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小笠原でグリーンアノールという外来生物が大繁殖している。

NHK のサイエンス・ゼロという番組で報道していたが、万里の長城のような電気の柵で多重に隔離しているのだが、すでに半分を制圧されてしまった。このままだと、在来生物の絶滅は時間の問題だ、というありさまだ。
→ サイエンスZERO 「外来種と固有種 小笠原諸島の変」
この問題については、前に論じたことがある。
→ 小笠原諸島の外来生物(グリーンアノール): Open ブログ
ここでは、いろいろと説明をしているが、新しいアイデアも示している。こうだ。
「グリーンアノールを捕食する鳥として、モズやフクロウを導入するといい」
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一方、本項では、新たなアイデアを出す。こうだ。
「グリーンアノールを捕食するような、専用の猫を導入する」
ここで注意。この猫は、普通の猫ではない。グリーンアノールだけを食べるような、専用の猫である。
そんなものがあるか? 今のところは、ない。だから、新たに開発する。それには、次のようにすればいい。
・ 赤ん坊の猫を集める。
・ 赤ん坊の時期には、母乳で育てる。
・ その後は、グリーンアノールの肉片を与える。
・ 成長するにつれ、生きたグリーンアノールを与える。
・ グリーンアノールばかりを食べさせて、他のものは食べさせない。
・ ときどき、生きた小鳥を与えるが、その体表にはアルカロイドを付着させておく。(食べると苦くて吐き出す。)
このようにして育てられた猫は、グリーンアノールだけを食べるようになる。小鳥を食べることはない。
※ 他に、クマネズミも駆除したいのなら、クマネズミを与えてもいい。
※ 他に、カタツムリを食べられたくないのなら、アルカロイドを付けたカタツムリを与えてもいい。
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こうやって、小笠原で専用の猫を放つことで、グリーンアノールやクマネズミを駆除できる。
なお、猫が増えすぎて余ってしまったら、最後に猫だけを駆除すればいい。猫を駆除するのは、比較的たやすい。(罠を使えばいい。)
と、挙げられる以下の訓練で特定の動物のみを食べるようになるという根拠あるのでしょうか?
もちろん、在来のトカゲも被害にあうのでは?
マングースの二の舞になるだけなのでは?
固有種ならば、これもアルカロイドで、禁止対象だと訓練すればいい。
とはいえ、「トカゲだけが絶滅」と「非常に多数の固有種が絶滅」との比較なら、前者はやむを得ない。
→ http://kyushu.env.go.jp/okinawa/pre_2017/2829.html
マングースの導入は、致命的と言えるほどひどかったわけではない。
一方、それに懲りて、「あつものに懲りてなますを吹く」みたいに尻込みしていると、グリーンアノールのせいで壊滅的な被害を受けるだろう。
すさまじい発想ですね。
固有種でなくても離島では亜種レベルでは形質差異がみられるのが普通ですが、こういった地域特性は無視してよいと。
これを示す顕著な例としては、「ヒラタクワガタ」の例があります。
日本国内のヒラタクワガタは本土と離島では全く形質が異なりますが、これらの間には雑種ができ、その雑種にも繁殖能力があるため分類学上は同一種です。
さらには、東南アジアに生息するヒラタクワガタも、日本国に生息するヒラタクワガタも、同じ理由で同一種です。
あなたの主張は、東南アジアに「ヒラタクワガタ」がいるのだから、日本国内のヒラタクワガタは絶滅してもよい、と言っていることになります。
>>マングースの導入は、致命的と言えるほどひどかったわけではない。
マングースが最初に導入されたのが1910年らしいですが、駆除活動に数十年かかっているのに「致命的ではない」という主張ですか?
禁止対象だと学習させて、ネコが選択的に特定の動物を捕獲するという実績はあるのですか?
あなたは誤読しているけど、「まったく構わない」ということではなくて、「二者択一のなかの苦渋の選択では、多くの種の絶滅よりはマシだ」ということ。
100人を殺すか、1人を殺すか、二者択一の状況で、やむなく「1人を殺す」を選択したときに、あなたは「人殺しを許容するなんてけしからん」と批判するようなものだ。それは結局、100人を殺すことになるのだ、と気づかない。
> 実績はあるのですか?
実績はあるわけないでしょ。アイデアを出しただけ。それが心配なら、テストしてみればいい。
科学は何事も、理論と実験。理論を出した人に対して、「実績がない」と批判するのでは、アインシュタインも浮かばれないね。
当時、「相対性理論はまだ実証されていないから無意味だ」と批判するようなものだ。