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実際には、先頭車両がかすっただけで済んだので、大事故にはならなかった。(接触したあとで、車両がわずかに傾いたので、接触だけで済んだ。)
しかし、あと数センチずれていたら、車両と柱が衝突する形で、大惨事になっていただろう。ほとんど僥倖とも言える形で、間一髪助かったわけだ。
この柱は、ボーリングの形で、地表から地下に深く刺さったもの。下図。
→ JRトンネル事故のイメージ 写真|【西日本新聞ニュース】
柱というのは、掘削機の機材。下図。
→ 「一歩間違えば」掘削機、トンネル貫通して特急損傷 : 読売新聞
衝突した先頭車両の損傷は、下図。
→ 長崎線で掘削機と特急接触 トンネル工事、天井を貫通|佐賀新聞
その他の各種画像は、下記。
→ Google 検索
現場は、下記。
図からわかるように、市街地の一部である。その地下にトンネルが走っていたわけだ。
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さて。このあと問題の原因と対策を考えよう。
そもそも、なぜ間違いがあったか? それは、おおまかな地図を見ればわかる。
明らかに、地下トンネルの位置は、手書きふうにヤマカンで描いているだけだ。地上の駅や線路の位置は航空写真でわかるので、地下のルートはヤマカンで勝手に描いているだけだ。
ま、もともとデータがないのだから、仕方ないのだろうが。
では、地図に間違いがあった責任は、どこにあるか?
一見、「国土地理院が悪い」と思える。だが、国土地理院は、地下ルートの位置を知らない。地上については「航空写真で確認する」という方法があるが、地下の構造物については、見えないので、確認のしようがない。
鉄道事業者(JR)ならば、トンネルの位置を知っている。では、JR からデータを受けて、国土地理院が確認するべきだったか? いや、そこまで要求するのは酷だろう。そんなことをする人員も予算もないはずだ。そもそも、最初にデータを渡さなかった JR が悪い。
となれば、対策はこうだ。
「国土地理院のルートと、実際のルートとを、比較する。そのために、JR は自社の社内データと照合する。その上で、地図と現実との食い違いがある箇所については、正しい箇所を記したデータを、JR が国土地理院に提供する」
要するに、鉄道事業者が、正しいデータを提供する、ということだ。
そもそも、こんなことは初めからやっておくべきだった。そうしなかった JR が悪い。そこで、今からでも遅くはないから、JR が社内データを調べて、照合するべきなのだ。
このことを、国交省は JR に要求・命令するべきだ。その上で、対策がどうなされたかを、きちんと報告するべきだ。
さもないと、ふたたび天井貫通事故が起こるかもしれない。そのときには、特急が柱に衝突して、特急が左右真っ二つに分かれてしまうかもしれないのだ。(ついでに乗っている人も左右真っ二つに……)
そうなる前に、対策を取るべきだろう。
※ 今回は本当に運が良かった。間一髪で助かった。
【 関連動画 】
※ 上の動画の 35秒 あたりを見ると、現場がわかる。
これをストリートビューと照合して、現場を確定。
デザインを見て新幹線だと勘違いしたが、改めて見直しても、新幹線によく似たデザインですね。まぎらわしい。わざと似せたのかな?
新幹線に似ている、という話は、下記にもあります。
→ https://blogs.yahoo.co.jp/ushichiko1/42879269.html