──
朝日新聞と共同通信が報じている。内部情報らしい。
日本郵政グループが、かんぽ生命保険の商品を委託販売する日本郵便の営業ノルマを廃止する方向で検討していることが28日、分かった。
( → かんぽの保険 ノルマ廃止を検討 )
日本郵政グループは、かんぽ生命の保険を委託販売する日本郵便の営業ノルマについて、廃止する方針を固めた。当面は不適切な販売で損失を被った顧客対応を優先する。長門正貢・日本郵政社長が今月末の会見で表明する見通しだ。
販売の落ち込みを避けられないが、今年度は顧客対応を優先。ゆうちょ銀行を含めた郵政グループ全体で収益維持をめざす。来年度以降、ノルマとは別にどのような方法で販売額を保てるかについて営業態勢の見直しを進める。
( → かんぽの保険、営業ノルマ廃止へ 不適切販売受け [かんぽ不正]:朝日新聞 )
単にノルマを廃止するだけなら、大幅な収益悪化が避けられない。特に、成績不良の人が問題だ。他の保険会社ならば「歩合給」という方式で給料を下げることもできるが、日本郵政は固定給だから、そうもできない。
→ かんぽ生命の不正: Open ブログ
となると、このままでは大幅な収益悪化となる。会社側は「ノルマとは別にどのような方法で販売額を保てるかについて営業態勢の見直しを進める」なんて能天気なことを言っているが、何と甘いことを言っているんだろう。日産は黒字が消えただけだが、日本郵政は大幅赤字となりかねないのだ。企業存続の危機なのだ。そこを自覚できていないようだ。
政府も経営者も、みんな無責任すぎる。JDI みたいなものかな。なすべきことを何もしないで、ダラダラと放漫経営を続けて、莫大な赤字を出す……というわけ。
それでも何とか倒産せずにやってこられたのは、奥の手があるからだ。それは「税金注入」である。日本郵政もそのつもりなのかもね。
「ノルマをなくせば、1000億円以上の赤字が出るかもしれないが、その赤字は税金注入で埋めればいいさ」
と。だから、経営者も政府も、平気でいるんだろう。
[ 付記 ]
朝日新聞あたりだと、「ノルマを廃止して良かった。これで万々歳」というような社説を書きそうだ。
というか、すでに、「経営者はノルマを廃止せよ」という社説を書いていた。だから私はそれを批判した。
→ かんぽ生命の不正: Open ブログ の 【 追記 】
今回のノルマ廃止の報道を受けて、朝日の社説は「自分の意見が実現した!」と大喜びしそうだ。しかしそれが巨額の税金投入に結びつくということに、気づきもしないのである。度しがたいね。
──
参考記事
https://diamond.jp/articles/-/223583