2019年09月01日

◆ 横浜ブルーライン延伸と新駅

 横浜の地下鉄「ブルーライン」の延伸で、「新駅をどこにするべきか」という問題が出ているので、考える。

 ──

 横浜の地下鉄「ブルーライン」なんて言っても、たいていの人は知らないだろうし、私だってこの新駅を利用することはたぶんないと思うのだが、鉄オタふうの興味で、「新駅を作るならどこに作るといいか?」という問題を考えてみた。

( ※ 交通クイズみたいなものだ。趣味の範囲。ただし、おもしろおかしいので、初心者にも楽しめます。)

 ──

 まず、記事はこちら。
  → ブルーライン、住宅地通る可能性 新百合ケ丘まで延伸:朝日新聞

 三つのルートの図はこちら。
  → 三つのルートの図:朝日新聞

 Google マップで場所を示すと、次の3点( )だ。
 左から、西ルート(白山)、中央ルート(王禅寺公園)、東ルート(ヨネッティ王禅寺)となる。


3routes.jpg


 Google マップそのものは、下記だ。





 各候補の長所・短所は、公的なものがあり、下記に掲載されている。
  → 横浜市営地下鉄ブルーライン延伸説明会に行ってきた

 特に、次の図がそうだ。
  → 図1
  → 図2

 これによると、東ルートが有力だという。その理由は、ここがバスの発着の要みたいになっていて、ここからあちこちにバスが出ているからだという。

 どういうことかと思って、Google の地図でバス路線調べたら、ここから東方面へのバスが充実している。東側にある遠くの駅に向かって、いくつも延ばす路線が放射状に延びている。その意味で、たしかに、「バス路線の要だ」と言える。

 しかし、よく考えると、これはおかしい。
 たしかにバスだけで過ごすのならば、この場所は非常に重要だ。しかしながら、鉄道ができたならば、もはや誰もが鉄道を利用するので、バスの路線に乗る人は激減するので、バス路線の利便性などは無意味になるのだ。
 なのに、「バス路線の利便性では東ルートが1番有利だから、東ルートにする」と結論する。頭がおかしいとしか思えない。「鉄道がないときの利便性では1番だから」というのは、「鉄道があるときの利便性」には関係ないはずだ。「鉄道客にとっての利便性」を考えるのならまだわかるが、「もはや激減するバス利用客の利便性」を考えるなんて無意味の極みだ。

 ──

 では、どうすればいいか? 
 最も簡単なのは、次のことだ。
 「手前の駅(すすき野)と、次の駅(新百合ヶ丘)の、中間地点」

 つまり、二点を最短距離で結ぶ直線の中間地だ。そこは、おおむね、白山である。つまり、西ルートが最善だ、となる。

 このあと、他の要素も調べてみる。すると、次の比較表が見つかる。
  → 各ルートの比較表 ( 出典

 これを見ると、東側ルートだけが極端に条件が悪いとわかる。「市街化調整地域」に入っていて、住居も少ないし、開発の余地も少ないのだ。
 西側ルートと中央ルートは、だいたい同じようなメリット・デメリットがあるが、西側ルートの方がメリットは少し大きいようだ。

 ──

 結論。

 以上をまとめると、次のように言える。
 東側ルートは「バスの便がいいから」という理由で、最有力とされる。しかし「バスの便がいいから」という理由は、鉄道ができたあとではもはや無意味となる。これはメリットとはならない。(鉄道ができたあとで、長距離のバスに乗る人は少ないからだ。)
 東側ルートは、条件を見ると、いろいろとデメリットが多いので、候補から外れる。
 西側ルートと中央ルートは、(デメリットがなくて)どちらも有力である。ただ、西側ルートの方がメリットはいくらか大きい。また、欠点も少ない。
 
 ゆえに、結論としては、「西側ルート」が最有力である。
 東側ルートは、現状では最有力とされるが、それは勘違いに基づくものであるので、もし東側ルートに決定されたなら、できたあとで、「失敗した!」と後悔することになるだろう。
 「バスの便が一番便利だから東側ルートがいい、と思ったのだが、実は鉄道に乗るのでバスなんかは使わないのだ。そう気づかなかったとは。ああ、失敗した!」
 というふうに。

 そのあとで、こう気づく。
 「あれ。 Openブログには、ちゃんと書いてあった。あのとき Openブログを呼んでおけば、失敗しなかったのに! しくじった!」



 [ 付記 ]
 実は、バスの利便性を考えることは大切だ。ただし、バスの利便性とは、現在のバス路線にしたがって考えるものではなく、将来のバス路線にしたがって考えるべきものだ。
 新駅ができれば、バス路線は新駅をターミナルとして、まったく新たな路線網が構築される。その路線網は、新駅がどこにあるときが、メリット最大になるか?
 この観点から言うと、中央ルート(王禅寺公園)が最善だと言えそうだ。なぜなら、王禅寺公園のそばの交差点は、道路網の要となっているからだ。ここを中心に、東西南北に道が延びているので、ここをターミナルとして、新たなバス路線網を構築することが最大のメリットをもたらすだろう。
 また、この地域の周辺には住宅地が多いので、バスなしに徒歩で新駅に到達できる人の数も最大となる。

 とはいえ、そのメリットが、逆にデメリットにもなる。すでに住宅地として開発されているということは、将来的に再開発の余地がなくなるからだ。
 一方、白山に新駅を作った場合には、住宅地以外の緑地がたくさんあるので、将来的には再開発が可能となる。大きな駅前繁華街を形成することができて、地元の発展には最も有効となるだろう。
 この意味でも、西ルートが最善だと言えそうだ。
( ※ 次いで、中央ルートが次善となる。……差は僅差だ。)
posted by 管理人 at 21:00 | Comment(1) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「私の予想」中央ルート 

∵地図でみると、中央ルートから、西側ルート、東側ルートへは500〜600m位しか離れていない。徒歩圏である。

湘南台(藤沢市)から新百合ヶ丘(川崎市)を結ぶとは、小田急もビックリでしょう。役に立つ路線と思います。
Posted by senjyu at 2019年09月02日 12:02
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