2019年07月25日

◆ 日産が利益ゼロ同然に

 日産自動車が大幅に収益悪化した。利益はゼロ同然になった。

 ──

 完全にゼロになったわけではないが、誤差みたいな小さな値を無視すれば、ゼロ同然だ。利益は 98.5%減。売上高営業利益率は 0.1% まで低下した。
 日産自動車が25日発表した2019年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比 12.7%減の2兆3724億円、本業のもうけを示す営業利益が 98.5%減の 16億円と大幅減益となった。4〜6月期として減収減益は2年連続。
 売上高営業利益率は 0.1%(前年同期は 4.0%)まで落ち込んだ。純利益も 94.5%減の 63億円だった。
( → 日産、営業利益98.5%の大幅減 4〜6月期決算:朝日新聞 2019-07-25

 本業の自動車事業は574億円の営業赤字で、自動車ローンなど販売金融の利益でかろうじて全体の赤字を免れた。
( → 日産、営業益98・5%減 米国で販売不振 4〜6月期:朝日新聞 2019-07-26

 日産の販売状況はかくも悪化したわけだ。では、その理由は何か? それが問題だ。

 ──

 日産の業績悪化の理由については、前に分析したことがある。
  → 日産の不振の原因は?: Open ブログ
 つまり、CVT とデザインが悪い。そのせいで評判が悪くて、販売が減少している。(詳しくは上記リンク。)

 特に、デザインについては、欠陥デザインと言えるほどひどい。
  → 日産の新グリルは欠陥デザイン: Open ブログ

 この件については、つい先日にも、コメント欄で言及しておいた。「新型アルティマは(デザインが悪いせいで)売れていない」という話。再掲しよう。
 アルティマは売れているか? 

 発売前には、日産は 190億円を投じて、生産増強した。「これでいっぱい生産できるぞ。いくら売れても大丈夫」という目論見。
  → https://www.sankeibiz.jp/business/news/180825/bsa1808250500003-n1.htm

 現実には、ろくに売れなかった。モデルチェンジをしても、ちっとも販売効果がない。
  → https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44223320V20C19A4TJ1000/


 理由は「CVT がダメだ」ということもあるが、やはり、「バンパーのないデザイン」というのが致命的だったようだ。これじゃ、売れるわけがないですね。日産は気づかなくとも、ユーザーは気づいたようだ。「これは欠陥デザインだ」と。

 日産もその後に気づいたらしくて、新型スカイラインではバンパーのあるデザインに戻った。つまり、Vモーション1.0 に戻った。先祖返り。
 かくて、Vモーション2.0 が大失敗であることは、日産自身が認めたも同然となった。

Posted by 管理人 at 2019年07月23日 22:08
( → 日産の新グリルは欠陥デザイン: Open ブログ

 これはアルティマに限定した話だ。新型にモデルチェンジして、大いに期待したのに、期待はずれになった……という話。

 ──

 一方、日産の車は全体的に売れていない……という話もある。これについては、2カ月前に、前回の決算の触れながら言及した。
  → 日産自動車の業績が破綻的: Open ブログ
 ここには非常に重要なことが書いてあるので、ぜひ再読してほしい。

 簡単に言えば、こうだ。
 ろくに利益も出さないのに、莫大な金を配当金の形でルノーに献上する。利益のほぼ全額を配当金として献上する形だ。そのせいで、自社の新車開発の投資のための金がなくなってしまう。だから長年、新車開発ができないままで、古いポンコツ設計の車ばかりとなったせいで、車が売れなくなるばかりだ……という話。

 最後には、次のように結論した。
 「日産はもはや、詐欺会社も同然である。実質的に倒産しつつあると見なしてもいいだろう」
 「この状態が持続する限り、将来的には倒産は避けられない。稼いだ利益のすべてを(ご主人様に)召し上げられるのだから、当然だろう」


 ここでは、「将来的には倒産は避けられない」と述べた。一種の予言である。だが、そのことは意外にも、すでに実現しかけていあるのかもしれない。
 2カ月前の予想では、「20年3月期の連結業績見通しは、純利益で前期比47%減の1700億円を見込む」ということだった。(上記のリンク記事。)
 しかるに、それから2カ月たった今では、その予想を大幅に割り込んで、利益ゼロ同然となっている。このままだと、次期決算では大幅赤字は避けられまい。

