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JDI が迷走しつづけている。1カ月ほど前には、こう書いた。
JDI は、中国・台湾の企業の買収されるはずだったが、見放されて、一挙に見通しが不明になった。会社清算かも。
( → JDI が見通し不明に: Open ブログ )
このあと、状況が定まらないまま宙ぶらりんになっていたが、さらに迷走状態が深まった。新たに次の報道が出た。
経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、社長執行役員兼最高経営責任者(CEO)の月崎義幸氏が業績低迷の責任を取って9月30日付で辞任すると発表した。
債務超過の寸前まで追い込まれている JDI は5月30日、出資の受け入れ交渉をしている中国・台湾の企業連合が今月14日までに出資に必要な手続きをとる、と発表したが、最大800億円の金融支援をめざした交渉はなお続いている。
( → 業績低迷のJDI、月崎社長が引責辞任へ 債務超過寸前:朝日新聞 )
交渉は続いているとのことだが、相手に突きつけられた条件を満たせないまま、時間がいたずらに流れていくだけだ。これはいわば、川を下りながら、その先にある滝をめざしていくようなものだ。最終的には期限切れとなって、滝の位置まで達して、滝壺に落下することになりそうだ。(倒産)
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まあ、JDI がどうなるかは、もう、どうでもいいことだ。臨終が間近になった癌患者のようなものである。死期を延ばすことはできるかもしれないが、延命措置を取ったところで、死病が治るわけでもなく、単に無駄な治療費がかさむだけのことだ。(治療を諦めれば治療費はかからないのに、無駄に治療するから、高額な治療費がどんどん垂れ流される。)
問題は、そこではない。こういうふうになったことの根源だ。それについて指摘する優れた記事があった。簡単に言えば、こうだ。
「 NTT 売却の多額の金があったので、それを財務省の管理下で運用する。そうすれば、天下り役員の派遣などで、財務省が潤う。……こういう形で、莫大な国の資産が、無駄な運用のために使われた。かくて国民は大切な資産を省庁に無駄遣いされた」
記事から一部抜粋しよう。
産業革新機構が2009年に設立されたのを機に、各省は官民ファンドを相次いで設立してきた。その多くは官の資金を民間に提供して経済成長を促そうというものだったが、会計検査院の昨春の報告書によれば、大半が赤字。
ちょうど民主党から自民党に政権が復するときで、民主党に抑え込まれていた各省が「この機会に」と雪崩を打って設立した。官民ファンドに資金をプールしておき、自分たちの政策に沿うところに資金を振り向けることができるから、役所にとって使い勝手が良い。民間ファンドほど市場圧力にさらされない半面、多くは「株式会社」なので官公庁ほど情報開示を迫られない。それゆえ規律が緩くなりやすい。
今になって財務省は「素人投資で失敗ばかり」(主計局幹部)と、ひとごとのような顔をするが、これら官民ファンドの乱立を招いたのは公金の元締である財務省でもある。
官民ファンドの有力な資金源は、財務省理財局が所管する「産業投資資金」だ。国が持つNTT株やJT株の配当を元手に年1千億〜4千億円を産業育成に投じてきた。だが、良い運用先はない。そこで理財局は専門家の検討会を設け、08年にファンドに資金を投じて良いとする報告書を受け取った。これを機に財務省が官民ファンドに資金を流すようになった。
( → (取材考記)赤字だらけの官民ファンド 「後始末」責任は財務省に 大鹿靖明:朝日新聞 )
ここで「理財局」という名前が出てくる。これには聞き覚えがあるだろう。
2015年7月7日、迫田英典が財務省理財局長に
2016年 6月17日、佐川宣寿が理財局長に就任。
( → 森友学園問題 - Wikipedia )
森友事件の主役が登場する場が、理財局だ。理財局長である迫田と佐川が、不当支出と文書改ざんの主役だったのである。
こういうふうに悪の親玉みたいなことをする連中がいるのが不思議に思えたかもしれない。だが、本項からわかるとおり、理財局というのは、もともと国の金を勝手にいじくりまわして大金を無駄に捨ててしまう部署なのである。
これはいわば、社長のドラ息子が会社の金を流用して、私的なギャンブルに投じて、スッカラカンになるようなものだ。
そして、こういう連中だからこそ、森友事件では嘘八百の偽証をしても、平然とした顔でいられるのである。凡人ならば国会で堂々と嘘をつくなんてことはできないが、根っからの悪人であれば、嘘をつくことぐらい、平気でやりのけるのだ。もともと何千億円もの国費をギャンブルで捨ててしまうドラ息子である。ちょっと嘘をつくために二枚舌を働かせることぐらいは、お茶の子さいさいであろう。
かくて JDI の根源を見ることで、森友事件の深層を理解できるのである。
( ※ 腐った連中は根っこがつながっている、とも言える。)
https://www.google.com/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASM6G5485M6GULFA020.html
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経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)が出資の受け入れ交渉をしていた台湾の電子部品大手TPKホールディングが交渉から離脱し、台湾の投資ファンドCGLグループも交渉から離脱する公算が大きいことが17日、わかった。中国1社・台湾2社の企業連合から最大800億円の出資を受ける金融支援の枠組みは崩れた。JDIは新たな出資者からの支援の取り付けをめざすが、再建は綱渡りだ。
https://www.asahi.com/articles/ASM6K4W6RM6KULFA00V.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50233940W9A920C1I00000/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50273060W9A920C1TJ1000/