2019年08月31日

◆ フラット35の詐欺

 住宅金融公庫のフラット35を利用した不正が話題になっている。これは詐欺だ。

 ──

 あちこちで報道されているが、要旨は次の通り。
  ・ 中古マンションを、20〜30代の若者に販売する。
  ・ その費用を、フラット35から借りる。
  ・ 借りるときの条件は、自宅使用であることだ。
  ・ 実際は自宅使用でないのに、自宅使用だと申告。(不正)
  ・ 現実には、賃貸に回す。
  ・ 賃貸の家賃は保証される。(マンション販売業者から)
  ・ マンションの販売価格は 1000万円 (モデルケース)
  ・ マンションのリフォーム代が別途 1000万円。
  ・ リフォーム代は、別の銀行から融資を受ける。
  ・ 1年間は、契約通り、家賃を受け取れる。
  ・ 1年後に、家賃の受け取りが停止となる。
  ・ 業者を捜すと、すでに倒産している。
  ・ リフォームの状況を見ると、何もされていない。
  ・ リフォーム代は詐欺で取られたと気づく。
  ・ 借りた金を返せなくなり、自己破産する。
  ・ マンションの本来の価値は 600万円しかない。競売へ。


 ここでは、複数の詐欺が同時に発生している。
  ・ マンションを本来価格よりも高値で売る。(差額が損)
  ・ リフォームをしないで金だけ取られる。(丸損)

 どうしてこういう馬鹿なことが起こるかというと、自分では居住していないせいで、マンションの現況を理解できないからだ。
 また、自分の足で調べることができないように、マンション業者は初めから遠隔地の客に販売する。たとえば、埼玉のマンションを、静岡の客に販売する。静岡の客は、いちいち埼玉まで出向いて調べないので、リフォームがなされていないということに気づかない。
 また、「自宅向けの融資を、自宅向けだと不正申告して、賃貸用に使った」という後ろめたさもある。このせいで、だまされたと感じても、なかなか警察に届け出ようとしない。(仮に届け出れば、その時点で、自己破産になると判明する。人生、オジャンだ。)
 こうして被害者が愚図愚図している間に、業者は荒稼ぎをして、会社をたたんで、トンズラする。

 ──

 この問題の核心は、どこにあるか? 次のことだ。
  ・ 賃貸用を自宅用だと不正申告したこと。
  ・ マンション業者が異常な高値で販売すること。
  ・ リフォーム業者が詐欺をすること。
  ・ 「家賃保証」という嘘に引っかかること。
   (レオパレス21 の場合と同様だ。)


 明らかにひどい嘘の詐欺なんだが、被害者はあっさり引っかかってだまされてしまう。その理由はいつも同じ。
 「楽をして金儲けをしよう、と思っている。そのせいで、『楽をして金儲けができますよ』という嘘に引っかかる」

 詐欺というのは、毎度毎度、そういうものだ。「儲かりますよ。お金を出してください」というと、欲張りな人は、「楽をしてお金が儲かるのか。うまい話だ」と思って、あっさり金を出す。
 しかも今回は、被害者自身に不正をさせることで、後ろめたさを負わせて、発覚されにくくする。

 ──

 では、どうすればいいか? 
 根源的には、次のことが望ましい。
 「返済できなければ、マンションを売却して、それで埋め合わせるのが原則だ。ところが現実には、融資額に比べて物件の価値が低すぎるので、埋め合わせができない。これは、マンションの販売価格が、最初から異常に高すぎたせいだ。ならば、融資の段階で、物件が異常に高すぎないか、チェックすればいい」

 このことは、朝日の記事でも指摘されている。
 ただし、そうしようとしても、実際にはできないそうだ。なぜなら、手間暇がかかりすぎて、人手をかけられないからだ。
  → (時時刻刻)つけ込む業者、審査に限界 フラット35:朝日新聞

 では、どうすればいい? 私が提案することは、こうだ。
 「フラット35の対象となるマンションは、新規マンションだけに限定して、中古マンションは除外する」


 そもそも、中古マンションは、物件が1つずつ違うので、審査がものすごく面倒臭い。現物を見なくてはわからないこともある。また、取扱業者も零細業者が多くて、信用がない。いつ倒産するかもわかったもんじゃない。
 一方、新規マンションなら、大量の物件が同一条件で一挙に提供されるから、審査は簡単だ。業者も大手だから、信用ができる。そもそも、市場で評価されるから、最初からまともな物件ばかりが出回っている。詐欺物件なんて、あるわけがない。(よほどの零細マンションならともかく。)

 というわけで、対象を新規マンションに限定すれば、問題は起こらないのだ。
 そもそも、フラット35は、35年間の超長期ローンなのだから、中古を対象とする方がおかしい。(中古は残存価値の期間が 35年に満たないことが多い。)
 というわけで、次のようにすることが望ましい。
  ・ 住宅金融公庫の融資は、新規マンションに限定する。
  ・ 中古のマンションは、民間金融機関に任せる。


 ※ なお、戸建ては別だ。土地の価値なら、相場がわかるので、簡単に審査できる。だから、土地への融資は、住宅金融公庫でもできる。今回の問題は、あくまで中古マンションの場合に限定される。

posted by 管理人 at 22:45| Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