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大阪の拳銃強奪事件については、前に言及した。
→ 大阪の拳銃強奪犯: Open ブログ
さて。このような拳銃強奪事件について、再発を防ぐには、どうすればいいか? このテーマで、本日の朝日新聞の投書欄(声欄)に、おもしろい提案があった。こうだ。
「拳銃に GPS を搭載すればいい。それなら、拳銃の位置がすぐにわかるから、犯人逮捕が可能だ」
GPS だって。おもしろすぎ。 (^^);
まあ、おもしろいとはいえ、これの実現性は皆無だ。GPS 装置なんかが取り付けられたら、とても目立つ。だから、すぐに犯人の手で破壊されてしまって、用なしになるだけだ。その一方で、肝心の拳銃撃ちのときには、不便で仕方ない。メリットはなく、デメリットばかり。
そもそも、メリットもあるかどうか定かでない。というのは、GPS装置はとても壊れやすいからだ。拳銃を何度か試射すれば、発射の強い衝撃のせいで、 GPS 装置は壊れてしまいそうだ。かくて、いざというときには役立たずとなる。
まったくの珍案だ。こういう珍案を掲載するところが、いかにも朝日新聞らしい。科学音痴の記者が記事に関係すると、こういう結果になる。
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ま、それはさておき。朝日のことは放っておいて、本サイトで考えよう。回答はともかく、問題はある。ではこの問題に対し、どうするべきか?
まず、現状ではどうなっているかを調べよう。
(i) 新型ホルスター
革製のホルスター(拳銃入れ)のかわりに、樹脂製のホルスターを使う、というのが、警察の基本的対策であるそうだ。この新型ホルスターは、ロックがかかるらしくて、容易には開かない設計だから、盗まれにくいということらしい。大坂で盗まれたホルスターは、革製の旧型であったそうだ。
巡査の拳銃入れは強奪防止策が強化された新型ではなく、旧型だったという。
( → 大阪で銃奪った逃走犯の正体とは? 厳戒態勢の中でまたも交番襲撃 (アエラドット) )
強奪防止策というが、何か特別なことをしているのではなくて、単に樹脂製のホルスターを使っているだけなのかもしれない。あるいは、留め金が少し工夫されているのかもしれない。(詳細不明)
(ii) 留め金具
旧型は、革製であるだけでなく、留め金具が外れやすい構造でもあるそうだ。上の記事には、「拳銃をつなぐワイヤー製ひもの留め金具が外れた状態だった」という文章がある。
留め金具については、毎日新聞に具体的な図がある。

出典:毎日新聞
こんな留め金具では、あっさり外されてしまいそうだ。そして実際、外されてしまった。
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では、どうすればいいか? 旧型のホルスターは明らかにダメであるとして、新型のホルスターにすればいいか?
いや、新型のホルスターならば大丈夫だとも言い切れない。新型のホルスターの留め金も、外されやすいかもしれない。つりひもも、切断されるかもしれない。
そもそも、樹脂製のホルスターというものが、脆弱である。ベルトを切断されたら、ホルスターごとすっぽりと盗まれやすい。いったん持ち去られたあとで、ホルスターの樹脂をガスの火で溶かされたら、あっというまにホルスターは無効化してしまう。
困った。どうすればいい?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
(1) チェーンとベルト
拳銃とベルトは、チェーンで結ぶ。ベルトには、鋼製のワイヤを通して、チェーンと交差させる。
[ ベルト ]──(チェーン)──[拳銃]
というふうに結びつける。それぞれの接続部は、輪を交差させる形にして、絶対にハズレないようにする。
ただし、この方法では、これらの全体を持ち去られる危険性がある。ベルトを外したあとで、ベルトごと盗まれるわけだ。
それを阻止するためには、拳銃を装着するときだけ、鍵付きのベルトを使えばいい。普段のベルトとは別のベルト(鍵付きのベルト)を使うわけだ。拳銃を装着するときに限って、だが。
拳銃とベルトは、チェーンで結ぶ。ベルトには、鋼製のワイヤを通してあるので、けっこう重たい。拳銃用の専用ベルトだ。
(2) 銃弾ケース
拳銃と銃弾ケースを別にするといい。これが最も重要だ。
通常は、拳銃に銃弾が装填されている。しかしそれをやめて、拳銃は空っぽにしておく。(銃弾なし)
一方、銃弾は別途、銃弾ケースに入れておく。6発ぐらい。この銃弾ケースには、鍵がかかっている。
その鍵は、わかりにくいところ(例:靴の中)にある。しかも、似たような鍵がいくつも服のポケットに入っているので、盗もうとした犯人はどの鍵が本物だかわからない。
以上のようにすると、どうなるか?
