2019年06月15日

◆ ホルムズ海峡の犯人は?

 ホルムズ海峡でタンカーが攻撃された。その犯人は誰か?

 ──

 ホルムズ海峡でタンカーが攻撃された。
 攻撃は、タンカーを炎上させるもので、水面上の船体を破壊した模様。





 攻撃方法は、機雷ではなく、飛来物(ロケット砲?)であるらしい。
 アメリカ軍はタンカーから不発の爆弾が見つかったと発表していますが、堅田社長は、「乗組員が飛来物でやられた、なにかが飛んできたようだと話している。乗組員が目視もしていて、それで船内に穴があいたという報告がきている」と述べました。
 そのうえで、「タンカーが着弾の被害を受けた場所は、水面よりかなり上にあり、機雷や魚雷、装着物による被害ではないと思う」と述べ、飛来物で攻撃を受けた可能性が高いという見解を示しました。
( → タンカー攻撃「機雷や装着物による被害ではない」 海運会社 | NHKニュース

 米国政府は、「イラン政府が犯人だ」という趣旨で批判した。理由は下記。
 ポンペオ米国務長官も13日の会見で、収集した情報や使用された武器などを総合的に分析した結果、「イランに攻撃の責任がある」と断言。「この地域にイランの他にこれだけ高度に洗練された攻撃を実行できる勢力はいない」とし、
( → タンカー攻撃、米イラン緊張 米「イランがやった」 「根拠ない」猛反発:朝日新聞デジタル

 イラン海軍のボートが攻撃を受けたタンカーから、不発に終わった水雷を除去する様子をとらえた映像と写真を米国が入手していると報じた。
 ポンペオ米国務長官はこの日、諜報(ちょうほう)機関の集めた情報により、事件はイランによる犯行だと断定。ただ、詳しい証拠の内容については語らなかった。
 CNNは当局者の話として、イランのボートが攻撃を受けた船に横付けし、「リムペットマイン」と呼ばれる遠隔操作可能な水雷を取り除く様子を米国の軍用機が記録していたと報道した。CNNは記録を確認していないというが、これが、米国側がイランによる犯行だと断定した「証拠」の可能性がある。
( → タンカー攻撃、イラン関与の「映像と写真」 CNN報道:朝日新聞

 イラン政府は攻撃を否定した。
 イラン側は関与を全面否定している。ザリフ外相は14日、「米国は事実に基づいた証拠なしにイランを批判している」とツイッターに投稿。イラン政府のラビイー報道官は13日、「(事件から)誰が利益を得るのか、注意して判断すべきだ。だまされてはいけない」とイランメディアに語った。
( → トランプ氏「イランがタンカー攻撃した」 イランは否定:朝日新聞

 米国政府とイラン政府の言い分は、真っ向から対立している。では、どちらが正しいのか?

 ──

 私が直後に思ったことは、こうだ。
 「イラン政府が実行したとすれば、恐怖心を煽るのが目的であるから、自分たちが実行したと宣伝するはずだ。しかし、自分はやっていないと主張するのであれば、やったことのメリットがないことになる。無意味化する。矛盾」
 「イラン政府が実行したとしたら、時期が最悪だ。安倍首相の訪問の時期にあわせて対立を煽るようなことをするのは、自国の利益に反する。矛盾」
 「イラン政府が機雷を設置したとしたら、自分の家の前に爆弾を置くのも同様で、自分自身が最大の被害者となる。馬鹿げている。矛盾」
 以上のいずれでも、矛盾が生じる。したがって、「イラン政府がこういうこと(タンカー攻撃・機雷設置)をしたということはありえそうにない」と判断した。

 一方で、米国の主張もある。それを吟味すると、問題点が浮き上がった。
 (1) 機雷攻撃があったという米国の主張に反して、飛来物(ロケット砲?)による攻撃らしい。矛盾。
 (2) 「イランに攻撃の責任がある」というふうに、ぼかして批判しているだけであり、「イランが攻撃した」と直接的に言っていない。
 (3) 「事件はイランによる犯行だと断定。ただ、詳しい証拠の内容については語らなかった」ということだから、証拠は何も示せないでいる。(こいつはひどいね。証拠なしで逮捕するようなものだ。)
 (4) 「不発機雷の除去」を理由としているが、これは、イラン政府も述べているとおり、安全確保のためだ。米国の言い分は、放置された爆発物を撤去する警察・自衛隊をテロリスト扱いするようなものだ。狂気の論理。
 (5) 最大の根拠は「この地域にイランの他にこれだけ高度に洗練された攻撃を実行できる勢力はいない」ということのようだが、これは成立しない。(後述)

