2019年07月13日

◆ トンネル天井貫通の事故

 地下トンネルの天井から食い込んできた柱に特急の車両がぶつかった……という恐ろしい事故があった。

 ──

 実際には、先頭車両がかすっただけで済んだので、大事故にはならなかった。(接触したあとで、車両がわずかに傾いたので、接触だけで済んだ。)
 しかし、あと数センチずれていたら、車両と柱が衝突する形で、大惨事になっていただろう。ほとんど僥倖とも言える形で、間一髪助かったわけだ。

 この柱は、ボーリングの形で、地表から地下に深く刺さったもの。下図。
  → JRトンネル事故のイメージ 写真|【西日本新聞ニュース】

 柱というのは、掘削機の機材。下図。
  → 「一歩間違えば」掘削機、トンネル貫通して特急損傷 : 読売新聞

 衝突した先頭車両の損傷は、下図。
  → 長崎線で掘削機と特急接触 トンネル工事、天井を貫通|佐賀新聞

 その他の各種画像は、下記。
  → Google 検索

 現場は、下記。











 図からわかるように、市街地の一部である。その地下にトンネルが走っていたわけだ。

 ──

 さて。このあと問題の原因と対策を考えよう。
 そもそも、なぜ間違いがあったか? それは、おおまかな地図を見ればわかる。





 明らかに、地下トンネルの位置は、手書きふうにヤマカンで描いているだけだ。地上の駅や線路の位置は航空写真でわかるので、地下のルートはヤマカンで勝手に描いているだけだ。
 ま、もともとデータがないのだから、仕方ないのだろうが。

 では、地図に間違いがあった責任は、どこにあるか?
 一見、「国土地理院が悪い」と思える。だが、国土地理院は、地下ルートの位置を知らない。地上については「航空写真で確認する」という方法があるが、地下の構造物については、見えないので、確認のしようがない。
 鉄道事業者(JR)ならば、トンネルの位置を知っている。では、JR からデータを受けて、国土地理院が確認するべきだったか? いや、そこまで要求するのは酷だろう。そんなことをする人員も予算もないはずだ。そもそも、最初にデータを渡さなかった JR が悪い。

 となれば、対策はこうだ。
 「国土地理院のルートと、実際のルートとを、比較する。そのために、JR は自社の社内データと照合する。その上で、地図と現実との食い違いがある箇所については、正しい箇所を記したデータを、JR が国土地理院に提供する」

 要するに、鉄道事業者が、正しいデータを提供する、ということだ。
 そもそも、こんなことは初めからやっておくべきだった。そうしなかった JR が悪い。そこで、今からでも遅くはないから、JR が社内データを調べて、照合するべきなのだ。

 このことを、国交省は JR に要求・命令するべきだ。その上で、対策がどうなされたかを、きちんと報告するべきだ。
 さもないと、ふたたび天井貫通事故が起こるかもしれない。そのときには、特急が柱に衝突して、特急が左右真っ二つに分かれてしまうかもしれないのだ。(ついでに乗っている人も左右真っ二つに……)
 そうなる前に、対策を取るべきだろう。

 ※ 今回は本当に運が良かった。間一髪で助かった。



 【 関連動画 】




※ 上の動画の 35秒 あたりを見ると、現場がわかる。
  これをストリートビューと照合して、現場を確定。




posted by 管理人 at 12:53 | Comment(2) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新幹線車両ではなく、在来線の特急車両
Posted by きたきた at 2019年07月14日 18:42
 ご指摘ありがとうございました。訂正しました。

 デザインを見て新幹線だと勘違いしたが、改めて見直しても、新幹線によく似たデザインですね。まぎらわしい。わざと似せたのかな?

 新幹線に似ている、という話は、下記にもあります。
  → https://blogs.yahoo.co.jp/ushichiko1/42879269.html
Posted by 管理人 at 2019年07月14日 18:57
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