 そして、そのすべては、日産の根本的な企業構造に由来するのである。つまり、「自社の富を配当金の形でルノーに吸い上げられているから」という構造だ。これでは植民地も同然だ。(富を宗主国に吸い上げられる。)
 ここでは、フランス政府の横暴が働いているのだが、自国の会社を守れずにフランス政府に収奪されるのを放置するなんて、日本政府も舐められたものだ。
 この件も、すでに上の項目で言及済みだ。すべては私の予言したとおりに進みつつある、ということだろう。

 そのリンクを下に再掲するので、ぜひ読んでほしい。ま、ここに書いた予言が現実化しつつある、ということだ。
  → 日産自動車の業績が破綻的: Open ブログ



 [ 付記 ]
 基本的な構造については、すでに示した通りだ。
 ただし、それにしても、業績の悪化があまりにも急激すぎる。それはちょっとおかしい。それはなぜか?
 私の推測では、こうだ。
 「これまでは、『日産が好業績を確保している』と見せかける必要があった。第1に、ルノーに高配当するため。第2に、ゴーンの能力を過大に見せかけるため。第3に、ゴーンに高給を払うため。……そういう理由で、見せかけの好業績を決算数字に出していた。一種の粉飾である。必要経費を計上せずに利益に計上していた、というふうな。これは、ライブドアの粉飾に似ている」

 こういう粉飾が、これまであった。ところが、ゴーンが追放されたので、もはや見せかけの粉飾は必要なくなった。そこで、正直に、利益の上がらない体質を(隠さずに)そのまま報告した。……そう理解できる。

 そもそも、日産は北米でも多額のインセンティブ(販売奨励金)を出していることで知られていた。つまり、大幅値引きである。あんなに多額の値引きをしていて、まともに利益が出せるはずがない、……というのが、業界の常識だった。
 にもかかわらず、日産の北米事業は、たいして赤字になっていなかったのである。トヨタやホンダに比べて、圧倒的に多額の割引をしていたのに、収益悪化はたいしたことがなかった。これはあまりにも異常なことだ。
 とすれば、特に北米事業では、ひどい粉飾があったと考えるのが常識だろう。
 なお、日産は今年になってから、北米での販売台数が大幅に低下している。「多額の販売奨励金を出すのをやめたからだ」と言われている。それで黒字化するのならまだいいが、実際には収支トントンぐらいにしかなっていないらしい。
 とすれば、これまでは巨額の赤字が出ていたはずなのだ。それでいて、そのことを隠していたらしいのだ。とすれば、これまではずっと粉飾していた、と見なせそうだ。そして、そういう粉飾をやめたから、急激に業績悪化が表に出た、ということになりそうだ。

 つまり、日産の業績がかくも短期間で大幅に悪化したのは、日産の業績が急激に悪化したからではなくて、もともとあった大幅な事業損失を隠さなくなったからだ、と言えるだろう。(特に北米事業で。)
 事業全体がたったの2カ月で大幅悪化する、ということはあり得そうにないが、企業会計の報告を2カ月で方針転換する(粉飾をやめて正直に書く)ということは、十分にありそうだ。

 そもそも、日産は北米の大幅値引きをやめたのだから、「売上高は減少するが、利益率は向上する」というふうになるはずなのだ。なのに、利益率が急減するとしたら、何か特別な事情があったと推定できる。その特別な事情というのが、「粉飾をやめたこと」なのだろう。

 ※ 「粉飾」と述べたが、違法性があるかどうかははっきりしない。合法的な範囲で利益を過大に見せかける方法はあるからだ。利益を過大に見せかければ、納税額が増える。通常、そういうことをする企業は少ないので、政府も「税金をいっぱい払ってくれる粉飾」は見逃しがちなのである。(脱税の逆だ。)

 ※ 2カ月前の状況については、同じく、先のリンク記事を参照。
   → 日産自動車の業績が破綻的: Open ブログ




 【 関連サイト 】

今回の決算についての報道
 → 日産、1万2500人削減へ=販売低迷、営業益98.5%減−4〜6月期:時事
 → 日産:4−6月営業益16億円、過去10年で最低−1万人超削減へ - Bloomberg
 → 日産 …生産能力減で人員削減は1万2500人に :response
 → 日産が1万2500人削減、22年度まで 会見:日本経済新聞

posted by 管理人 at 20:11| Comment(0) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
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