本サイトの方針について解説する。(京アニ問題への批判に答える。)
──
本サイトの方針というか、基本姿勢は、次のようなものだ。
・ 問題が起こったとき、原因を解明する。
・ 解決策を提案する。
たとえば、こうだ。
・ 火災が大規模被害となった原因を解明する。
・ 火災が大規模被害とならないための解決策を提案する。
──
京アニの火災でもそうだ。
「原因の解明」……逃げ場がなかったことが大規模被害の原因だった、と指摘する。(逃げ場があった場所では命は助かった、という例も示す。)
「解決策の提案」……「非常階段」、「ベランダ」、「縄ばしご」という解決策(被害軽減策)を提案する。
ここでは「原因の解明」と「解決策の提案」がセットになっている。このことに注意。
──
ところが、これに反発する人々がいる。
・ 原因を解明すると、被害者の側の責任が浮かび上がる。
・ それを指摘するのは、被害者にとってむごい。
・ 被害者の気持ちを考えて、真実の解明をやめよ。
・ 被害者の気持ちを考えないのは、けしからん。
そんなことを言われてもねえ。……
私は、事故調みたいなことをやっているのだから、「事故調の人は被害者の気持ちを考えて、原因の解明をやめろ」というようなことを言われても、戸惑ってしまう。
──
これに似ているのは、法医学者だ。
「死者の死因を調べます。真実の解明のためには、遺体の解剖が必要です」
と法医学者が言うと、遺族が反発する。
「死んだだけでも可哀想なのに、死んだあとで切り刻むなんて可哀想すぎる。もう傷つけたくない。真実の解明なんかどうでもいい。私たち遺族の気持ちを優先してください」
真実の解明よりも被害者遺族の気持ちを優先しろ、というわけだ。ま、こういうケースは、よくある。法医学者が「人でなし」と批判されることもある。
科学者はつらいよ……というところかな。法医学者が嘆く気持ちはよくわかる。
2019年07月23日
過去ログ
原因分析を伝える上で
管理人様の卓越した比喩力にいつも
感心しています。
比喩力をつけるために
なにか方法はありますか?
法医解剖なんかと違って無責任な事を言っても、そもそも責任なんて最初からないのだから、全く次元が違う。
管理人はそう思わないだろうが、批判者が今回の管理人のスタンスに似てると思う事例は、強制わいせつの被害者に対して、もっと襲われないような格好をしておくべきだった、とか、一人で夜道を歩いたのがいけない、とか、聞いてもいないのに被害者側の批判をやっちゃうオヤジ、かな。
まあ、せめて一週間くらい喪に服してからの考察だったら、まだ批判は少ななかったでしょうね。
まさしくそうですね。私が原因分析をするとしたら、
・ 派手な格好をしていたこと
・ 一人で夜道を歩いたこと
を原因のひとつに挙げるでしょう。で、そういうふうに原因をいろいろと考えた報告を出すと、
・ 派手な格好をしていたのがいけない
・ 一人で夜道を歩いたのがいけない
と私が言っている、と誤読する人が出る。(あなたもそう。)
「いけない」なんていうふうに、被害者批判をしているわけじゃないのだが、勝手に批判があると誤読する。私が批判しているのは政府なんだ、といちいち注釈しても、まったく理解しようとしない。
こういう誤読が原因だ、というのは、前に述べたとおり。批判の本質は、誤読なんですよ。
──
だからこれは、議論にもならない。
「そんなことを言うおまえが悪い!」
「そんなことは言っていない」
というふうに、すれ違いが起こるだけだ。議論として噛み合うことはない。Aと反A の対立という形にならない。一方の側に妄想があるだけだ。
誤読というのは、本当に手に負えないね。
たとえば痴漢被害で、
・ 派手な格好をしていたこと
・ 一人で夜道を歩いたこと
ということが原因のひとつだ、と判明すれば、
・ 派手な格好をしない
・ 一人で夜道を歩かない
という対策を取ることで、被害の再発を防ぐことができます。これが目的です。なのに、これを誤読すると、
・ 派手な格好をしていたのがいけない
・ 一人で夜道を歩いたのがいけない
というふうに勘違いして、「被害者を批判するのは人でなしだ!」と怒り狂います。
原因の解明は、被害者への批判を意味しない。──そういう当たり前のことを理解できない人が多い。困ったことです。
というのが原因解明の目的だが、これを、
「被害者を批判したい」
というふうに誤読するのが、はてなー(など)だ。
では、どうしてこういう奇妙な誤読が起こるのか? よく考えたら、わかった。こうだ。
「自分は他人を攻撃してばかりいるので、他人の話を聞いても、それが自分たちへの攻撃だと勘違いする」
つまりは、攻撃的な人格に由来する被害妄想である。実際、普段は他人を攻撃しないような温厚な人なら、本サイトの解説を読んでも、「被害者を攻撃している」とは思わない。なのに、自分がいつも攻撃ばかりしているから、本サイトの解説を読むと、「被害者を攻撃している」と思う。……被害妄想ですね。
で、これは、今回の犯人と同様だ。彼も被害妄想のせいで、他人を攻撃した。今回の犯人と、本サイトを攻撃する人は、どちらもそっくりなのである。だからこそ、「勝手な批判を受けても仕方ないでしょう」と述べたりする。「勝手な攻撃を受けても仕方ないでしょう」と思った犯人とそっくりだ。
は置いといて、
火が一瞬で回った原因は螺旋階段と診ています
階を挟んだ上下のコミュニケーション重視の創りは昨今の流行ですが、
実は通常火災しか想定していないので、
今回のような事件はアダになってしまうのかも。
火をつけた本人も、まさかあんなに死んでしまうとは思っていたのかいないのか。
まさか狙い通りとは考えにくく。
人を殺した罪は償って頂くとして。
さておき、今回を機会に、
今回のような建物の作りは、火災に弱いことを建築家なりが把握し、依頼時にひとこと言うべき。
1階に車が突っ込んで炎上すれば同じことが起きるわけで、事故でも同じ被害の可能性はあり
消防庁も含めて、建物のあるべき姿を検証すべき。
人には寿命はありますが、死ぬ可能性は別モノ。
また、
会社は全てにおいて、安全第一であるべきな感。
少なくとも利益が出て、人を雇っていたのならなおさら。
監視カメラで監視する、なんて別次元な発想などは起きないで欲しい感。