2019年08月28日

◆ 京都ランドを作れ

 京都の混雑がひどすぎて問題となっている。これを解決するために、(京都のレプリカとなる)「京都ランド」を作るといい。

 ──

 京都の混雑がひどすぎて問題となっている。これについては前にも述べたことがある。
  → 京都の観光混雑の問題: Open ブログ
 
 ここで示した対策は、「古都税」「宿泊税」「通行税」などだった。そのいずれも「需要を減らす」という方針によるものだった。特に「税額を高くすれば、観光需要を減らせる」というふうにも打ち出した。
 ただ、とりあえずは対策を示したが、いずれも平凡な案だったし、名案とは言いがたかった。

 ──

 そこで、本項ではまったく新たな提案をしよう。基本はこうだ。
 「年間 5000万人を越える莫大な観光客という観光需要がある。この需要を抑制するのではなく、逆に、観光供給を増やす」


 つまり、「需要を減らす」という平凡な案のかわりに「供給を増やす」という斬新な案を取るわけだ。

 では、「供給」を増やすとして、どうやって増やすか? 金閣寺や銀閣寺のような観光資源を増やしたくても、そう簡単に増やすわけには行かないが。
 また、そもそも京都という街並みは面積が限られており、今さら街並みを増やすことはできないが。
 さて。困った。どうする? 

 ──

 そこで困ったときの Openブログ。名案を出そう。こうだ。
 「京都の近郊の広大な空き地に、広大なアミューズメントパークを作る。名前は 《 京都ランド 》(仮称)とする。ここに、金閣寺や銀閣寺のような観光資源のレプリカを、大量に建設する。ここに来れば、京都の各地をいちいち見て回る必要もなく、短時間でたくさんの寺社をめぐることができる」


 簡単に言えば、京都をもう一つ作ってしまうわけだ。これで、供給は2倍になるから、人口密度は半分になる。かくて、異常な混雑という問題は一挙に解決に向かう。

 京都をもう一つ作るといっても、そっくりそのまま京都を再現するわけではない。観光資源だけをまとめて再現する。狭い場所にまとめて再現するわけだから、バスで移動する必要もなく、自分の足で歩くだけで観光めぐりができる。当然、バスの混雑という問題もない。

 ──

 「そんなのはいくら何でも荒唐無稽だ」
 と思うかもしれないが、さにあらず。実は中国にはすでに 《 京都ランド 》 みたいなものができている。「京都のレプリカ」として有名だ。下記に記事がある。
  → 「国家最大級」の京都再現プロジェクト、中国で進行中。度肝を抜かれる全貌とは?

 動画もある。




 ここで再現される京都は、京都の街並みであって、金閣寺や銀閣寺のような観光資源ではない。
 一方、本項で提案する 《 京都ランド 》 は、金閣寺や銀閣寺のような観光資源のレプリカがたくさんあるのだ。
 しかも、入場料は安い。金閣寺や銀閣寺のような寺社は、入場料が高いので、そういくつも見ることはできない。(時間もかかるし、金もかかる。)しかし、京都ランドに来たら、安い入場料で多くの寺社をまとめてみることができるのだ。これだったら、金にうるさい中国やアジアの客には大歓迎されるだろう。

 しかも、こういう金のない客がまとまって 《 京都ランド 》 に行くので、肝心の京都の本体の方は、金払いのいい乗客ばかりが残る。かつ、混雑もなくなる。一石二鳥だ。

 ──

 さて。問題は場所だ。場所はどこか? そんな場所がうまくあるのか?
 もちろん、ある。京都の南側にある宇治川の、さらに南側(川向こう)だ。ここには広大な田畑がある。





 この強大な空地に 《 京都ランド 》 を作ればいいのだ。多くの観光客がそこに行くことで、肝心の京都の混雑は激減するだろう。

 ──

 なお、本案の目的はあくまで「京都市民の日常の不便さ」を解決することである。「観光資源を2倍にすることで、観光産業の売上げを2倍にすること」なんかではない。仮にそんなことになったら、元の木阿弥だ。
 ただ、そうなったら、第2の 《 京都ランド 》 を作ることもできるだろう。そのための場所は、なくもない。上記の場所の西側と南西には、広大な田畑があるから、第2、第3の 《 京都ランド 》 を作ることもできそうだ。
( ※ 「京都 Sea(海)にしろ」という声も出るかもしれない。それは無理でも「京都 lake(湖)」なら可能かも。)

