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韓国人の頭がおかしくなっていると思ったら、横浜市民の頭もおかしくなっているのか? ……と疑いたくなる人も多いだろう。しかし、そうではない。
前回の市長選(2017年)では、どうだったか? 林市長はもともと「カジノ推進」の方針を取っていたが、「カジノ反対」を掲げた対立候補が出た。こうなると、当選があやふやになるので、方針を撤回して、「カジノは白紙にします」といって、ゴマ化した。白黒をはっきりさせないことで、カジノ反対論者の票を取ろうとしたのである。(「玉虫色」というやつだ。)
で、選挙では、対立候補を破って当選した。するとさっそく、カジノ推進っぽい調査を始めて、さらにはいろいろと地ならしをした。そして2年たったところで、「やっぱりカジノは推進します。白紙にするのは撤回します」と言い出したのである。
以上をまとめて言えば、こうだ。
「林市長は、白紙にすることで、住民をだました。住民はだまされて、林市長に票を入れた」
ここでは、「だました側」と「だまされた側」がいる。一種の詐欺みたいなものだ。で、弁解ふうに、こううそぶくのである。「白紙というのは、当面は未定ということであるにすぎない。だから嘘をついたことにはならない」というふうに言い張って。
ま、その本心は、「ああ、だましたよ。だけど、だまされた方が悪いのさ」ということだろう。
というわけで、横浜市民は、頭がおかしいように見えても、(韓国人のように)頭がおかしいわけではない。単に詐欺師にだまされただけなのだ。愚かといえば愚かだが、「頭がおかしい」というよりは、「お人好し」(だまされやすい)というだけのことなのだ。
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なお、林市長がこういうふうにだましたことは、それはそれで、政治家としては上手なやり方だと言える。なぜなら、仮に正直者であったなら、落選していた可能性が十分にあるからだ。
市長選での林市長の得票率は、52% であるにすぎない。過半数をちょっと上回っているだけだ。もし正直に「カジノを推進します」と言っていたら、カジノ反対論者の票が大幅に逃げていたから、過半数割れは確実だっただろう。
それでもこのときは、カジノ反対論の対立候補が2名も出て、乱立状態になったので、批判票を半分ずつで分けあってしまった。最終的には、林市長の当選は揺るがなかっただろう。
それでも、対立候補が一本化に成功していたなら、林市長の当選は無理だった可能性が高い。(カジノ推進論を掲げていたならば。)
結局、林市長は、「対立候補の乱立」という敵失と、自分の嘘(≒ 本心を隠すこと)によって、見事に勝利したことになる。
で、その嘘に、横浜住民はだまされてしまったわけだ。
※ 大阪住民は、カジノを推進する維新を支持している。一方、横浜住民は、カジノを推進する林市長を支持したわけではない。カジノを推進を隠した林市長に、だまされただけだ。
※ 大阪はもともとガラが悪いので、大阪ならばカジノがお似合いかもしれない。西成・あいりん地区あたりならば、カジノがあってもよさそうだ。
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林市長は家事の導入の理由を、「経済発展のため」というふうに言っている。
→ 「成長、発展にIR必要」 会見で林市長 | 政治行政 | カナロコ
しかしそこで述べる経済効果のほとんどは、カジノ自体の効果ではなく、付随する IR 施設によるものだ。で、それらの付随する IR 施設があれば、カジノなんかはなくても構わないのだ。
たとえば、カジノのかわりに「恐竜ランド」を作るとか、「ジブリ・ランド」を作るとか、「万博ランド」を作るとか、他にもいろいろと代替案はある。そういう代替案の方が、健全化するので、都市や街としての魅力は高まるだろう。
だいたい、横浜みたいな大都会が、ラスベガスみたいな中小都市の真似をしたがるなんて、本末転倒というものだ。熱海や箱根みたいな小さな観光都市がやるならまだわかるが、横浜みたいな大都会がやることじゃないよね。方針が根本的に狂っている。
横浜みたいな大都市は、もっとレベルの高いリゾート施設を建設するべきなのだ。カジノなんて、田舎都市が招くにふさわしい、低級リゾートであるにすぎない。大阪の西成・あいりん地区にはカジノが似合うだろうが、日本でもトップクラスにハイセンスな横浜には不似合いであるというしかない。林市長の頭はあまりにも田舎っぽいのである。
