2019年06月30日

◆ 日米安保は不公平か?

 トランプ大統領が、日米安保を不公平だと批判して、現状を変更するべきだと述べた。これは妥当だ。
 
 ──
 
 記事は下記だ。
 トランプ米大統領は29日、G20サミット閉幕後に大阪市内で記者会見を開き、日米安全保障条約について「不公平な条約だ」と不満を表明した。また、安倍晋三首相に対し、条約の「片務性」を「我々は変える必要がある」と伝えたことを明らかにした。
( → 「日米安保、変えるべきだ」 トランプ氏「首相に伝えた」:朝日新聞

 トランプ米大統領が29日の記者会見で、日米安全保障条約について「不公平だ」と改めて表明した。日米安保のあり方についても「(現状を)変える必要がある」とも踏み込んだ。参院選後の貿易交渉の本格化に加え、日米間で安保条約をめぐる議論も浮上する可能性がある。
( → 安保変更発言、真意は トランプ氏会見:朝日新聞

 日米安保条約は変えるべきだ――。トランプ米大統領の29日の発言に、米軍基地周辺の住民や平和運動に取り組む人たちの間には、疑問や当惑が広がった。専門家は「トランプ流の脅し」「改定はあり得ない」と冷静に受け止めている。
( → 安保批判「脅しだ」 高い負担率、トランプ氏の理解に疑問:朝日新聞

 最後の記事にあるように、「トランプ流の脅し」だと解釈するのは、解釈としては妥当だ。トランプは単に「金を寄越せ」と求めているだけだからだ。(みかじめ料を要求するヤクザと同様である。守ってやるから金を寄越せ、というわけ。)

 とはいえ、批判するばかりでは能がない。批判したところで、単に喧嘩になるだけであって、何の利益にもならない。まったく建設的でない。
 むしろ、トランプの主張を逆手に取るべきだ。トランプの主張は、それ自体では正論であるのだから、その正論を逆用して、日本の利益になるようにすればいいのだ。

 では、トランプの主張のどこが正論なのか? それは、
 「日米安保は不公平だ」
 という主張である。まさしく、日米安保は不公平なのだ。ただし、トランプのいう意味で不公平なのではなく、逆の意味で不公平だ。米国が損をしているのではなく、日本が損をしているのである。
 トランプはそこを認識していないので、そこを認識させるために、「条約を公平にする」ことを求めるといい。次のように。
 「米国ばかりが日本を守るのは不公平であるから、日本も米国を守ることにする。ただし、中東などで米国が戦争をするときにはまったく協力しない。米国本土が攻撃を受けた場合に限って、日本は米国を救う。
 そのために、ニューヨークの西側に広大な空港を新規に設置して、それを日本の自衛隊の専用として供与してもらう。
 また、ニューヨークの西側の空域は自衛隊の専用の空域として、民間機の利用を禁止する。それにともなって、ニューヨークに到着する飛行機の数は3割ぐらい減少することになるが、それを受け入れてもらう。
 また、空港のそばには、自衛隊の宿舎を米国の費用で建設してもらう。その宿舎の光熱費も米国の負担とする。さらには、アイスクリーム工場も無料で建設して、日本側に無償供与してもらう。また、日本の自衛隊員が米国の市民を強姦した場合には、自衛隊員を逮捕する権限を日本側に移すことで、自衛隊員が米国市民を強姦しても罰されないようにしてもらう。
 さらにその上に、米国は協力費として、日本に 2000億円を払ってもらう」

 以上のようにすれば、日本との不平等性は解消されるだろう。こういうふうに要求するべきなのだ。トランプとしては、受け入れるしかあるまい。自分で言い出したことなんだから。

 ──

 さらには、当面の措置として、次のことを要求するべきだ。
 「横田・厚木・横須賀の基地を返還すること。普天間基地も無条件で返還すること。それにともなって、辺野古移転を中止すること」

 こうすれば、日本における多くの基地問題が解決する。今は沖縄で辺野古問題が大騒ぎになっているが、トランプの意見に従えば、この問題を解決できるのだ。「米軍基地の縮小」という形で。

 実は、そもそも現状の安保制度そのものが、根本的に時代錯誤となっている。なぜなら、現状の安保制度は、冷戦時代の名残で、ソ連に対抗するための米軍基地をたくさん設置しているからだ。
 しかし今やソ連はなくなった。ロシアや中国の脅威は、冷戦時代のソ連よりもはるかに小さい。ロシアや中国の戦闘機が日本に侵攻する危険性はきわめて小さい。
( ※ フィクションの「空母いぶき」でさえ、せいぜい中国軍の空母が尖閣諸島にやって来るぐらいだし、それも日本の空母一隻で撃退されてしまう。)

