※ 最後に 【 追記4 】【 追記5 】 を加筆しました。
事故が必然的に起こった、ということの説明。重要。
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事故は、報道されているとおり。
京急線の踏切 トラックと電車が衝突 8人ほどけがの情報
— NHKニュース (@nhk_news) September 5, 2019
警察によりますと、5日午前11時40分ごろ横浜市神奈川区の京急線の踏切で、電車とトラックが衝突したということです。消防によりますと、現場で黒煙が上がっているということですhttps://t.co/9vjFTn0Lsq
では、その原因は? 次の記事がある。
事故当時、踏切の南側で車に乗っていた40歳の男性によりますと、京急線の線路沿いを走ってきたトラックが北側から右折しながら踏切に進入した際、曲がりきれずに立往生し、その後、踏切の遮断機が下りてきたということです。
( → 京急線 電車とトラックが衝突 男性1人死亡32人けが 横浜 | NHKニュース )
現場の Google マップを見る。
中央に踏切がある。
(画像の)左下から右上に向かって、線路沿いの道を進んでいく。踏切で右折して、(画像の)右下に向かって進んでいく。
ところが、あまりにも急カーブなので、大型トラックは曲がりきれない。
特に、踏切上の道路を左にはみ出すと、余計なものがあるから、行く手をさえぎられてしまう。
このおじさんの左側には、二本の柱と信号機みたいなものがある。それにぶつかってしまいそうなので、大型トラックは行く手をさえぎられてしまう。元に戻ろうとしても、(遮断機が下りているので)後ろへ戻れなくなって、立ち往生する。
そこへトラックの正面または左の方から、列車が警笛を鳴らしながらどんどん近づいてくる。トラックの運転手がベルトをはずそうとしてオタオタしている間に、衝突してしまう。
それでも最終的には、被害は少なめだった。トラックの運転手は死んだが、乗客は死者ゼロ。重症者が1人いるが、電車の運転手は軽症で済んだ。
→ レモンケース660個が現場に散乱…京急線衝突事故で32人ケガ 1人重体 - FNN
それというのも、センサーで踏切の立ち往生を検知して、警報器を鳴らして、600メートル前で赤信号を点灯させていたからだ。
現場の踏切に設置された障害物検知装置が作動し、約600メートル手前にある踏切内の異変を告げる信号機は点灯。運転士は衝突直前に急ブレーキをかけたという。
( → 京急電車がトラックと衝突 1人死亡、32人負傷:日本経済新聞 )
女性は「先頭車両の真ん中あたりに乗っていたところ、急に電車が警笛を鳴らし始めた。警笛が長い間、鳴っているなと思っていたら突然、衝撃が走り、床に投げ出され……」と話していました。
( → 京急線 電車とトラックが衝突 男性1人死亡32人けが 横浜 | NHK )
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さて。状況はわかった。ここから事故の原因を考えると、こうだ。
(1) とんでもない急カーブに大型トラックが無理に入ったことで、立ち往生した。ひどい判断ミスが原因だ。(右折するべきではなかった。)
(2) 現場の細い道には、右折禁止の措置を取っておくべきだった。運転手の判断に任せず、ルールで「右折禁止」にしておくべきだった。現実には、そうではない。
(3) 踏切の途中で、大型トラックが立ち往生しないように、柱などを置かずに、場所にゆとりを持たせるとよかったかもしれない。
(4) 京急も、こんな人口密集地では、踏切をなくすべきだった。つまり、路線を高架にしておくべきだった。
(5) 67歳で大型トラック運転手をしているという「超高齢化社会」が、事故の遠因だったとも言える。運転手の待遇が悪いので、若い人が運転手になろうとしないせいで、高齢者がいつまでも働き続ける。そのせいで事故も起こる。
【 追記1 】
さらに詳しい情報がある。コメント欄を順に読んでほしい。(冒頭の三つ)
その結論はこうだ。
Google マップのルート探索は、やたらと細い道を候補に挙げるので悪名高いが、その悪い性質が出てしまったのかもしれない。