 ──

 さて。イラン政府が犯人ではないとしたら、誰が犯人なのか? それが問題となる。
 ここで、ひげもじゃの名探偵が登場して、こう判断する。
 「誰が真犯人か? それは、この事件で最も利益を得たのが誰かを考えれば、自然にわかる。また、この事件を起こす能力があるのが誰かを考えても、自然にわかる。それは、イスラエル政府だ」


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 その推理の根拠は? 
 第1に、イランを経済的に封鎖しようというトランプ政権の方針が、イスラエルの要請によってなされたものだった。今回の問題の根源は、(イランの経済封鎖をもたらした)イスラエル政府だったのである。
 第2に、この地域で秘密裏にロケット砲攻撃をする能力があり、しかも、すぐさま隠密裏に撤退する能力があるとしたら、イスラエル以外にはない。アラブのテロリストやイラン政府ならば、やったことがすぐにバレる。バレずにできるような能力をもつのは、イスラエルのモサドしかありえまい。
  → モサドとは - コトバンク
  → イスラエル諜報特務庁(モサド) - Wikipedia
  → モサド、イスラエル諜報特務庁が最強と呼ばれる所以
  → スパイ大国イスラエル「モサド」の暗殺手口が神業過ぎる

 ※ モサドは、CIA のような(単なる)諜報機関ではなくて、武力行使を可能とする軍事組織である。特務機関とも言われる。しかも、法的には存在が認められていない「裏の組織」である。( → Wikipedia

 ──

 結局、(動機や手口など)あらゆる面で、モサドの犯行であることが推定される。「モサドがやって、イラン政府のせいにする」という筋書きだ。
 そして、これは一種のペテンである。人々をだまそうとしているわけだ。そこで、例によって本サイトが「ペテン師にだまされるな」と指摘するわけだ。



 【 関連サイト 】

 イスラエルはかつて、シリアの核施設を空爆したことがあった。
  → 動画:シリア「原子炉」空爆、イスラエルが認める
  → イラク原子炉爆撃事件 - Wikipedia

 今回もイスラエルは、イランの核開発を阻止するために、イラクの経済封鎖を狙った。「アラブの核開発阻止」のためであれば、イスラエルはどれほど荒っぽいことでもやってのけるのだ。今後、イスラエルによるイラク空爆も考えられなくもない。それは、「ありえないこと」ではなくて、「かつて起こったことの再現」であるにすぎない。



 [ 余談 ]
 余談だが、集団的自衛権の法律導入に際して、「ホルムズ海峡で日本船が攻撃されるのを防ぐために、自衛艦を派遣する」と首相は述べたが、どうするんですかね?
 公約通りに、自衛艦を派遣するの? それとも、あれは口先だけであって、本当は(日本船ではなく)米国の艦船を守ることだけが目的だった、と正直に認めるの?

posted by 管理人 at 16:00| Comment(2) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
情報戦としての推測ですが;
今回、誰が利益にあずかるのかを考えると、
イランには何の利益も無いので、シロかと。
米国が戦争をしたいがために強行、
は、昔はよくある話。文書は数十年機密の類。
けれどもトランプさん、そういうことは嫌う。
ブッシュ親子の時は常套手段でしたが。
とすると、イランを装って仕掛けたならば、
サウジやドバイ、バーレーンやイラクが浮上。
イラクは国力が苦しいので、
原油高騰を狙うサウジか。ただ、
パイプラインで中国輸送計画を実行させるため、
イランか中国がやった可能性はゼロでは無くか。
Posted by メルカッツ at 2019年06月17日 21:36
> サウジやドバイ、バーレーンやイラクが浮上

 これらの国がやるなら、こっそり隠れてやる必要はなく、堂々と宣戦布告して攻撃すればいい。むしろ、その方が効果的だ。
 せっかく攻撃したのに黙っているなんて、意味がない。特に、自分が正しいと思っているのであれば。
 ゆえに、上記の諸国がやったはずがない。

 そもそも、こんなところで戦火を上げたら、自分自身が大損しかねない。この一帯が戦争になったら、石油の売上げもなくなって、国家存亡の危機だ。自殺志願者でもなければ、そんなことをするアラブ国家はない。

 
Posted by 管理人 at 2019年06月17日 23:48
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