2019年06月11日

◆ 若手研究者の採用増

 若手研究者の採用増という方針を政府は打ち出した。素晴らしいことだと見えるが。……

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 若手研究者の採用増という方針を政府は打ち出した。
 政府の統合イノベーション戦略推進会議は11日、雇用が不安定な若手研究者のポストを増やし、研究に専念できる環境を整えることなどを目標に掲げた「統合イノベーション戦略2019」の素案をまとめた。現在は大学教員の3割弱である40歳未満の割合を23年度に3割以上に引き上げる。
( → 「大学教員、3割以上を若手に」 統合イノベーション戦略推進会議:朝日新聞

 これは、ポスドクなどに悩んでいる若手研究者の採用増を意味するので、素晴らしいことだと思える。
 しかし、よく考えてみよう。これは椅子取りゲームに似ている。椅子の総数が同じなのに、誰かが席を取れば、代わりに誰かが席を失う。若手が席を多く得れば、中高年が席を多く失う。
 結果的に、次のようになる。
  ・ 若手  …… 採用が増えて、喜ばしい。
  ・ 中高年 …… 途中解雇で放り出されて、失業する。


 あちらが立てば、こちらが立たず。どっちみち被害者は出るのである。
 では、どうせ採用されないのなら、どっちがマシか? 
  ・ 若手なら  …… 大学の代わりに民間に就職する
  ・ 中高年なら …… 行先がないので、失業や自殺する

 では、「民間への就職」と「失業・自殺」の、どちらが好ましいか? 言わずもがなだろう。だから現状では、若者に向けて、「大学に就職先がなければ、民間企業に勤めよ」という方針が出されている。これが普通だ。
 ところが今度、政府は別の方針を出した。「若者を採用する」と。そして、そのためには、中高年を中途解雇するしかない。すると、彼らは「失業・自殺」をするようになる。
 つまり政府は、日本でも最優秀の部類の頭脳の持ち主を、大量に殺そうとしているのである。日本版のポルポトだな。

 結論。

 政府は、「高等教育の無償化」という形で、Fラン大学に入るようなバカを大規模に優遇する。
  → Fラン大学の無償化: Open ブログ
 その一方で、政府はこれまで雇用してきた、研究機関にいる中高年を、大規模に解雇して、失業・自殺に追い込もうとしている。(本項)
 バカを増やして、利口を殺害する、という方針を取るわけだ。
( ※ ま、Dラン大卒の首相なんだから、そうするのも当然かもしれないが。)



 [ 付記 ]
 ではなぜ、政府はこういう馬鹿げた方針を取るか? それは、こうだ。
 「総枠が変わらないまま、若手の席を増やすと、中高年の席が減るのだが、そのことを理解できない。若手の席を増やしても、中高年の席が減らないと思い込んでいる。要するに、引き算ができない」
 つまり、政府が馬鹿げた方針を取るのは、(ポルポトみたいに)頭が発狂しているからではなくて、単に「引き算ができない」ということが理由なのである。いわば、椅子取りゲームの意味さえ理解できないのだ。嘘みたいだが、ホント。




posted by 管理人 at 23:19| Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この方針をとるのなら、運営費交付金の増額が必要ですが、財務省がそんなことをするわけがなく、毎年1%ずつカットし続けています。真綿で首を絞めるがごとく。

なので、この方針は無意味(というよりは無効)です。
Posted by 反財務省 at 2019年06月12日 00:22
高齢ポスドクの面々はここでも割りを食う事になる。
悲惨すぎる。
Posted by OD at 2019年06月12日 09:45
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