つまり、この運転手は、自動車にカーナビが付いていないので、自分のスマホで、Google マップのルート探索を使ったのかもしれない。
もしそうなら、Google マップを使ったことが事故の原因だ、と言えそうだ。
この図では、トラックの通った「線路脇のルート」が示されているはずだ。だが、7日現在、このルートが表示されなくなっていることもある。(拡大表示のときなど。)( Google が情報を改訂したらしい。)
【 追記2 】
トラックは、踏切内で、「下りた遮断機に前後を挟まれ、身動きできなくなっていた」とのことだ。
→ 列車横倒し、乗客悲鳴 踏切でトラックに衝突 京急:朝日新聞
→ 解説図
衝突のトラック、3分以上切り返し続ける 遮断機手前で:朝日新聞デジタル https://t.co/Sc4HTLaqqn
— 朝日新聞社会部 (@Asahi_Shakai) September 6, 2019
踏切の中から外に出られるように、折れ曲がるような遮断機にすればいいのにね。踏切事故が起こるたびに、そう言われるのだが、直っていない。
せめて、折れやすいようなポールにしておけば、大型トラックで壊せるのだが。
( ※ 実は、現実のポールも、細くて折れやすそうに見える。ならば、強引に突破すれば、何とかなったかも。)
【 追記3 】
「右折禁止にするべきだった」と先に書いた。
なお、右折禁止にしないのであれば、せめて「右折しやすくする」必要があった。つまり、現場の角地の角を削る(丸める)べきだった。
現実には、ここは角になっていて、しかも標識まで立っている。だから、非常に右折しづらい。右折しようとしたら身動きできなくなる「トラップ」みたいになっている。
つまり、もともと「右折車に対して事故を起こしやすくする」という設計になっている。(故意ではないだろうが。)
鉄道会社の踏切の設計で、安全意識が欠落していた、と言える。
【 追記4 】
意外なことが判明した。このトラックはもともと左折するつもりだったのに、左折できなかったので、右折したそうだ。
京急によりますと、社員2人は休憩中で、その場を通りがかったところ、当初、踏切とは逆の方向に曲がろうとしていたトラックの運転手に話しかけられ、「後方の安全確認を手伝ってもらえないか」とお願いされたということです。
その後、運転手から左折するのを諦めたと言われたので現場から離れようとしたものの、トラックが今度は右折を始めたということです。
( → 京急事故 偶然その場にいた社員が非常ボタン押すも | NHK )
つまり、左折は不可能、右折も不可能。無理に右折すれば事故になる。かくて、「大型車がこの道に入ると、事故は必然となる」という仕組みになっていたわけだ。
ならば、「この道には大型トラックは進入不可能」というふうにするべきだった。(たとえば高さ制限をする。)……なのに、そうしていなかった。
これはまあ、踏切を設置した京急と自治体の双方に、重大かつ根源的なミスがあったことになるね。
なお、左折できなかった理由は、左側の角と右側の角にある二つの交通標識が、邪魔をしていたからだろう。
つまり、変なところに交通標識を(二つも)設置していたせいで、この大事故が起こった……とも言えそうだ。
【 追記5 】
「この道には大型トラックは進入不可能」というふうにするべきだった……とすぐ上に書いた。
しかし、現地のストリートビューを見たところ、意外なことが判明した。この細い道は、「進入しにくくする」どころか、それとは逆に、「おいでおいでと招く」ように、「進入を誘う」仕組みがあるのだ。(動物を餌で招いて捕らえる罠みたいだ。)
どういうことかというと、こうなっている。
「(仲木戸駅前で右折して進むときの)最初は、2車線の太い道だが、そのうち少しずつ徐々に道幅を狭くして、気づいたときにはものすごく道幅が狭くなって、抜け出すことができなくなっている」
こいつはひどい。まるで地獄へ誘う罠だ。そして、罠の最後に、踏切という地獄がある。
要するに、「この2車線の太い道に入った大型トラックは、自動的に踏切事故になる」ように、仕組みができているのだ。
だから、この運転手が特別に悪かったのではなく、どの運転手であろうと、大型トラックでこの道に入ると、自動的に踏切事故になってしまうのだ。
とんでもない仕組み!
