超大型台風の台風 10号が近づいているが、対策はまったくできていない。ひどいものだ。
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超大型台風の台風 10号が近づいている。
最新情報は、ググれば見つかる。
→ 台風 - Google 検索
12日夜の時点では、下記の情報がある。
→ 超大型の台風10号 広範囲で荒天の恐れ - 日本気象協会 tenki.jp
西日本を直撃しそうだが、東日本でも広範囲に影響が出そうだ。
満月の満潮と重なることの影響を心配する指摘もある。
→ 巨大な台風10号、危険な満月の頃の上陸か - Yahoo!ニュース
詳しくは、上記のリンク先を呼んで、情報を得てほしい。ともあれ、こういうふうに大変な状態となっている。
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では、それに対する対策はどうか? 毎度のことながら、事前に警報することぐらいしか能がないようだが、私としては、重大な対策を指摘したことがある。こうだ。
「台風が来る前に、ダムの水を放出して、水位を下げておけ」
詳しくは下記。
→ 桂川 氾濫 とダム制御: Open ブログ
→ 豪雨対策は事前に取れ: Open ブログ
→ ダム操作のミスで氾濫: Open ブログ
→ 日本のダム管理能力: Open ブログ
→ ダムの放流のフィードバック: Open ブログ
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以上が、私の立場だ。これによって、氾濫を予防できる。また、被害が起こるとしても、被害を最小化できる。
一方、過去の事例では、次の方針が取られた。
「ダムの水位は普通にしておく。台風が来たら、水を貯めて、100%まで貯め込む。100%になると、ダムが決壊する恐れがあるので、一挙に大量の水を放出する。そのせいで、下流では急に大量の水が押し寄せて、溺れ死ぬ人が出たり、堤防が決壊したり、河川が氾濫したりする」
これは、被害を最大化するという方針だろう。(狂気的)
では、今回はどうか? ざっと調べてみたところ、こうだ。
→ 広島県のダムの貯水率
→ 関東の利根川系のダムの貯水率
いずれにせよ、貯水率は(夏の設定量に対して)、100% 近くの貯水率になっている。
つまり、「台風が来る直前には、ダムの水位を最大限にしておく」(最も氾濫させやすくする)という方針が取られている。「台風が来たから、水位を下げておこう」というような発想はまったくない。
で、どうなるか? 台風が来ると、(ダム最大水位と、夏季最大水位の差に当たる)余裕量の分だけは、貯水できる。しかしそれが埋まったら、あとは一挙に放水するので、下流では例によって大きな被害が起こる。
つまり、大きな被害が起こるとわかっていて、あえて無為無策でいる(というより、かえって被害を超最大化するための努力をする)というのが、現状だ。(超狂気的)
ま、それでも、並みの台風ならば、大丈夫だろう。しかし今回は、超大型の台風だ。しかも鈍足なので、降水量は多くなりそうだ。
ダムの管理がこうであるとしたら、できる対策はただ一つ。棺桶(かんおけ)をたくさん作っておくことだけだ。── これが日本の台風対策(というか災害対策)なのである。
[ 付記 ]
私としては「事前に水位を下げておく」という対策を書いたが、その後、これに対する反論がいっぱい来た。「ダムの管理者は最大限の努力をしている。ダムの管理者を批判するな」という趣旨。
まるで中国やソ連で「お上を批判するな」という意見みたいなものだ。
かくて、多大な被害者が生じるわけだ。超巨大な台風(など)が来るたびに、名もなき市民の命が奪われる。
※ 私は事前に警報を鳴らしておいた。それが目的だ。
予測を当てることが目的ではないので、念のため。
※ 市民としては、どうせ氾濫の被害は起こるとしても、
せめて早めに避難して、命だけは守りましょう。
2019年08月12日
過去ログ
利根川8ダムの特徴として、1つ1つのダムの流域面積が狭いので、
特に容量が最大の矢木沢ダムがそうですが、
夏季制限を設けているので、その限界に達することはまずないと思います。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000620438.pdf
ただし、今までなかったことが起こると考えるのが本当の防災かもしれませんね。
期待値を高くするのがベストなのか、最悪値を高くするのがベストなのか、
おそらくその中間にベストがあると思いますが、
具体的な方法が私にはわかりません。
ただし、そのコストを払うのは、河川管理局。超高額被害を被るのは、住民。したがって、河川管理局としては、自分のわずかな利益を狙うのが最大の得だ。「他人がどれほど莫大な損をしようとも、自分の小金を守りたい」というのが、エゴイズム。
国がエゴイズムを採るというのが本末転倒だが、省庁割りの省益だと、そうなる。
それを調整する法律や仕組みが必要ですね。