※ 「田舎にならカジノをどんどん設置していい」という意味ではない。(田舎を汚物のゴミ捨て場のように扱っているわけではない。お間違えなく。)
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また、そもそも住民がカジノに大反対している、という事実がある。これは重要だ。
《 IR県内誘致、有権者6割超が「反対」 本社世論調査 》
神奈川新聞社が 14〜16日に行った参院選世論調査で、県内有権者の6割超がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に「反対」と回答した。県内のどのエリアでも「反対」が過半を占めた。横浜市が誘致の是非を検討し、地元経済界などから地域活性化を期待する声が上がるが、多くの県民はIRを不要と考えており、認識にギャップがあることが浮き彫りになった。
( → 選挙データ | カナロコ by 神奈川新聞 2019年07月18日 )
なお、全国で見ても同程度の数値となる。
《 世論調査で66.8%が反対 横浜市のカジノ誘致白紙で各自治体も尻込み 》
「治安が悪化する」などの理由で、自分の住まいの近くにカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)を整備することには反対と考える人が66.8%で多数を占め、賛成の人は22.8%にとどまることが、時事通信社の世論調査で分かった。
( → (2017年8月19日) - エキサイトニュース )
これほどにも住民・国民が反対しているものを、強圧的に強行しようというのだから、独裁専制に近いと言える。
日本人は、香港を弾圧する中国を批判したり、親日派を弾圧する韓国を批判したりするが、実は、日本の首相や横浜の市長も同様の独裁専制ぶりを発揮しているのだ。安倍首相の独裁ぶりは、枚挙に暇がないから記さないが、先進的とも思えた横浜市でさえ、こういう独裁専制による住民無視という非民主的なことがなされているのである。
しかも、市長はそのことを隠そうともしない。反対派の意見をあくまで弾圧して、自分の独断を通そうとすることを表明した。次のように。
《 横浜市がカジノ誘致表明 林市長は「住民投票するつもりない」と断言 》
横浜市民の大多数の民意はカジノ反対とされる。市が実施したパブリックコメントでも、94%が「市民の意見を聞くべき」などと反対した。6月末の横浜市の説明会でも「反対の声が多かった」(参加者)という。あまりにも反対の声が多いため、ギリギリまで林市長はカジノ誘致を表明できなかったというところだろう。
その反動か、立場を明らかにした林市長はカジノを強硬に推進していく姿勢を何度もあらわにした。その最たるものは、「住民投票はするつもりはない」と断言してしまったことだ。
しかし、住民投票を実施するかしないかについて市長に判断権限はない。投票資格者の10分の1の署名が集まれば、地方自治体は実施しなければならないからだ。
より民意を表す直接民主制の住民投票をやらないと林市長は断言してしまったことは、選挙で選ばれた政治家としての資質が問われる話。
( → (2019年8月22日) - エキサイトニュース )
法律を無視して、住民投票を阻止してまで、自らの独断を通そうとする。これはもはや、民主主義の否定であるどころか、法治主義の否定ですらある。戒厳令でも発令して、法律停止状態にでも持ち込むつもりだろうか。ひょっとして、自衛隊によるクーデターでも目論んでいるのかもしれない。 (^^);
それはまあ冗談だが、法律音痴(無知)はともかくとして、「住民投票はするつもりはない」なんて平気で言えるところは、独裁資質たっぷりと言える。まさしく北朝鮮や中国の独裁者並みだと言える。(トランプ並みとも言えるが。)
ともあれ、今の横浜は、こういう状態にあるわけだ。香港の心配をするのもいいが、横浜の心配もするといいだろう。ひょっとすると、反対デモに警察が催涙弾を発射して、死者やケガ人がが出るかもしれない。
人々が韓国のことで大騒ぎしている間に、横浜では独裁者がこっそり独裁体制を進めつつあるのだ。
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蛇足。
そもそも、「バクチをやってもいい」なんて思う人は、自分の子供や孫にバクチをやらせればいいのだ。林市長も、自分の孫(ひ孫)にバクチをやらせればいいのだ。
なのに、自分の孫には「バクチをやってはいけません」と躾けておいて、他人の子供には「バクチはステキです。ここに来てね」と誘うなんて。身勝手であるにも、ほどがあるというものだ。ほとんど悪魔だね。
