火災など、万一の場合に備えて、日頃から危機管理意識を持つことが大切だ。
──
こういうことは、私は日頃から何度も言っているので、読者は「またか」と思うかもしれない。
ただ、京アニの事例で、危機管理意識の欠落があまりにもひどいので、ここでまた言及したい。
→ 京アニ、原画データサーバー焼損免れる:朝日新聞
データサーバーが焼損しなかったので、データの復旧を試みるそうだ。
しかし現場はものすごい高熱で、例を見ないほどひどい惨状だったという。また、大量の水も散布された。高熱と水のダブルパンチだ。
となると、地下のサーバーが形だけ残っているとしても、データが生きている可能性はきわめて小さいと見ていいだろう。
──
この件では、「クラウドにバックアップを残していなかったのか」という感想が多く寄せられた。私も同感だった。
まったく、この時代に「クラウドにバックアップ」をしていなかったなんて、ほとんど無知な素人同然であって、あまりにも初歩的知識を欠いている。ひどすぎるとしか言いようがない。
これほどにも危機管理意識が低いとなると、火災保険にも入っていなかった可能性がありそうだ。となると、建物の費用も出ない。物損の損失も補償されない。大損害になる。だから、世間から募金を募っているのかもしれない。……しかしこれでは本末転倒だろう。
京アニは、らせん階段を付けたり、屋外避難階段がなかったり、ひどい建築設計だった。しかも、設計は社長が自分でやったらしい。建築家に頼むこともできなかったようだ。
いくら金がないとしても、必要不可欠な金をあまりにもケチりすぎている。せめて最低限度の安全対策ぐらいはしておくべきだったのだが、それをしないでやって来た。
危機管理意識が低いと、いざというときにはとんでもない大損害をすることになる。それを「運が悪かった」で済ませるべきではない。
京アニの失敗を批判するつもりはないのだが、これを「他山の石」として、深く肝に銘じるべきだろう。(われわれ自身のこととして。)
──
※ 誤解を防ぐために言っておくが、「危機管理意識を持て」と言いたいだけだ。いつも言っているとおり。……別に、京アニを批判するつもりはない。お間違えなく。(人のフリ見て我がフリ直せ、というだけのことだ。)
2019年07月27日
過去ログ
各紙報道。出典多数。
──
「さすがだ。しっかりしている」
と思う人もいるかもしれないが、別の問題が見つかった。
→ http://j.mp/2Y8WfPC
地図を見ればわかるように、現場は川のそばだ。台風その他で洪水が起これば、水没してしまう危険がある。サーバーが水浸しになれば、オジャンだ。なのに、サーバーは1階に置いてあるそうだ。水没対策はゼロだね。