なお、地獄への入口は、ここだ。( Google マップに従って、この場で右折すると、ここに入ることになる。)
この道を進むうちに、道幅はどんどん狭くなる。
道幅が狭すぎるので、左右の柱などにトラックの側面をこすりつけながら、前進していったそうだ。(踏切事故の直前の住民証言)
【 追記6 】
すぐ上で「地獄への入口」を示した。ここを右折して進めば、地獄に行くしかない。
ところが、「ここに来たら右折するしかない」ということが判明した。というのは、「大型車は直進不可能」だからだ。
ここに達する前に、「直進不可」という交通標識がある。
「じゃあ、Uターンしよう」と思いながら、そのまま進むと、先の「地獄への入口」に達する。ここで、「右折を2回繰り返して戻ろう」と思って右折すると、「地獄への入口」に入ってしまう。(そのあと2回目の右折をすることは困難。→ 図 )
一方、「地獄への入口」に入ることなく、そのまま直進すると、看板で予告されたとおり、高さ制限に引っかかる。
こうなることが予告されている。だから、直進はできない。
つまり、先の「地獄への入口」では、右折するしかない。かくて、「地獄への入口」では、そこに入らざるを得ないのだ。(右折するしかないので。)
【 追記7 】
事故を再発させないためには、どう対処すればいいか? それには、この細い道への「大型車は通行止め」にすればいい。
では、その最後の分岐点は、どこか? ここだ。
この交差点の先の直進路を、「大型車は通行止め」にすればいい。具体的には、この交差点の先の直進路で、道幅を狭める。そのために、道幅の一部を「歩道と柵」にする。これなら、乗用車は通れるが、大型のトラックやバスは通れなくなる。
すると、直進できなくなるので、左折するしかない。左折した先は、2車線の道なので、通れる。さらにその先で右折すればいい。そのまま進むと、角に達するので、角で右折すれば、例の踏切に達する。これでOK。(大型車でも通れる。)
( ※ なお、このルートは、ストリートビューでは確認できない。途中で撮影禁止区間があるので、進んでいくうちに、カメラが直進不可能になる。その区間を跳び越せば、そのまた先を見ることはできる。)
【 追記8 】
すぐ上で示した交差点は、よく見ると、大型車は左折できないかもしれない。つまり、ここは道が細くなりすぎているので、ここまで来たらすでに手遅れだ。
となると、それ以前に左折する必要がある。それは、ここだ。
ここで、左折を強要する。(右折でもいいが、高架に高さ制限あり。)
そのためには、直進を不可能にする。つまり、その先の直進路で、「歩道と柵」を設置して、大型車を通行不能にする。
ただし、左折すればいいにしても、その道には駐車している自動車がいっぱいあるので、すごく通りにくい。
( ※ 「駐車禁止」の標識はないので、駐車してもいいらしい。)
結局、まともなルートは一つもないようだ。となると、「地獄への入口」に入った時点で、もはやどうにもならないのかも。
【 追記9 】
テレ朝のニュースがルートを実地検証していた。
国道15号を右折せずに左折したのは、間違いかと思えたが、そうではなく、左折した先の首都高入口を狙っていたようだ。
ここに至るには、そのずっと前の15号線で、(Uターンみたいに)転回すればいいのだが、なぜかカーナビは(転回でなく)右折を呈示して、さらにその先で右折することを呈示する。ところが、2回目の右折は高さ制限(4メートル)があるので、大型トラックは入るのをためらって、直進してしまった……となる。
第一京浜国道15号を横浜方面に650メートルほど進むと、すぐ横には目的の首都高入り口があります。
交差点は転回禁止ではないため、普通車なら転回できますが、ナビでは転回させずに右折を指示しました。そして、約200メートル進んで信号を右折すると…。交差点を右折すれば再び国道15号に戻って目的の首都高東神奈川入り口に乗ることができます。ナビが案内する右折する道には高さ4メートルの規制がありました。トラックの高さは3.8メートルのため、通行可能です。しかし、本橋さんは右折することなく、車幅2.5メートルのトラックで幅3メートルの狭い道を進んだとみられます。
( → 検証・京急線衝突事故…なぜトラックは狭い道に? )
カーナビにも案内ミスがあったようだ。(どこの社のカーナビかは知らないが。)
というか、そもそもカーナビには、「大型トラック対策」なんか備わっていないのが普通だ。大型トラック向けには、カーナビではなくて、専用のアプリを購入するべきであるようだ。( → コメント欄 at 2019年09月06日 06:49 )
《 加筆 》
本来ならば首都高入口に向かうはずだった……ということは確認された。
運行記録などを調べたところ、運転手は過去に付近を複数回走行し、その際は交差点をUターンして首都高速に乗るルートを走っていた。
本橋運転手は今回と同様の運送を数回経験していた。その際は神奈川2丁目交差点を品川方面へUターンし、目の前の首都高速東神奈川入り口に入っていた。
( → トラック運転手、Uターン誤り右折か 首都高に乗るルート、過去に走行 京急衝突 - 毎日新聞 )
本来ならば Uターンするはずだったのだが、ミスまたは別事情のせいで、Uターンできなかったことが、ルート変更に導いたようだ。
→ https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090501231&g=soc
ちょっと調べたけど、そのルートなら、カーナビに教えてもらえば最善経路がわかったのにね。それは:
仲木戸駅前の四角いロータリーで(左回りに一周して)方向転換する。(前後を逆にする)
国道15号線に戻る。
という順。
https://goo.gl/maps/MuKe5xvKKp1QrzNh9
カーナビならば、狭い道を通る順を示さず、国道15号線に戻る道を示します。(Google マップではそうです。) 下手に判断しないで、カーナビに任せればいいのに、高齢のせいで、カーナビを使えなかったんだろうか?
