2019年09月13日

◆ 千葉の山間の被災地

 千葉の山間の被災地では、停電と断水が続くが、交通遮断もあって、大変だという。何とかするべきか?

 ──

 これは朝日新聞の記事。
 倒木や電柱で道をふさがれて孤立した集落では、住民が電気の復旧を待ち焦がれながら、身を寄せ合って暮らす。
 房総半島南部、富津市金谷の山あいにある集落では、港や駅に向かう唯一の道が倒れた電柱でふさがれ、11世帯約20人が孤立を深めていた。停電と断水の中、往復約10キロの道のりを歩き、コンビニまで水や食料を買い出しに行く。
 停電から4日目。「電気も通らず、水もない。ほぼ毎日歩いて買い物に行っているが、いつまで体力が持つのか」。5年前からいとこと同居中の50代の男性は嘆く。「電柱をどかすだけでいいのに、それすらしてくれない。行政や東電は何をやっているのか。電気の復旧も物資の支援も、とにかく対応が遅すぎる」と憤る。
 一人暮らしの高齢者もいる。備蓄のカップ麺などで生活している池田幸雄さん(70)は「私ら高齢者が10キロも歩いたら倒れてしまう」と訴える。「クーラーボックスにいれた水や野菜はいつまでもつかね。高齢者は死ぬしかないんだろうか」。
( → 停電4日目「いつまで体力が持つか…」 耐える孤立集落:朝日新聞

 Google マップで見ると、ここらしい。(街まで往復 10キロなので。)





 たしかに大変だが、「行政は何とかしろ」という意見には同意しない。自治体のリソースは限られているのだから、山の奥地にいる 11世帯約20人が後回しになるのは、仕方ない。少数の人を救うために大多数を見捨てるわけには行かないのだ。惨事にあっては、少数が見捨てられるのは宿命なのである。

 では、どうするべきか? もちろん、自助しかない。こんな山間僻地に住む以上は、もともと自助で生きるしかないのだ。特に、災害時には。

 最低限、次のものが必要だ。
  ・ 飲料水 (ペットボトル)
  ・ トイレ用の水 (風呂に汲み置き)
  ・ トマトジュース (ペットボトル)
  ・ 缶詰 (魚・野菜)
  ・ 乾麺 (ラーメン・そば・うどん・パスタ)
  ・ カップ麺
  ・ 携帯用ガス調理器
  ・ 乾電池
  ・ LED ライト (ランプ)

 このくらいのものを常備してあれば、1〜2週間は大丈夫だろう。
 なのに、すぐに悲鳴を上げるとしたら、自分自身の準備が不足していたからだ。都市部ならともかく、田舎において準備不足でいるなんて、自殺行為だと言える。今さら泣き言を言っても遅いのだ。
 「自衛隊は食料を投下してくれ」と言うが、そんなものが欲しければ、数十万円を払って、自分でヘリコプターをチャーターするべきだろう。(もともと自分が用意しておかなかったのが悪いのだから。)
 そして、その数十万円という金がないのなら、数千円ぐらいの金を払って、普段から備蓄をしておけばいい。それだけのことだ。(それをしない人が、「ヘリコプターを出してくれ」などと身勝手なことを言う。自分の準備不足の尻ぬぐいを、他人に期待する。まるで自分の尻を拭けない赤ん坊だね。)

 ※ 飲用水はあまり多くなくてもいいだろう。ジュース類でも代用できるからだ。それより、数が増えると、かさばるのが困る。重たいものが置き場所を占めると、面倒だ。
 ※ それより、風呂の水の汲み置きが大切だ。水の最大の用途は、トイレ用水と、体拭き(濡れタオルで)である。この両者のためには、風呂場に大量の水を汲んでおくことが大切だ。一方、飲用の水なんて、たいして多くは必要としない。どうせすぐに給水車が出てきそうだ。

 ──

 ちなみに、私自身は、上記の食品を半月分ぐらいは用意してある。飲料水だけは少なめだが。
 ともあれ、備蓄はきちんとやっておきましょう。「マンションでは備蓄は大切だ」と前に書いたが、条件の悪い山間僻地なら、言わずもがなだ。こんなところに住んでいて、準備不足にしておいて、困ったら新聞記者に訴えるなんて、バカすぎる。記者も住民の要求をまともに受けるべきではない。むしろ、「あんたが悪い。自業自得だよ」と(厳しく)言ってやれば良かったのだ。

