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新幹線の刃物対策はなされている。
東海道新幹線で昨年6月、乗客3人が刃物で殺傷された事件は、9日で1年を迎える。JRの安全対策はどこまで進んだのか。
事件は週末の夜、大阪方面に向かう下り「のぞみ265号」の車内で起きた。小島一朗被告(23)が突然、両隣の席の女性2人を襲ってけがをさせ、止めに入った会社員の男性(当時38)を切りつけるなどして殺害したとされる。
国土交通省は省令を改正し、今年4月から乗客の手荷物として梱包(こんぽう)していない刃物を持ち込むことを禁止。対象はナイフ、包丁、はさみ、のこぎりなど。
( → 新幹線殺傷1年、安全対策は今 持ち込み刃物は梱包必須:朝日新聞 )
事件を受け、JR東海はこの一年で、警備員を新幹線全列車に同乗させるなど「見せる防犯」を強化してきた。
社長は車内を巡回する警備員を「ある種の抑止力」と説明。今後は東京−新大阪の全区間に同乗させる態勢をつくり「見せる防犯」を強めていくとした。
( → 東京新聞:新幹線殺傷1年 JR東海 全列車に警備員同乗 )
単に警備員を乗せるだけでなく、警備員を巡回させて、抑止力とするわけだ。(犯人に犯行をする気をなくさせるわけ。)
これはうまい方法だ。じつは、「こうすればいい」と思って、書こうとしたのだが、ちょっと調べたら、私が提案するまでもなく、すでに実現していると判明した。そこで上記記事を紹介したわけだ。
で、私が提案しようとしたことがすでに実現しているのだから、特に付け足して言うほどのことはない。
( ※ なお、コストは乗客1人あたり 30円ぐらいだ、という試算もある。私と同じようなことを考えて提案した人がすでにたくさんいる。)
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さて。それとは別の話。
刃物対策とは別に、火災対策も大事だ。というのは、前に新幹線内で火災が起こって、死者が出たことがあるからだ。これについては、前に論じた。
→ 新幹線の換気装置: Open ブログ
ここでは、(焼身自殺にともなう)火事が起こったあと、密閉された車両のなかで煙と熱で窒息死した、という事例があった。そこで、対策として、私は「こうすればいい」という対策を記した。(2015年07月03日)
しかしその後、対策は何もなされていないようだ。ググっても、当時の火災の記事が見つかるだけで、対策の話は見つからない。
新幹線 火災 換気 - Google 検索
とすれば、新幹線はいまだに火災に弱いわけだ。同じような事件が起これば、ふたたび死者が発生する状況にあるわけだ。
刃物対策のためには、多額の費用をかけて実施するくせに、火災対策のためには、少額の費用をかけることすらしない。換気装置を付けるなんて、たいして金がかかるわけでもないのだが。
あちらをやっても、こちらはやらない。頭隠して、尻隠さず。それが JR というものだ。
[ 余談 ]
別件だが。……
そもそも JR の各社の新幹線が統合されていない、ということからして、不便で仕方ないね。運用は各社別でもいいが、営業は統合するべきだろう。統合した販売会社を作るべきだ。
こんなこともできないで、東京五輪を開催するのだから、外国人にとっては不便極まりないだろう
インターネットで前もって予約したJRのきっぷを、出発駅ですんなり受け取れなかった。そんな経験の持ち主は結構いるはずだ。理由は、JR各社がばらばらに開発したネット予約システムにある。同じ「JR」なのになぜ? 改善策は?
現在のネット予約システムには落とし穴があります。まずは、乗車前のチケット受け取りが必須なこと(チケットレスサービスも一部ありますが)。もう一つは、チケットを受け取れる駅が限られることです。
全国ネットワークできてからはじめんかい!」
JR東日本の「えきねっと」で予約したきっぷを、出先の岡山駅(JR西日本管内)では受け取れなかった――という経験談です。
「えきねっと」のホームページには、これに関する注意事項が大きく記されているので、「見落とすほうが悪い」と反論する書き込みも多数ありました。とはいえ、ふつうの利用客は「各社が縦割りの現状こそおかしい」と考えるほうが自然ではないでしょうか。
東京五輪・パラリンピックを2年後に控えた今、利用者本位の発券システムが望まれます。
( → 各社縦割りでイライラ…JRきっぷのネット予約: 読売新聞 )