 というわけで、いろいろと夢のある案となるわけだ。



 [ 付記1 ]
 心配する声も出そうだ。
 「京都や奈良の当たりは、地下に歴史的埋設物が埋まっているから、工事ができなくなって、建設期間がものすごく長くなりそうだ」
 と。
 しかし、大丈夫。これについては、次の対策ができる。
  ・ ほとんどは、緑地の公園と、平屋建てにする。
  ・ 平屋建ての地区では、盛り土する

 こうすれば、地下に穴を掘る必要もないから、地下の埋設物を気にする必要はない。

 例外として、ごく一部だけ、平屋でなくて、ちょっと高い建築物ができる。(金閣寺や銀閣寺のレプリカなど)
 ただし、そういう場所は、全体のうちではごくわずかだから、あまり大きな問題とはならないだろう。

 [ 付記2 ]
 なお原則としては、 《 京都ランド 》 のほとんどの面積は、和風の庭園となっている。金閣寺の庭園のような。





 ほとんどが庭園なのだから、建設費はそれほど多額にはならないだろう。庭園なら、(ディズニーランドの)建物みたいに、30年ぐらいで償却する必要もないから、長い時間をかけて少しずつ償却すればいい。その分、コストも下がる。

 [ 付記3 ]
 「本物じゃなくてレプリカなんて、つまらないだろう。どうせ客が来ないぞ」
 と思う人もいそうだ。だが、大丈夫。
 実は、金閣寺はそもそもレプリカなのだ。あれは、昔からある本物の金閣寺ではない。かつて何度か火災で焼失したあとで、何度も何度も新たに再建されたものだ。
 近いところでは、三島由紀夫の「金閣寺」で描かれたように、消失したことがある。その後にできたレプリカが、今の金閣寺だ。あれを本物だと思ってはいけない。あれはただのレプリカなのである。
 結局、ただのレプリカを飾っても、人々は本物だと思って、見に来てくれるのだ。それを最も期待しているのが、名古屋城(再建)だろう。
 ※ 熊本城もそうですね。



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 [ 付記4 ]
 レプリカのテーマパークとしては、「ハウステンボス」もある。年間 300万人ぐらいが来る。
  → ハウステンボス、料金を値下げ 入場者目標を310万人回復に
 ハウステンボスには、弱点が二つある。
  ・ 長崎県という遠隔地にあり、関東・関西から遠い。
  ・ 石造の巨大建築物が非常にコスト高。

 商業的には非常に難しそうだし、いったん破綻したこともあったのだが、現在ではとりあえず商売が成立している。

 一方、京都ランドは、上記の弱点がないので、はるかに有利である。
 「本物の京都には行かずに、京都ランドに行く」
 ということはなさそうだが、
 「本物の京都の寺社を三つ見るかわりに、本物の京都の寺社を一つ見て、あとは京都ランドの寺社を五つ見る」
 というふうにはなりそうだ。これだと、滞在時間の3分の1だけが本物の京都となるので、本物の京都では混雑が激減する。

 [ 付記5 ]
 京都ランドだけで済ませると、京都市内でのバス移動がなくていい。となると、バスを運用するためのコストがなくなるから、観光のコストが大幅に低下する。加えて、入場料の費用も減らせる。
 このことから、中国人向けの「京都ツアー」の料金を大幅に下げることができそうだ。たとえば、3割減。……そうなると、金にうるさい中国人の観光客を、大幅に「京都ランド向け」に転じることができそうだ。(日本人はともかく。)

 [ 付記6 ]
 「レプリカよりは本物の方が魅力的だから、本物の方を見に行きたがる」
 という反論もあるが、これは話を根本的に見誤っている。なぜか? 現状の京都は、「需要」でなく「供給」が不足しているからだ。
 今の状態は、「飽和」という概念で理解するといい。供給が不足して、需要が過剰である。こういう状況で、さらに観光客が増えれば、寺社の入場者が増えるのではなく、路上にいる渋滞客が増えるだけだ。「1日のほとんどを渋滞中の観光バスに乗って路上で過ごす」というふうになるだけだ。
 これでは、観光に来たのか、渋滞で苦しむために来たのか、わかったものじゃない。だったら、「渋滞中のバスに乗って過ごすよりは、京都ランドで和風庭園と寺社を体験する」という方がずっとマシだ。
 つまり、選択肢は「本物か/レプリカか」ではなく、「渋滞中のバスか/レプリカか」というふうになるのだ。それが将来の観光客の選択肢だ。

