2019年08月16日

◆ 売れ残りの全量買い上げ

 売れ残りの野菜を全量買い上げする……という運動がある。「これで食品ロスが減るのでエコになる」という趣旨。

 ──

 これは朝日新聞で紹介された運動だ。「マルシェ」という言葉を使っている。(「市場」を意味する用語の転用)
 《 野菜も心も傷めない マルシェで売れ残り、会員や地域に 》
 本橋秀一さん(40)の店では、キュウリやシシトウなどが売れ残った。事務局側は、2千円分の野菜を買い取った。本橋さんは「マルシェで1日並べると他の所にはもう出せず、売れ残りは畑に戻すしかない。ロスも減るし、食べて喜んでもらう方がやっぱりうれしい」。
 「天気や客入り次第で売れ残りはどうしても出てしまう。手塩にかけた野菜が無駄になるのを見ると、心が痛かった」と事務局の塚本さんは話す。
 サポーターが払う月3千円の会費の一部を野菜の買い取りに使い、受け取り希望者に無料で配る。
 荒天も影響し、この日売れ残った野菜は段ボール25箱分。すべて協賛企業の協力でマルシェ側が定価で買い取った。地域の飲食店に無料で提供したほか、近隣企業で割引販売したり、果物をジュースにして銭湯で湯上がり客に配ったり。
( → 朝日新聞

 売れ残りをなくして、食品ロスが減るから、エコになる。万々歳……という趣旨なのだろう。
 しかし、呆れた。これはあまりにもひどい。
 なぜか? 正しくは、こうするべきだからだ。
 「売れ残りが出そうになったら、価格を下げる。どんどん価格を下げて、最終的にはゼロ円にまで下げる。そうすれば、売れ残りはゼロになるから、何も問題はない」


 これは、スーパーの「売れ残りに割引シール」という方式と同じだ。コンビニでも、こうすればいい、と指摘されている。なのに、コンビニ本社は、割引販売を禁止する。そのせいで、大量の売れ残りが発生して、大量の食品ロスが発生する。
 こういう問題の馬鹿馬鹿しさを知っていれば、「売れ残りが出そうになったら、値引きする」という方式で解決する、とわかるはずだ。

 なのに、朝日の記事は何だ。サポーターから金を徴収して、その金で(割引なしの)「定価買い上げ」をする。そして食品を無償で配ることで、食品ロスを減らすという。
 しかし、無償で配っても、もらった方が持て余して、家庭でゴミにする可能性が高い。何しろ、記事では売れ残り野菜が「段ボール25箱分」である。これを配布したとすると、もらった方も、一人あたりで大量になりそうだ。処理しきれずにゴミ箱行き……となる可能性も高い。

 では、どうすればいいか? こういうことは、学問的にきちんと判明している。
 「資源を最適配分するには、市場で売買すればいい」


 つまり、市場原理による配分だ。
 こうすれば、必要度の高い人が高い価格で買うので、必要度の高い人のところに品物は配分される。かくて、市場で取引するだけで、自動的に最適配分がなされる。
  ※ 「パレート最適」というような用語で調べればすぐにわかる。

 朝日新聞は、原始共産制みたいな石器時代の発想を捨てて、貨幣というものが生じた文明時代の発想を取り入れるべきだ。要するに、朝日新聞の頭は、原始人並みだ。馬鹿丸出し。
 世の中はコンピュータなどで情報化時代なのに、いまだに石器時代みたいな「物々交換」の発想を取る記者がいるのだから、呆れるしかない。
 ※ いや、交換しないから、物々交換よりもひどいな。
   原始人という人間でなくて、獣並みの発想かも。

 ──

 朝日新聞は、「エコ」となると、やたらと盲目的に賛美の記事を書く。そういう文学系丸出しの発想を取る前に、ちょっとは社会科学や自然科学の発想で、物事を数字で考えるようにしてほしいものだ。
  ※ 定量的に考えろ、という意味。
    朝日新聞の知能では、無理かもしれないが。

  ※ 朝日の記事の方針を取ると、金を払う人は、
    「善意を利用された、詐欺の被害者」かもね。



 [ 付記 ]
 記事には、次の話もある。
 イタリアやデンマークでは、売れ残った生鮮品を慈善団体へ寄付する取り組みが広がっているという。

 これは、特に悪くない。生産者が、余ったものをゴミとして有料で処理するかわりに、無償で頒布することで、ゴミ処理コストを減らすわけだ。 win-win の関係となる。
 ここではもちろん、「誰かが金を払って、定価で全量買い上げ」なんていう馬鹿げたことはしない。詐欺師にだまされる被害者はいないわけだ。
posted by 管理人 at 20:33| Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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