。このあたりに無人地帯はいくらでもある。




 
 [ 付記3 ]
 被弾した場所は、施設の北西である、と言われる。ただし、写真を Google マップと照合して確認したところでは、北西でなく、ちょうど西側だと思える。これはどうしてか?
 私の推測は、こうだ。
 当日は9月14日で、満月だ。月は零時に真南にある。( → 出典
 ドローンが攻撃した時刻は、14日の未明だ。この時期には、月は西側に傾いている。ならば、月光を浴びた物体がよく見えるように、ドローンは西側から近づく必要がある。だからドローンは西側からぶつかったのだ。
( ※ ドローンはカメラで対象を見つけてぶつかる。)

posted by 管理人 at 19:08| Comment(7) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回は他国だけど
日本や韓国の原発施設がドローンの標的になったら日本にとっては大変だよ
Posted by あさひ at 2019年09月19日 15:11
『特攻』をドローンで実現してますね。
しかも、比較的ローリスクで。
Posted by 反財務省 at 2019年09月19日 18:18
 続報。
 「数千億円かけたサウジ防空システムに欠陥 わずか数万円のドローン攻撃に無防備」

  https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/09/post-13027.php


 日本の陸上イージスもまた同様。
Posted by 管理人 at 2019年09月20日 23:29
>>(2) 新たな迎撃システム
 そうであれば、ドローンを撃墜するために、新たな迎撃システムを開発するべきだろう。
 既存のレーダーでは、低空を飛ぶ小型のドローンは発見しにくい。そこで、低空専用のレーダーや赤外線カメラで、あちこちで分散的に検出する装置が必要となる。

軍用の高出力のレーダーは設置できる場所が限られます。


>>それと連動させて、撃墜するためのシステムも必要だろう。具体的には、
  ・ AI で自動照準する高射砲
が有効だろう。だから開発するべきだ。

何を想定しているかわかりませんが、艦艇に搭載された火砲から、地上配備の対空戦車に至るまで、先進国が保有するのは第2次世界大戦後すぐからレーダー連携の自動照準に対応済みです。(なんならレーダーとの連携は大戦中からあった)

 (3) 戦闘機型のドローン
 敵のドローンは爆撃機型であるから、これを迎撃するための、戦闘機型のドローンを開発するといい。爆撃機と戦闘機が戦えば、戦闘機が圧勝するに決まっているからだ。

大型のドローンを爆撃機型と想定しているとして、戦闘機型が圧勝するという根拠は?今時の航空戦は地上レーダーもしくは早期警戒管制機で相手を先に発見し、データリンクで情報提供、遠距離からミサイルを発射し退散する、というのが基本なので、別に機体がどうかとかあまり関係がない。先に相手を見つけて、先に攻撃したほうが勝ち。
Posted by 細波 at 2019年09月25日 21:03
そのドローンにプルトニウムの粉末を積んでおけば、世界無敵です。どこで撃ち落とされても、その地はその地は死の地となります。
Posted by sm at 2019年09月29日 23:33
 プルトニウムを使ったら、もはや核攻撃なので、使った方は、原爆を落とされるでしょう。
Posted by 管理人 at 2019年09月29日 23:57
プルトニウムのような高級品を「汚い爆弾」として利用するような愚か者はいないでしょう。
Posted by 細波 at 2019年10月01日 21:23
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