通常、犯人は拳銃だけを盗むが、盗んだ拳銃には銃弾が一発も装填されていないので、拳銃の被害は生じない。
ちょっと賢い犯人だと、銃弾ケースもいっしょに盗むが、その鍵もいっしょに盗むことはないので、銃弾ケースを開くことができない。
もうちょっと賢い犯人だと、警官の服のポケットから鍵もいっしょに盗むが、その鍵はダミーなので、銃弾ケースを開くことができない。
もっと賢い犯人だと、銃弾ケースを盗んだあとで、鍵を使わずに、ガスの火で銃弾ケース(樹脂製)を破壊しようとする。しかしそのとき、銃弾ケースのなかに入っている銃弾の火薬が点火してしまうので、銃弾が発射されてしまって、大爆発。犯人は死亡。(賢いのか、愚かなのか。)
最後の話は、ちょっと漫画チックなので、こうなるとは限らない。しかしまあ、こうなるように、わざと仕組んでおいてもいい。「高熱を加えると銃弾を発射させてしまう機構」みたいな感じで。
( ※ ただし、安易に高温で銃弾が発射されると、ふだんの警官にとって危険なので、問題もなくはない。この機構には、調整が必要だ。あるいは、機構なしでもいい。)
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以上に、私の案を示した。
これで実際にうまく行くかどうかは、実験してみないとはっきりとしない。とはいえ、十分に検討するだけの効果はあるだろう。
このままでは不十分だとしても、いろいろと改良すれば、実用レベルにはなりそうだ。
本当に日本で警官が拳銃を持つのは必要?アメリカなら必要そうですが。
イギリスでは警官は拳銃を持たず警棒のみだそうです(警官殺しは死刑)
管理人さんの言うように、いくらホルスターの改良をしても、100%大丈夫とはならないだろうし。(もちろん一定の有効性はあるとは思う。)
しかし、例えば今回のG20での拳銃置き忘れのような人為的ミスは避けられない。
となれば、警官殺しを重罪にして、心理的抑止力を持たせる方が有効かもしれない。
警官が自分を守るだけなら警棒でも足りそうだが、刃物をもって大量殺害しようとしている犯人を阻止するのは、警棒では無理でしょう。
拳銃を奪われた事件の件数と、拳銃によって阻止しえた凶悪事件の件数を、比較すれば、後者の方が圧倒的に上でしょう。拳銃所持をなくせば、後者の凶悪事件による被害が激増する。
警官が拳銃を持つのは、自分の身を守るためではなく、市民の生命を守るためなんです。お間違えなく。
知らなかったけど、これですね。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062801243&g=soc
トイレの個室に入ったそうだから、ベルトをはずす必要があったようだ。そのまま置き忘れたらしい。
この場合も、銃弾は別にしておけば、危険度は下がる。さらに、銃弾ケースには鍵をかけておけば、危険度はさらに下がる。
「市民の生命を守るため」の拳銃を含む種々の公権力なんですが諸手を挙げて賛成するするほどこの国のお上を信用していません。
この国のお上を信用していません。
自衛のためのと銃器の携帯を市民に解放してはどうでしょう。警察に頼らず自分で自分の身を守るのはあべちゃんの好きな「自己責任」ですし、自衛隊を合憲とする憲法改変(改正とは言わない)の後押しになるかも。アメリカの銃を輸入すればトランプも喜ぶしね。
お上を信用していないという割には、世の中に一定割合で発生する狂人たちを信用しているんですね。たとえば、カリタス女子学園の大量殺害犯とか、秋葉原通り魔大量殺害犯とか。
これらの犯人に銃を渡して、大量殺害をさせて上げよう……という発想ですね。
日本でもコロンバイン大量殺害事件や、ラスベガス大量殺害事件みたいなのを起こそうというわけだ。すごい発想。
しかしまあ、銃器所持を自由化すれば、警官を襲って銃器を奪うという犯罪はなくなるでしょう。それはいわば、殺人を自由化すれば、犯罪としての殺人犯はいなくなる、というのと同じ。……これを本末転倒という。