 ……という話を聞くと、「冷たいやつだ」と思う人がいるだろうが、そうじゃない。きたる大震災のことを危惧している。そのときになって、「備蓄がない!」と騒いでから、「政府は何とかしてくれ」と頼んでも、どうにもならないのだ。私のことを「冷たいやつだ」と思うよりは、「まことにごもっとも」と思って、さっさと備蓄を整備しよう。それがあなたの命を救う。
( ※ 逆に、ぐだぐだと私の悪口を言っているような人は、死ぬかもね。)
 


 [ 付記 ]
 こういう山間僻地に住むからには、電動自転車を所持しておくべきだろう。電動自転車があれば、10キロも歩かなくて済むので、楽ちんだ。
 充電は? 地元の山間地では停電でも、繁華街では停電が早く復旧しそうだ。そこで充電できる。

 なお、現状の停電情報は下記。
  → TEPCO : 停電情報(富津市)

 多くの地域ですでに復旧しており、残りは山間部ぐらいであるようだ。やっぱり、復旧が遅いのは山間部だけ。

 ──

 ちなみに、Google マップの衛星写真で見るとわかるが、千葉の大半は山間部である。北部には平地があるが、それ以外の大部分は山間部だ。平地だらけの東京や埼玉などとはまったく違う。
 台風で強風の被害があったのも、千葉だけだ。これも「山間部」という地形が、風を局地的に強くする効果があったからだろう。だから千葉ばかりで風害の被害があった。(同じ台風なのに。)
 千葉というと、「東京に近い都会」という印象を持つ人が多いようだが、北部と木更津を除けば「ど田舎」に近い。ど田舎に住む限りは、それなりの覚悟(心構え)が必要なのだ。さもないと、いざというときにあたふたとすることになる。
posted by 管理人 at 18:47 | Comment(6) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>平地だらけの東京や埼玉などとはまったく違う。

東京や埼玉にも奥多摩や秩父という山間部があるけどね。
Posted by まりも at 2019年09月14日 12:06
>台風で強風の被害があったのも、千葉だけだ。

山間部だからというよりも台風の進路の関係じゃないかと思うけどね。東京や埼玉にも奥多摩や秩父という山間部があるし。
今回の台風15号が横須賀市付近〜東京湾〜千葉市付近に進んだことにより、東京や埼玉が台風の左側の可航半円に入ったのに対し、千葉県側が右側の危険半円に入ったからだと思うが。
Posted by まりも at 2019年09月14日 12:12
> 千葉県側が右側の危険半円に入った

 うん。それは私も考えたし、たしかに影響があると思う。だけど結果的には、九十九里浜のあたりや幕張のあたりは被害は少なめだった。木更津のような都市部でも早期に復旧した。
 山間部では、風が谷の部分に集まるので、風が倍ぐらいに増幅される。その影響が強い。そして、そういうところに電柱がある。

 ──

 奥多摩や秩父は、台風の暴風圏からは外れている。
  → https://weathernews.jp/s/topics/201909/090045/
Posted by 管理人 at 2019年09月14日 12:21
>山間部では、風が谷の部分に集まるので、風が倍ぐらいに増幅される。

確かに、千葉県の山間部は標高300m程度の低い山がほとんどだから山が風を遮ることができずに、むしろ谷の部分で風が増幅されるかもね。
奥多摩や秩父のほうは標高が2000m級の山岳がそびえたっているから風は遮ぎられて減衰はするが、風が山にぶつかって上昇気流が発生して雨雲が発達して豪雨になりやすいだろうね。
Posted by まりも at 2019年09月14日 12:32
 鉄塔が倒れた原因は「局地的に強風が吹いたため」らしい。

 → https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190911/dom1909110010-n1.html

 つまり、局地的に、特別な事情があった。そこいらの平地にはないような事情が。
Posted by 管理人 at 2019年09月14日 12:39
 報道によると、
 「千葉県内では13日午後8時半の時点で依然としておよそ17万8900戸で停電が続いています」
 とのことだ。
  → https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190913/k10012081381000.html

 一方、千葉県の世帯数は 260万世帯。
  → https://www.pref.chiba.lg.jp/toukei/press/2016/kokusei-kakuhou1026.html

 停電の比率は、割り算して、 0.0688 だ。
 つまり、現時点で、7% が停電中。93% は復旧済み。
 これは、都市部では片付いたが、山間部ではまだまだだ、ということだ。

 上記記事によると、停電中の7%のうち、5%ぐらいは早期に復旧して、時間がかかるのは2%ぐらい。奥地の方の山間地だけが復旧が遅れるということのようだ。
 こういうところでは、自衛隊が協力すればいいのにね。
Posted by 管理人 at 2019年09月14日 12:44
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