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民間のプールだと屋内プールになるが、学校が使わないときには民間が商売で使うことができる。
そもそも昼間は、大人は仕事をしているので、プールを使わない。夕方以降は、大人がプールを使うが、子供は使わない。
こういうふうに「昼と夜」というふうに使い分けることで、無駄なく使えるので、コストを下げることができる。記事によれば、かなりコストが下がるそうだ。
全国の小中学校で、古くなったプールを使うのをやめ、民間の屋内プールなどを利用する動きが広がっている。改修にかかる費用を抑えるだけでなく、屋内施設なら空模様を気にすることなく授業ができ、先生の負担も減らせる。古いプールを釣り堀にして地域に開放する学校もある。
( → 老朽化の波、消えゆく学校プール 授業は民間施設で:朝日新聞 )
記事では「いいことずくめ」という調子で紹介している。だが、プールには別の効用もある。それは、「水生生物を養う」ということだ。
NHK の番組だったと思うが、学校のプールには秋から春にかけて、ヤゴなどの水生生物がたくさん住んでいる、という話が紹介されていた。
このことは、ググると裏付けられる。
→ プール 水生生物 - Google 検索
都会には自然なんかろくにないと思われているが、あにはからんや、学校のプールには大量の水生生物がいて、トンボの幼生(ヤゴ)などを育んでいるのである。
なのに、学校のプールをすべて廃止してしまったら? 都会の水生生物の状況はひどく悪化することになる。
また、これらの水生生物を観察する理科教育の機会も失われてしまう。
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冒頭の記事には、次の記述もある。
プールは……釣り堀として生まれ変わった。金魚とヘラブナ約4千匹が泳ぐ。他の小中学校では芝生広場やテニスコートなどにしているという。
釣り堀ならばまだしも、芝生広場やテニスコートになったら、水生生物はまったく住めなくなる。そういう問題があるのだ。
記事では、「コストが安くなるので万歳」という調子で称えていたが、コストとは別のものが失われてしまうのだ。それは朝日新聞の大好きな「自然」や「環境」の一種だ。金のことばかりを考えずに、もっと別のことも考えよう。そういう視点が大切だ。
※ 本項では、新聞報道に対して、新たな視点を提供した。
現在の学校プールはキツイ塩素消毒などもあって、そんなに棲み良い環境でもないと思いますけど。