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まあ、たいした話をするわけではないのだが、世間をにぎわした事件なので、雑感をいくつか述べる。
(1) 動機
動機が不明だが、犯人は元自衛官だということだから、それと何か関係があるのかもしれない。詳細は不明だが。
一応の想像では、次のような動機が考えられる。
・ ヤクザの抗争
・ 銀行強盗
・ 自殺
私としては、最も可能性が高いのは「自殺」だと思う。元自衛官ということから、社会的な落ちこぼれが主体の「ヤクザの一員」ということはありえないからだ。
(2) 動機は銀行強盗?
銀行強盗の可能性は、なくもない。その意味では、事件発生の直後に、警察は銀行に警官を大量配備するべきだったかもしれない。周辺を捜索するよりは、銀行を守ることの方が優先されるだろう。
そもそも、街中を捜索するということの意味がない。街中にはもともと人がたくさんいるからだ。そこに警察が加わって捜索しても意味がない。警察が捜索するべきとしたら、人のいないところ、つまり、山中だろう。
実際、今回も、人のいない山中で見つかった。このことからして、次のように言える。
「犯人は、銀行強盗のような、何らかの目的があって銃を奪ったのではない。もし銀行強盗が目的であったなら、ただちに実行していたはずだからだ。なのに、そうしないで逃げ回っていたのだとしたら、もともと銃を使って犯行をするつもりがなかったからだろう」
(3) 立てこもり?
犯人は、銀行強盗のような犯行をなすつもりがなかったとしたら、どこかの民家に立てこもっている可能性もあった。
その意味では、警察は各人に「自宅に立てこもっていないか、確認してみてください」と言うと良かった。ひょっとしたら、子供や老人や女性を人質にして、建物に立てこもったまま、誰にも気づかれずにいる……という可能性があったからだ。
その場合も、家族や親戚が電話連絡を取ることで、「うちは無事です」と伝えることで、その家が安全であることが確認できる。
逆に言えば、確認できない(応答不能な)家庭があれば、そこに不審者がいる可能性を考えて、捜索対象を絞り込むことができる。あちこちを大量に捜すよりは、こういう方法で絞り込む方が有効であろう。
ただ、現実には、警察が促さなくても、人々が自発的にそういう行動を取ったことも多かっただろう。
(4) 自殺?
動機としては、「銀行強盗」もなく、(何らかの犯行目的の)「立てこもり」もなさそうだ。
となると、残るのは一つ。「自殺」だ。たぶんこれが目的であったのだろう、と推定される。
そして、そうだとすれば、大阪市民がみんな外出を控えるという過剰な反応は必要なかったことになる。……まあ、これは後出しジャンケンみたいな言い分だが。
(5) 高校の対応
小中学校は「午前9時までに逮捕されれば、通常通り」と決めていた。7時ごろには逮捕の報道が流れたので、通常通りに授業があったようだ。
高校は、「午前6時までに逮捕されなければ、とりあえず休校」という方針だった。(府知事が述べた。)
それ以後については、各校ごとの対処なので、ホームページなどを見よ」ということだった。
→ 大阪府/府立学校の臨時休業等について
そこで、大阪府立高校のホームページを、それぞれ調べてみた。(下記にホームページの一覧がある。)
→ 大阪 府立高校 - Google 検索
ざっと調べたが、何らかの対応を掲載しているサイトは、全体の3分の1ぐらい。他の3分の2は、何も掲載していなかった。
唖然とする。日本の高校のIT能力は、これほどにもひどいのか。いまだに人力の電話連絡網でも使っているのかもしれない。
調べたら、まさしく電話連絡網が主体で、メールによる連絡網もあるらしいが、生徒の方は「メールなんて時代遅れだろ。LINE にしろ」と猛反発しているそうだ。
→ 学校の緊急連絡網……今どきはLINEなのか? | RBB TODAY
進んでいる学校だと、連絡網や掲示板を兼ねたアプリを導入しているようだ。これについては、私も前に言及した。
