2019年08月29日

◆ 4K放送が暗いわけ

 4Kテレビで 4K放送を見ると、2K放送のときよりも画面が暗い。そのわけは?

 ──

 これは下記で話題になった。(すべて朝日新聞)
  → 4K放送が「暗い」わけ 専門家に聞いて浮かんだ仮説
  → 4K放送、なぜ「暗い」TVメーカーを直撃 残った疑念
  → 「放送開始前、調整しようがなかった」専門家に聞く4K
  → 楽しみだった紅白… 4K画質「あきらめろというのか」
  → 4K放送、画面暗い? 高精細のはずが…苦情 市販TV、低い輝度/2K映像を変換

 さらに、下記で調査された。(すべて朝日新聞)
  → 検証、4Kは暗いのか:1 記者が見比べて実感
  → 検証、4Kは暗いのか:2 「最大輝度」専門家は語った
  → 検証、4Kは暗いのか:3 「見にくい」、メーカー幹部認めた

 最後の記事では、次のことが明かされている。(要旨)
 「4K放送では、ダイナミックレンジが広がり、最大輝度も上がった。それをそのまま再生できればいいのだが、受像器では最大輝度が低めである。そのせいで、画面全体が暗くなってしまう」

 これは、部分的には正しいところもあるが、基本的には誤りである。そこで本サイトが、正しい事実を明かそう。

 ──

 「4K放送では、ダイナミックレンジが広がり、最大輝度も上がった。それをそのまま再生できればいいのだが、受像器では最大輝度が低めである」
 というところは、正しい。しかし、その次に来るのは、
 「そのせいで、画面全体が暗くなってしまう」
 ではなくて、
 「そのせいで、正確には再生できない」
 ということだけだ。

 では、正確には再生できないとしたら、どうするべきか? もちろん、不正確に再生するべきだ。
 では、不正確に再生するとしたら、どうするべきか? 方法は、二つある。
  ・ 輝度の全体を下げる
  ・ コントラストを下げる


 (1) 輝度

 今回は、「輝度の全体を下げる」という方針を取った。このせいで、画面全体が暗くなってしまうのだ。
 したがって、「画面全体が暗くなってしまう」ことの理由は、「輝度の全体を下げる」という方針を取ったことである。要するに、そういうチューニングをしたから、そういう結果になったわけだ。これは意図的なものである。何か外部のことが理由になったわけではない。
 比喩的に言えば、緑の絵の具をあえて使ったから、画布には緑の絵が描かれた、というだけのことだ。意図してやったことなのだから、何も不思議ではない。

 (2) コントラスト

 一方、「コントラストを下げる」という方針もある。この場合は、最大輝度は高くなくても問題ない。「画面全体が暗くなってしまう」という問題が生じることなく、きちんとした画像が得られる。ただし、コントラストが低めなので、画面にメリハリがないように感じられるかもしれない。とはいえ、あまり気にしなくていいとも言える。

 ──

 上の (1)(2) という二つの方式がある。では、どちらの方式を取るべきか? バカならば (1) を取るだろうが、利口ならば (2) を取るだろう。結果的には、(1) を取る機器が多かったので、「画面が暗くなる」という問題が発生したわけだ。
 簡単に言えば、画面設定の仕方を間違えたから、そういう問題が発生した、というわけだ。(「アホやねん」と言ってもいい。)

 ──

 では、対策は? アホな設定を直せばいい。次のように。
  ・ 輝度が低すぎるのを解除する(= 輝度を高める)
  ・ コントラストを弱める


 このことは、テレビの設定項目では、次の用語で示されることが多い。
  ・ 「画面の明るさ」を高める
  ・ 「シャープネス」を弱める


 テレビの設定をこのように変えることで、問題は解決される。

 ──

 とはいえ、2K放送のときのときと4K放送のときで、それぞれ設定を変えるのは、面倒だ。番組を変えるたびにテレビの設定を変えるなんて、あまりにも面倒臭すぎる。

 これを解決するには、次のようにする。
 「4Kテレビに接続する4Kチューナーで、チューナーから出力するときの設定を変える。変え方は、上記と同じだ。再掲すると、こうだ。
  ・ 「画面の明るさ」を高める
  ・ 「シャープネス」を弱める

 4Kチューナーの出力設定で、このように設定を変えれば、問題は解決する。

 4Kチューナーは、場合によっては、このように出力設定を変えることができないかもしれない。その場合は、諦めるしかない。
 だから、4Kチューナーを買うときには、「出力設定を変えることができる」という機能をもつ機種を買えばいい。そうすれば、あとは上記のように設定することで、問題は解決する。

( ※ 最大輝度の高い4Kテレビを買う場合には、上記の変更は必要なさそうだ。)

( ※ 最新型の4Kテレビでは、4Kチューナー内蔵になっていて、もともと上記のような変更がなされているかもしれない。その場合には、何も問題がないことになる。)



 【 追記 】
  朝日の 30日の記事。
 従来の2K放送用のカメラで撮影した映像を、4K放送用に「アップコン(アップコンバート=高解像度化)」する……には、放送標準規格に沿って行われる。
 CMには……「広告業界と放送業界の団体間の取り決めで映像に手を加えられない」「映像をこちらで明るくすれば作り手と映像の関係が崩れる」
( → (けいざい+)検証、4Kは暗いのか:4 撮影は2K、変換が影響か:朝日新聞

 民放番組では、旧来の2K番組を4Kに変換して放送する番組が多い。その番組に挟む CM は、明るくするように調整すると、「手を加えた」ことになるので、明るくできない……という釈明だ。
 しかしこれはおかしい。
 (1) 画面の明るさを調整することぐらいは、「手を加える」ことに相当しない。単に「放送標準規格」とは違う規格で変換するだけだ。ここでは変換の規格が違うだけのことだ。
 (2) 「手を加える」というのは、明るさの調整のような意味ではない。字句の解釈を間違えている。
 (3) 仮に「明るさの調整」を「手を加える」というのなら、「2K → 4K」の変換の方が、はるかに大規模に「手を加えて」いる。変換そのものが不可能になる。
 (4) そもそもCMと番組は別だ。CMの明るさ調整がダメならば、CMは明るさ調整をしなければいい。番組だけ明るさ調整をすればいい。それだけのことだ。
 (5) 実は、2Kの映像は、もともとダイナミックレンジが狭い。だったら、(高輝度に備えて)輝度を下げる必要性が、もともとないのだ。輝度を下げるという処理が、最初から不要だった。

 というわけで、民放の側の「CMのせいで明るさを変えられない」という理屈は、破綻しているわけだ。
 
posted by 管理人 at 19:25| Comment(2) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2019年08月30日 13:00
アナログレコードにおけるRIAAカーブのような問題があるのだ。知らなかった。
Posted by senjyu at 2019年08月30日 19:32
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