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千葉県では(台風で鉄塔が倒壊したのにともない)大規模な停電が発生した。
そこで地元に避難所を開設した。
君津市では停電に伴う避難所を開設し、水と食料を配布しておりますので、どうぞそちらをご利用ください。
( → 台風15号の被害状況および停電に伴う避難所の開設 - 君津市公式ホームページ )
被災者は「自宅は停電しているので、エアコンが使えず、暑くて眠れない」と思ったので、これ幸いとばかり、開設された避難所に行った。
避難所となった千葉市中央区の松ケ丘公民館では、30人以上が不安な一夜を過ごした。近くに住む女性(45)は、停電で家のエアコンが使えず、避難所へ。市職員が毛布やマットなどを提供したが、朝方まで眠れなかったという。「この状況がいつまで続くのか」と話した。近くの会社員男性(33)はエアコンがきいた車の中で家族と過ごしていたが、夜になり子どもが怖がったため、避難所へ移動したという。
( → 停電いまだ60万戸超す 暗闇の街、エアコンのない夜:朝日新聞 )
ところが、がっかり。避難所もまた停電なのだ! 地域一帯が停電なのだから、当然だが。
これには証言もある。
電気復旧しないのはみんな怒ってません。むしろ暑い中本当に本当にありがとうございます!
— AYUMI (@chocola117lovin) September 10, 2019
そんなことより国や市とかの対応だよ。明日雨降ったら…うちの周りほとんどの屋根ないよ…
(エアコンも電気も通ってない)避難所ですがそこに行ってくださいって言われたよ…
今だに #市原市停電中 コンビニ、スーパー品物がありません。開いていない店もたくさんあります。熱中症で運ばれてる方もたくさんいます。避難所は暑いので車中泊してる方もたくさんいます。ガソリンも売り切れてます。本当に何とかして欲しい。助けて欲しいです。
— じゅんチャン(?????)*.。 (@yuzuta09) September 10, 2019
「(エアコンも電気も通ってない)避難所」
「避難所は暑いので車中泊してる方もたくさんいます」
という言葉からわかるように、避難所にはエアコンがない。
しかしこれじゃ、何のために避難所に行ったのか、わけがわからない。こんなことなら、自宅にいた方がマシだ、というものだ。
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ただし、例外的には、東京電力の電源車が派遣されたそうだ。
世耕経産相は、避難所など空調設備が必要な場所に電源車を配備する方針を示した。現時点では、千葉・横芝光町の文化会館と千葉・多古町の福祉センターへの配備が決まっている。
( → 日テレ・ニュース )
良いことのようだが、これはごく一部の話であって、「スズメの涙」とか「焼け石に水」というありさまだ。
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一方で、もっとひどい事態も起こっている。「台風が去ったので、避難所を閉鎖します」というふうになった。そのせいで、停電どころか断水している地域の住民が、避難所を追い出されて、水なしでさまようハメになっている。
女性は今、千葉県の被害の実情が伝わっていないのでないかと、不安を感じています。
「避難所は台風が過ぎ去った後に閉鎖してしましました。お年寄りは、ご自宅に帰ったと思いますが停電、断水してるため暑い部屋で水も浴びれず、使えない冷蔵庫に入った食料を食べるしかないと思います。千葉県南部で誰か倒れても、誰も気づいてくれないんじゃないか。被害の実情が伝わらなければ支援も届きません。ほんとに助けてほしいです」
( → 館山市の女性が訴え「水がない」|NHK 首都圏のニュース )
何でこんなバカげたことをやっているのかと思ったら、空き巣被害の防止のためだという。
ですね。
— かんな 犬儒派犬尻系 (@WanWan1Wanko) September 10, 2019
あと避難所の閉鎖が早いという遠方の方々のご指摘ご心配に関しては「避難所にいると空き巣が心配なので自宅避難生活した方が安心」だからだそうです。役所の人達は避難所にあつめておいた方が手間がないそうですが、アクアライン使って来るのは善意の人達ばかりじゃないですしね。
つまり、「人間が熱中症で死ぬ危険を増やしてでも、少額の空き巣被害をなくしたい」というわけだ。
単純に言えば、「警察が空き巣被害の受理をするのが面倒だから、住民の生命を危険にさらしてしまえ」というわけだ。
なるほど。いかにもお役所らしい。合理的だ。 (^^);
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さて。以上でいろいろと、問題点を掲げた。「冗談だろ」と言わんばかりのひどい事例が多い。呆れて、くちあんぐりというところだ。
では、どうすればいい? そこは、困ったときの Openブログ。名案を出そう。こうだ。
「地域的な停電や断水が発生したときには、該当地域に隣接する自治体が避難所を開設すればいい。そこで、該当地域の被災者を受け入れればいい」
被災者の視点で言えば、「他の地域の避難所に行く」というわけだ。これで解決する。
そもそも、「被災者に入るのは地元の人だけ」という発想が、柔軟性を欠いている。頭を柔らかくすれば、「他地域の住民を受け入れる」というふうにすることができる。そうすれば、「住民は他地域の避難所で過ごす」というふうにできるから、そこでは、水も電力も不足することなく、人間らしく暮らせるのだ。
※ 疎開みたいなものである。
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このことは、非常に重要である。
将来、地震が発生したとき、地域的に断水や停電が発生することもあるだろう。そういうとき、「他の地域の避難所に行く」というふうにすれば、少なからずの命が助かるのだ。(特に高齢者や病人。)
実は、今回は夏だったから、まだ被害は少なかった。これが真冬であったなら、停電による暖房不足で、凍死者が続出したかもしれない。そういう危険を予想しておこう。
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というわけで、「情けは人のためならず」(自分自身の身に降りかかる)という意味で、避難所の体制を改革することは、あなた自身の命に関わることになるのだ。
今回の自治体の事例は、呆れてものが言えないほどだが、それを反面教師とすることで、有益な知見を得ることもできるのだ。
[ 付記1 ]
ちなみに、熊本地震のときには「県外への避難」というのがあったが、これは(県内の仮設住宅が足りないから)「県外の公営住宅に入居する」という形の長期避難のこと。本項の話題となった、「避難所への一時避難」とは関係ない。
[ 付記2 ]
実は、避難所には、別の問題もある。性被害だ。
→ 避難所 性被害 - Google 検索
あちこちの自身や自然災害の避難所で、女性に対する性被害が発生している。若い女性や女児にとっては、避難所は危険なのだ。
しかしまあ、肝心の高齢者(じいさん・ばあさん)ならば、その心配もないだろう。いきなり「避難所を閉鎖」というのは、やりすぎだ。
→ http://openblog.seesaa.net/article/435850803.html
津波で死者が多数出たあとで、政府は「高台に住むべし」という方針を取った。かくて高台の造成費として1戸 4000万円ぐらいの税金を投入している。
そんなことより、最初から高台に住んでいれば良かったのに。海辺に造成しなくても、奥地にはいくらでも高台はあるのだから。
→ http://j.mp/2Q6oJGn
田んぼをつぶせばいくらでも住宅地はできるのに、そうしないから、巨額の税金が投入される。しかもそこには、住む人がいないことが多い。
https://www.asahi.com/articles/ASL393G8ZL39UTIL00W.html
https://mainichi.jp/articles/20190310/k00/00m/040/017000c
https://ironna.jp/article/1323