 今はもう冷戦時代ではないのだ。だとすれば、連戦時代を前提とした「大量の米軍基地を日本各所に設置する」という発想そのものが時代錯誤なのである。そしてまた、それを維持するために日本が多大な負担をするというのも、時代錯誤なのだ。
 とはいえ、それを是正したくても、歴代の米国政権は是正を拒んだ。「日本の負担で米軍を極東に派遣する」ということができれば、米国が自力で米軍を維持するよりもはるかに安上がりだからだ。米軍を日本に駐在させておけば、米軍をグアムやハワイに駐在させるよりも、ずっと安上がりに済むのだ。(日本の年 2000億円の負担金をもらえるからだ。)
 かくて、歴代政権の下では、(軍事的な必要性よりは)金銭の損得勘定ゆえに、在日米軍基地の削減はできなかった。

 ところが、ここへトランプという革命的な大統領が出現した。彼は、金銭にはすごくこだわるが、自分の払う金にばかりこだわって、自分が受け取る金にはまったく理解がない。「右手で 100を受け取り、左手で 50を与える」というふうにしているとき、「差し引きで 50 を得する」というふうに計算することができず、「 左手で 50を与えるから損をする」というふうに喚くだけだ。
 こういうふうに計算ができない大統領は、日本にとってきわめて好都合である。その愚かさに乗じて、日本の損を取り消してしまえばいいのだ。
 それがつまり、次のことだ。
 「横田・厚木・横須賀の基地を返還すること。普天間基地も無条件で返還すること。それにともなって、辺野古移転を中止すること」(再掲)

 ついでに、日本の払う負担金も、年 2000億円から 1000億円に減じてしまえばいい。
 とはいえ、そこまで言うと、トランプは怒り狂うかもしれない。そこで、トランプに花を持たせるために、いったん「年 2000億円から 1000億円に減じる」と提案したあとで、「トランプの交渉で減額を取り消します」というふうにして、トランプに花を持たせればいい。
 「トランプ大統領の交渉力のおかげで、米国は年に 1000億円も得をしました」
 「在日米軍基地を減らしたので、それに関わる米軍の出費を抑えることができました。これもトランプ大統領のおかげです」
 そうやって、トランプ大統領に花を持たせて、在日米軍基地をどんどん追い出してしまえばいいのだ。

 なお、安保条約そのものは残っているから、防衛面では何も障害は生じない。また、基地の半分は追い出されるが、残りの半分は残っているから、さして問題は生じない。実際、厚木や横田は、基地としては返還されるが、空港と滑走路はそのまま残っていて、民間機が利用するのだから、仮に戦争になったら、米軍基地として利用することもできる。その意味でも、何も問題は生じない。
 その一方で、普段は軍事基地から民間基地に転用されるので、騒音被害は一挙に百分の1ぐらいにまで低下する。というのは、軍用機に比べて、民間機の騒音は、百分の1ぐらいでしかないからだ。つまり、軍用機は民間機に比べて、百倍ほどの騒音があるのだ。
 というわけで、厚木や横田を、返還してもらったあとで、民間機で利用すれば、何一つ問題はなく、すべてはうまく解決するのである。
 トランプ大統領を手玉に取れば、日本にとって長年の懸案が一挙に解決するのだ。何とまあ、ありがたい(おめでたい)大統領であることか。



 [ 付記 ]
 「軍用機は民間機に比べて、百倍ほどの騒音がある」と述べた。
 百倍というのは、おおざっぱな数値だ。実際には、「数十倍 〜 数百倍」というふうにバラつく。
 なお、10倍ぐらいだと、「かなり差があるな」とは思うが、「ひどい差がある」とまでは思わない。騒音が 10倍になるというのは、10デシベルの差。100倍が、20デシベルの差。



 【 関連項目 】

 本項によく似たことは、数日前にも述べた。
  → トランプが日米安保破棄に言及: Open ブログ

 本項は、その続編みたいな話である。話の核心は、同じことなので、二番煎じみたいになっている。ただし本項では、論点をいろいろと補強している。より詳しい話となっている。

 なお、話の基本となる発想は、もっと前にも述べたことがある。
  → トランプのケチ根性を利用せよ: Open ブログ
 ここでも、「横田基地を返還してもらえ」と述べている。ただし、短文なので、あまり詳しい話はない。

posted by 管理人 at 10:15| Comment(0) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
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