カーナビはともかく、Google マップだと、このトラックの通った細い道を候補に上げている。
http://j.mp/2LsTVdi
ちなみに、Yahoo マップでは、15号線だけを候補に挙げる。
https://yahoo.jp/w3DpZH
Google マップのルート探索は、やたらと細い道を候補に挙げるので悪名高いが、その悪い性質が出てしまったのかもしれない。
つまり、この運転手は、自動車にカーナビが付いていないので、自分のスマホで、Google マップのルート探索を使ったのかもしれない。
もしそうなら、Google マップを使ったことが事故の原因だ、と言えそうだ。
危険度が高い順に対策(踏切閉鎖、ナビの調整、標識設置、道路拡幅、バイパス整備など)
をするのが良いと思います。
個々の交差点にある標識それ自体に明らかな間違いなさそうですが、
個々の要素が運悪く組み合わさると(要素とは標識だけでなく、車の大きさとか、道路の形状とか、運転手の性格、能力、知識とか、駅員の対応とか、鉄道側の要素とか)、
こういう事故が起こるのですね。
日本中にある交差点全部をチェックする必要があるので(チェックしないとやばいかどうかわかりません)、
これこそ網羅的にチェックできるAIの出番でしょう。
AIがすべての問題を漏れなく指摘できるとは思いませんが、
比較的良質なたたき台を作ってくれるのではないでしょうか。
そのためにgoogle map(≒航空写真の解析結果)にも協力してもらいたいものです。
この会社に入ったのはつい最近
まえにロングの経験があったのかな
ロングの経験が長いなら一方通行のこんな狭い道には入らない
https://www.asahi.com/articles/ASM956QP2M95UTIL04J.html
https://unchan.net/blog/1417/
トラック用カーナビ
https://amzn.to/2ZKwXHF
タイムスタンプは 下記 ↓
きちんと設置している標識も無視するような人のために、踏切を廃止して通行制限も厳しくするのは地元の人には迷惑は話にもなるのではないかと思います。
ふみきりについては、この路線は110年以上前に開通しています。その時代に、このような事故を想定して踏切の設置を不許可としなかったことを「京急と自治体の双方に、重大かつ根源的なミス」とするのは酷な感じがします。
土地勘の無いエリアで、しかも、鉄道駅に向かう道なんて狭くて人が多いのに、大型トラックが通ろうとすること自体あり得ません。
──────
(恐らく)プロの方から「一旦左に寄って後続をやり過ごしてでもその場でUターンキメるのが正解。禁止区間では無い。運転手の判断ミス」という指摘もありました。
道幅や車体長を考えると難しいようにも思えますが…確かにそう書いてはありますから、そう判断すべきだったのかもしれないです。
ただ、他の同じくプロの方から「大型にとってUターン自体がリスクなので避ける」というご指摘もありました。
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10tじゃUターンキツイ道幅だから2.8の看板でて右折レーンあったら曲がっちゃうよな
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出典:https://twitter.com/abix82/status/1169767838489305088
タイムスタンプは 下記 ↓
そういう意味ではありません。
読めばわかるように、「この道には大型トラックは進入不可能」としなかったことが、問題視されています。踏切の設置が問題視されているわけではありません。踏切を設置した以上は、それにともなう措置を取るべきだった、ということ。
あと、ついでに言えば、別の問題もある。変なところに交通標識を立てて交通の邪魔をしたり、角地を削らないで交通の邪魔をしたことなどが、問題。これは現在という時点の問題です。
様々なニュースの情報をまとめると、
・衝突の約40秒前に踏切の異常検知。
・電車の時速を120キロとすれば、踏切の約1.3キロ前あたりを通行していたときから異常信号が発出されていた。
・その異常信号は、踏切の約600m前から運転士は視認可能。
・すべての電車は、緊急停止操作をしてから600m以内に停止できるように設計されている。
これらのことから、踏切の600m手前で緊急停止操作をしていれば、衝突を回避できた可能性があります。
(もし踏切前で止まれなかったとしても、少なくともあれほどの衝撃でトラックと衝突することはなかった)
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6335788
──
さらに調べると、重大なことがわかった。
> 直前の20秒間ほど警笛が鳴り続け、先頭にいた乗客が「ぶつかる」と叫んだ直後に衝突。同駅は通過駅だったため、「電車が減速している様子はなかった」という。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-193261.html
>>警報がなってしばらくしてからブレーキって証言
> オレも聞いた。電車が警笛を20秒くらい鳴らして、衝突直前に非常ブレーキを感じたということだった。 推測するに、警告灯を見た運転手が警笛を鳴らすことで、進入した人などが避けてくれると思っていたら、視認できる距離まで近づいたところであわてて非常ブレーキをかけたんだと思う。
http://blog.esuteru.com/archives/9374363.html
> この運転士は車掌から運転士になって1年1カ月だったということです。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000163691.html
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000162909.html
東横線については、本文中の記述を取り消しておきました。(打ち消し線)