→ 学校の電話連絡網は時代遅れ: Open ブログ
→ 幼稚園・保育園のIT化: Open ブログ
一方で、今では化石となったような FAX による連絡網もあるらしい。嘘みたいだけど。
→ 小学校の欠席連絡は FAX で? : Open ブログ
まあ、連絡もはどれを使ってもいいが、学校のホームページで何も表示しないというのは、ひどすぎますよね。特に、大阪府が「学校のホームページを見てください」と言いながら、ホームページには何もないなんて、自己矛盾も甚だしい。
これが日本のIT事情だ。
強盗殺人未遂犯の話から、とんだ裏事情が判明してしまった。
【 関連動画 】
「私のやったことではありません」と容疑を否認しているとのことだが、その場には拳銃があったのだから、まったく信用性のない釈明だ。
一方で、「病気がひどくなったせい。周りの人がひどくなったせい」と話しているということから、精神病の疑いもある。明白な自殺志願とまでは行かなくとも、何らかの自己破壊衝動があった、と見なしてよさそうだ。
実は、「自殺したいので、自殺の前に、ついでに他人を巻き込んでしまえ」という発想は、しばしばある。秋葉原の大量殺害事件もそうだった。
→ 秋葉原通り魔事件 - Wikipedia
《 加筆 》
もう一つ、似た事件がある。半月ほど前にあった、川崎の「スクールバス殺人事件」だ。カリタス小学校の女児多数と通行人が包丁で刺されたが、この事件の犯人も自殺願望があった。(犯行直後に自殺した。)
→ 川崎殺傷事件 - Wikipedia
自殺志願者が(常識はずれの)とんでもない凶行をやるというのは、珍しくもないようだ。
なお、続報によると、精神障害者(2級:やや重い)であることが確認された。「病気がひどくなったせい」とも本人が述べている。
→ 防犯カメラに拳銃持ち歩く姿 容疑者、住宅街で発射か:朝日新聞
このことからして、本項で述べた推定が妥当であることは、もはや確実だと言えるだろう。
【 関連サイト 】
事件に言及しているサイト。
(1) G20サミット
動機の解明はこれからだが、G20サミットに関係はあったのか。
( → 警官襲った拳銃強奪犯を逮捕 | ダイヤモンド・オンライン )
時期的には、G20サミットの直前なので、要人暗殺を狙った犯行と思えなくもない。
しかし、拳銃は射程が短いので、要人暗殺にはまったく適しない。要人暗殺にはライフルが必要であり、拳銃はまったく役立たずなのだ。
というわけで、「 G20サミットは関係ない」と断言していいだろう。
(2) 防犯カメラ
「犯行現場にカメラにあることはわかっていたはず。映っても構わないという強い意志で犯行を行ったのでは。証拠隠滅は考えていなかったのかもしれない」
( → 全文表示 | 大阪府民を恐怖に陥れた拳銃強奪犯スピード逮捕 逮捕の決め手は防犯カメラと父親の通報 : J-CAST )
素顔をさらして撮影されていることから、「写っても構わない」という意思は認められる。「証拠隠滅は考えていなかった」というのも、その通りだろう。
しかしそれは、「強い意志で犯行を行った」ということにはならない。むしろ、「自殺するつもりだった」と解釈する方が妥当だろう。なぜなら、「強い意志で犯行を行った」という割には、その拳銃でどんな犯罪もやらかしていないからだ。銀行強盗もやっていないし、立てこもりもやっていない。彼は単に山中をさまよっていただけだ。まるで死に場所を求めるように。……いや、まさしく死に場所を求めていたのだろう。そう解釈する方が筋が通る。
【 地図 】
逮捕された場所。( → 出典 )
近くの Google ストリートビューを見てもわかるが、とんでもなく険しい山中だ。丹沢あたりの低い山地とは全然違って、すごい急斜面。
水や食料を持っていたとは報道されていないので、長期の山ごもりをするつもりだったとは思えない。生きるつもりがあったとは思えない。

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最後の少し前に 《 加筆 》 という箇所を付け足しました。