 現在は、韓国からの観光客が激減しているので、京都はちょっとは過ごしやすいかもしれない。今秋もそうなりそうだ。しかしその後、五輪の期間になったら、京都市内は渋滞だらけになりそうだ。(今もそうだが、もっとひどくなる。)
 こういう将来を見据えて、五年後、十年後を想像すれば、京都にあふれる外国人観光客をどうするべきか、(本項に基づいて)考えるべきだろう。



 [ 補足 ]
 京都市への観光客は、年間 5300〜5500万人程度。(年によって変動あり。)これは、日割りすると、1日 150万人程度。
 京都市の人口は 147.5万人。(2015年〜2016年:公式)
 つまり、京都市では、観光客数と住民数とがほぼ同じである。圧倒的な観光混雑となっているわけだ。(世界最大の観光都市かもしれない。)

 なお、データは下記。
  ・ 京都市の観光入込客数 …… 5362万人 / 5522万人
  ・ うち、外国人宿泊客数 ……  352万人 / 318万人
   ※ 外国人の統計は宿泊客のみ。


 出典は下記。
  → 平成29年京都府の観光入込客数等/京都府ホームページ

posted by 管理人 at 19:40| Comment(6) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白いですね、これ。
再現の時点を幕末に設定して、街頭で新選組と維新の志士たちのチャンバラを見せたり、平安時代設定で牛車でパレードさせたりしたら外人にウケるんじゃないだろうか。
Posted by 青森県人 at 2019年08月29日 09:11
いやぁ、どうかなぁ、、、
すぐ近くに本物があればやっぱりそっちにいくと思う。
付近3の話なんて意味なし。
現状で「本物と信じられている」ものが近くにあることは皆の共通認識な訳だから、
よっぽど金かけて本物には無い良さや楽しめる点がある
アトラクティブなものに仕上げないとレプリカの方には行かない。
行ったとしても、結局本物の方にも足を運ぶと思うので
商業的には良くても混雑は緩和されるどころかより酷くなるだけだと思う。
本物との違いとか気になるし。
もっと遠い別の場所に作るならいいけどね。
と言いつつ、既に中国にあるわけなので、やっぱりいらないか。
混雑緩和を目的としないさらなる商業新興なら別にいいかと思いますがね。
Posted by OMG at 2019年08月29日 09:47
こちらの話を思い出しました。
https://news.mynavi.jp/article/20130220-a101/

仏像等の所蔵品を一定数(一定期間で入れ替えなどして)そちらで公開とかすれば、
それだけで人の流れは変わるかと。
Posted by ぽんた at 2019年08月29日 12:12
 [ 付記3 ] のあとに、いろいろと書き足しておきました。
Posted by 管理人 at 2019年08月29日 12:48
何で京都ばかり人気あるのか不思議です。
欧米系の観光客は京都リピーター少ないですが(嘗てのアンドレ・マルローやドナルド・キーンのような本気の日本文化愛好者なら別ですが少ない)、やっぱアジア系が物凄く多いですね。(その流れで大阪で買い物・B級グルメ三昧)
この数年、箱根や群馬の温泉へ良く行くのですが、個性的な温泉宿(泉質や湯殿建築の面白さ)で欧米人を良く見かけます。(塔ノ沢の老舗温泉旅館では9割くらいが欧米人でした)欧米系は、やっぱり旅が上手いし、アイデアがありますね。
旅のスタイルをどんどん提唱していかないと、京都は潰れますね。(観光客に媚び売りすぎて違う感じになっていってる所もありますし)
Posted by 名無し at 2019年09月01日 16:38
 欧州には日本みたいな山や温泉は少ないので、欧州の人には温泉地が人気なのでしょう。

 アジアだと、山岳地帯も多いので、日本の山はそう珍しくもないのでしょう。

 あと、アジアの人は初めての海外旅行となることも多いから、ビッグネームの場所に行きたがるのでしょう。日本でも昔は米国というとNYやLAばかりが人気だったのと同様。

 実は、京都よりも東京の方が客は多いはずだが、容量がずっとデカいから、十分に吸収できる。

Posted by 管理人 at 2019年09月01日 16:48
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