[ 付記 ]
カジノ賛成論者は、「カジノで儲かる」と思っている人が多いようだが、そんなことはない。そういう「捕らぬタヌキの皮算用」なんかをしていると、あとでひどい目に遭う。
マカオあたりのカジノが繁盛しているのは、中国の腐敗政治家が、黒い金をマネーロンダリングするためである。そういう用途がない日本では、カジノを開いても、さして繁盛するはずがないのだ。この件は、前にも論じた。
→ カジノの皮算用: Open ブログ
実際、アメリカのラスベガスなども儲かっていない。トランプに至っては、大赤字を出した。
→ トランプ候補のカジノ経営失敗: Open ブログ
また、カジノの場所だけでは黒字になっても、周辺ではバクチで人生が破綻する人が増えるので、その社会的支援のために、莫大な税金の支出が増えるので、社会のトータルでは大幅赤字となる。
→ ギャンブルの社会的功罪: Open ブログ
【 関連サイト 】
カジノがいかに社会的に害悪をもたらすかは、多くの人が漠然と感じている。そのことを分析した記事もある。詳しい話なので、読むといいだろう。
→ 【横浜のIR誘致表明】横浜にカジノは必要がない理由
いづれ誘致表明するだろうなとは思っていました。
「関東の大都市にはカジノは要らないが、田舎や大阪には良いというのは、けしからん! 田舎蔑視の差別主義だ!」
というふうに。
いやいや。私はそんなことは言っていない。「田舎ならともかく大都会にカジノというのはダメだ」と言っているだけであって、「田舎でカジノを推進しよう」なんて言っていない。むしろ「カジノそのものがダメだ」と言っている。ちゃんと読んでほしいね。
大阪の場合は、例外だ。知事(維新)がカジノ歓迎・推進という方針を打ち出して、住民がそれを支持した。ならば、民主主義の建前からいって、カジノを導入するのも当然だろう。「白紙」なんて言ってゴマ化した林市長とは違って、堂々と「カジノ推進」を打ち出して、それで当選したのだから、民主主義に合致する。
ただし、大阪の場合は、肝心の米国のカジノ会社が「大阪には進出しません」と言って、撤退してしまった。
→ https://www.traicy.com/20190822-sands
ラスベガスに行けない県民にとっては、リゾート博覧会の跡地に、本物のカジノを誘致して、観光客をおもてなししたいし、
寂れた街に活気を取り戻したいです・・・
そういえば、今月、和歌山の港に 「ぱしふぃっくびいなす」が立ち寄って、海外の乗客が市内を観光していったようですね!
ラスベガスでは大赤字だし、トランプのカジノ会社は破産しています。和歌山の場合は、自治体が赤字を負担するのかな?
結局、大赤字を出して、その分、保育所とか教育とか福祉とかの出費が削られるのを、覚悟しておきましょう。
ついでだけど、地方競馬も、大幅赤字のところが多いですよ。
http://j.mp/2MAX1Pn
ギャンブルをやれば大幅黒字というのを夢見たあげく、大幅赤字を出していれば、世話がない。
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だいたい、米国の会社は、大阪でさえ進出したがらない。まして、和歌山になんか、来るはずがない。来るとしたら、和歌山が巨額の誘致費を払った場合のみ。その赤字は住民が負担。
→ https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260810
やはり採算が厳しいらしい。
以下、転載。
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中学校給食実施に自民党が反対しているのは、実施した場合の運営費をはじめ、福祉や教育など毎年支出するお金を少なくして大型公共事業の財源を確保するためです。
https://www.townnews.co.jp/0101/2019/03/07/472017.html
https://www.nwn.jp/event/190810_cruz/
大阪方面からの、夏場の観光客の数は、関空からの外国人も含めて、中々のものですが、シーズンオフになると目玉が無いんだよね・・・
インバウンドでも何でもいいから、とにかく活気が欲しいな(イオンが出来てもまだまだ寂しい・・・)。
Openブログの力で、和歌山に活気を!(笑)
カジノで100億以上熔かした大王製紙の元会長・井川氏も、日本でカジノは成功しないと言ってましたよね・・・